『鳥姫伝』 バリー・ヒューガート (ハヤカワ文庫 FT)
古本積読消化。ハヤカワオンラインで検索できないところを見ると、版元品切れかも。
これは正真正銘のアメリカ人が描いた中華ファンタジー。舞台や登場人物だけではなく、台詞回しや道教的な考え方も(少なくとも自分が読む限りは)完全に中華風を貫いていて、ボロが出ない。これだけでもすごい。
内容的には、悪疫にかかった村の子供たちを救うために、力自慢の十牛と、村の依頼を受けた賢人、李高が、幻の万能薬“大力参”を求めて大冒険を繰り広げる壮大なホラ話。
危機一髪を李高の冗談みたいな知力と十牛の体力で切り抜けるあたりは痛快であるが、ホラ話特有の嘘っぽさが緊迫感をそいで、どこかほのぼのとした印象を与える。
と思って読んでいたら、最後の最後に大ネタが。油断して呼んでいたので、これは驚いた。そりゃ、繰り返しギャグみたいに、うまいところでうまいことが起こるもんだ。
そして、悲しい物語の結末は美しいフィナーレへ。
中華風ファンタジー形式でのホラ話という構成がすんなり決まりすぎていたおかげで、感心はするものの小説としての面白さは今ひとつだと思っていたが、これはすごい。ゾクゾクするくらい感動した。
ところで、中国の歴史関係でいくつか疑問に思ってググって見たりしたのだけれど、わざと出鱈目に作ってあるらしい。
“A Novel of an Ancient China That Never Was”
だそうだ……。
古本積読消化。ハヤカワオンラインで検索できないところを見ると、版元品切れかも。
これは正真正銘のアメリカ人が描いた中華ファンタジー。舞台や登場人物だけではなく、台詞回しや道教的な考え方も(少なくとも自分が読む限りは)完全に中華風を貫いていて、ボロが出ない。これだけでもすごい。
内容的には、悪疫にかかった村の子供たちを救うために、力自慢の十牛と、村の依頼を受けた賢人、李高が、幻の万能薬“大力参”を求めて大冒険を繰り広げる壮大なホラ話。
危機一髪を李高の冗談みたいな知力と十牛の体力で切り抜けるあたりは痛快であるが、ホラ話特有の嘘っぽさが緊迫感をそいで、どこかほのぼのとした印象を与える。
と思って読んでいたら、最後の最後に大ネタが。油断して呼んでいたので、これは驚いた。そりゃ、繰り返しギャグみたいに、うまいところでうまいことが起こるもんだ。
そして、悲しい物語の結末は美しいフィナーレへ。
中華風ファンタジー形式でのホラ話という構成がすんなり決まりすぎていたおかげで、感心はするものの小説としての面白さは今ひとつだと思っていたが、これはすごい。ゾクゾクするくらい感動した。
ところで、中国の歴史関係でいくつか疑問に思ってググって見たりしたのだけれど、わざと出鱈目に作ってあるらしい。
“A Novel of an Ancient China That Never Was”
だそうだ……。