定年 再就職とシネマの日々(旧かんちゃんSr.のオヤジな日々)

あと3年で70の大台です。再雇用の職場も定年、パート仕事をしています。映画と写真を愛しているオヤジです。

淪落の人 

2020年02月09日 18時10分00秒 | 日記
淪落とは落ちぶれているさまのこと。

リンラクは8〜9世紀に生きた白楽天の『琵琶行』の詩にある熟語だそうです。

香港に住んで、事故による車椅子生活を余儀なくされている男性。
フィリピンから家政婦の職を求めて、やって来た若き女性。

雇い主は広東語、家政婦は英語しか話せない。元看護師の家政婦には写真家になる夢がある。
だが、仕事と故国への送金に追われて、夢を思い出す暇もなし。
雇用主と雇い人の関係はしばらく険悪だ。首から下の感覚を失った雇い主には夢を語る家政婦に嫌悪感さえ感じている。

お互いの歩み寄りにより、言葉によるコミュニケーションが潤滑になるにつれ、家政婦の夢をサポートしようとする気持ちが、雇い主に芽生え
...。
昨年末に先行上映があったが、鑑賞料金が高く、公開を待ちに待って観てきました。香港英語の可笑しさにも触れた。

人間はみな平等であること、頭では理解しているが、マイノリティを低く見がち。我が国で働く外国人労働者に対しても然り。
夢を描くことにおいて、人はみな同じスタンスに立つ。

カンフー、ギャングものではない香港映画の力作であり、秀作である。