人の世に絶対的な幸福があるのだろうか?と観賞後に思った。
1980年代、新天地を求めてアメリカで農業を始める韓国人家族の物語。
トレーラーハウスに居を構えるが、中盤でそこは事故物件であることが判る。
元来、夫婦は孵卵場でひよこの雌雄を見分ける仕事に就いていたため、
妻は引越しに否定的。従って初日から夫婦喧嘩が絶えない。
これほどの不運があってよいものか。何事も上手くいかないことの連続。不穏な予感が全編に漲る。
唯一、韓国から呼び寄せた妻の母がぶっ飛んでいる。心臓病を抱える孫息子とのやり取りに、活力がある。
荒療治をしようとする祖母。
60年以上前の僕の日常が蘇ったのは、僕の祖母と被ったから。
ミナリは七草のひとつセリのこと。
セリはどんな土地でも育つ丈夫な植物。
ラストまで悲劇的なファミリーストーリーだが、エンディングで微かな光が映されたように感じた。
(PlanBはブラピが興した制作会社)