神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] スターシップ ―反乱―

2009-05-28 22:48:31 | SF
『スターシップ ―反乱―』 マイク・レズニック (ハヤカワ文庫SF)



筋立ては50年代のスペオペっぽいと思った。なんか、古臭い。なおかつ王道。

硬直した官僚主義の上層部の命令に背いて戦功を立てる英雄の話。そして、この英雄が軍を辞めて××になるまでの話。
トールサイズで活字が大きくなったせいか(笑)すらすら短時間で読める。登場人物も、各種異星人取り混ぜて、個性的で魅力的なのだが、擦れた読者にはもう一ひねり足りない感じ。

良くも悪くも、マスゴミが鍵になるところが90年代っぽいか。それでも90年代で、ゼロ年代じゃないんだよな。

さぁ、これからが冒険の始まりだ的な終わり方をするし、《バースライト・ユニバース》シリーズの中の、さらにサブシリーズの1冊目らしいので、この巻だけで評価するなということもあるかもしれない。でも、これじゃ、先を読む気にならんですよ。

マイク・レズニックの『アイボリー』、『パラダイス』など、ほとんどの作品が上記のシリーズに含まれるらしい。とはいっても、アシモフみたいに最終的に繋がるような一大未来史なので、個々の作品ではあまり関係が無いようだ。

しかし、レズニックの作品で印象に残っているのは『キリンヤガ』も『一角獣を探せ』も、このシリーズでは無いらしい。

“らしい”ばっかりのヘンな文章になっちゃってますが……、なんか読むべき本じゃなかったかも。


ところで、何をいまさらといわれるかも知れないが、ショックだったのは、愛用の早川さんブックカバーに、トールサイズになったハヤカワ文庫が入らないこと。早川さんなのに!

ちなみに、角川ちょっくらぶのカバのカバーもダメだったよ。

早速、トールサイズブックカバープレゼントには応募したんだが、手っ取り早く売ってくれませんかねぇ。


栗本薫が、死んだ。

2009-05-28 21:01:49 | Weblog
昨晩、栗本薫逝去のニュースを目にしてから、日記として何か書いておこうと思ったのだけど、結局何も言葉にすることができなかった。

会社からの帰り道、つまみとビールを買って、シャワーを浴びてレプリカに着替え、万全の体制でキリンカップ、日本-チリ戦を見ていた。岡崎すげぇー、とか、山田くん座布団持ってきてぇーとか、いい気分で4-0の大勝利を迎え、PCに向かった瞬間に目に飛び込んで飛び込んできた訃報。

本当にもう、すべてが吹き飛んでしまいました。

来月も新刊が予告されているのに。
中2の夏に読み始めたグイン・サーガは、いつまでも終わらないものだと思っていた。
そして、栗本薫本人も、グイン・サーが終わらない限り、死にはしないと思っていたに違いない。

グイン・サーガが無ければ、日本にヒロイックファンタジーは根付かなかったかもしれない。
スレイヤーズもドラゴンクエストも存在しなかったかもしれない。

トマトとか、こんぴゅーたーとか、お前の味とか、いろいろあったけど、今でも脱落せずに読んでます。
(魔界水滸伝は挫折したけど……)

ついにアニメ化までされたこの年に、最終巻を書かずに逝ってしまうとは。
ヤーンの糸車はなんと残酷なことか。

いずれ冥界へ行ったとき、250巻ぐらいまで書かれてないだろうか。そしてまた、著者転生のため未完、なんてね……。