神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[コンサ] 2010 J2第13節 札幌 - 大分

2010-05-16 22:02:20 | コンサ
2010 J2第13節:コンサドーレ札幌 2-2 大分トリニータ @スカパー


今日は室蘭開催日。「なまらうまいぜ!スタジアムグルメ」企画が大人気だったらしい。キンキすり身汁、帆立の玉焼き、食べたかったです。ウラヤマシス。

前節の試合で岩沼負傷により欠場。これで箕輪、ソンファン、堀田、岩沼が欠場。吉弘が復帰したばかり。ということで、なんと藤田が右サイドバックで先発。たしか去年も右SBを試されて、ものにならなかったのでかなり不安。しかし、藤田が右サイドバックを努められるようになれば、古田との同時起用もできてまさに夢のシステム。

さらに、近藤が腰痛で欠場のため、キリノの1トップ。同様に腰痛で欠場していた内村が復帰ということでベンチに入るが、キリノの1トップはこれまで機能していなかったので、これも不安材料。

一方の大分はキムボギョンが韓国代表合宿とやらで不在。不安な藤田の正面の選手だけに、これはラッキー。しかも、システムをいじって3-5-2。サイドから攻めたい札幌にとってはこれも好都合。

そんな中、前節と同様の開始早々に、キリノが相手DFラインからボールを掻っ攫ってゴール。こうなると、北九州戦の再現かと思いきや、さすがに大分相手ではそうもいかず、デカモリシにうまく振り切られ、失点。

前半終了間近に、宮澤の絶妙スルーパスから岡本がキーパーをかわしてシュート→DFクリア→振り向いたキーパーの膝にあたってゴールインというお笑い得点。これはもう岡本の得点ということでいいじゃないか。

後半はちょっと足が止まり気味で、両チーム放り込みも多くなる。大分は前半途中から4バックへシステム変更し、3バックの時よりも守備は安定した。

そして、古田に変わった砂川がペナルティエリアのぎりぎり外で手を使って相手を倒し、フリーキックを献上。このセットプレーのこぼれ球を押し込まれて同点。

その後も札幌、大分、ともにゴールのチャンスはあったが、フィニッシュが決まらず、試合終了。今村主審の謎判定ばかりが目立つ試合となった。

地元出身で今日の注目株だった宮澤は合格点。フィールド中央でボールを捌き、まさに王様。ボールの収まりどころが最前線のキリノではなく、トップ下の宮澤になったために攻撃に柔軟性が出た。一方のキリノは裏に抜けるプレーや、DFのトラップミスを狙うプレーに徹しており、持ち前のスピードを生かすことができるようになった。

ところが、それがうまく行き過ぎて、カウンターで飛び出してもキリノのみが孤立。かつてのエメルソンやダヴィだったらそのままシュートまで持っていけたんだが、キリノはまだそこまで行っていない。押し上げるにしても、キリノに追いつけるのは、今日サイドバックに入ってしまった藤田ぐらいか。

その藤田は守備で不安なシーンを何度か見せながらも、致命的なミスは無かった。キムボギョンがいなかったせいもあるのだろうが。しかし、藤田の持ち味はサイドの突破なのだが、左の西嶋よりもオーバーラップが少ないぐらいで、まったく良い処を見せられなかった。守備専のサイドバックだったら、藤田を起用した意味が無い。

2失点に絡んでしまった石川(1点目はスライディングをかわされ、2点目は反射速度で負け)は悔しいだろうが、ああいうシーンにまで持ち込まれたらもう勝負ありということ。マークの受け渡しができないなら、マンマークでもいいよ。

負傷から復帰した内村は、想像よりいい動きをしていた。前節途中出場した吉弘とともに、次節は先発あるかも。

振り返ってみれば、良いシーンもあり、悪いシーンもあり。審判がクソだったのを除けば、見る分にはすばらしいシーソーゲームな試合だった。しかし、チャンスの多さに比べて得点が少なく、課題であるセットプレーからの失点もあり、まだまだ問題点は山積み。

次節、徳島は今日、柏にボロ負けしただけに、返って当たるのが怖い……。


[SF] 鏡の国のアリス

2010-05-16 15:56:45 | SF
『鏡の国のアリス』 広瀬正 (集英社文庫)



映画「アリス・イン・ワンダーランド」があんまりだったので、原作を読もうとして間違って買っちゃった本。(←うそです)

とはいえ、映画を見たのを契機に積読消化。内容はアリスにはほとんど関係ない鏡の国の話。
他、短編3本収録。


「鏡の国のアリス」
アリスのように、本当に鏡の国へ紛れ込んでしまったら、どういうことが起こるのかという思考実験小説。しかし、残念ながら、主人公はょぅι゛ょではなく、若い男。

鏡の不思議な(実はわかっていれば不思議でもなんでもない)性質を、中学生向けの番組を作って説明するなど、けっこう親切なつくりになっている。その分、ストーリーはありきたりになってしまているかも。

光学異性体の食べ物を消化できないが、飢え死にしないために「凄い科学の力」で何とかするとかのあたりまで突っ込めれば、また違った話になっていたかも。

ただ、左利き用製品の話題や、個々の思考実験部分は、科学的な思考を面白いと感じるきっかけになるのではないかと思うので、ぜひ中学生くらいの人に読んでもらいたい。

じつはこの小説で一番面白いのは、鏡の国の人間にとっての右は、我々にとっての左だということだ。つまり、主観的に文字だけで書いていると、どちらがどちらの世界なのかがまったくわからない。

主人公が最初にいた世界と、風呂屋で紛れ込んでしまった世界のうち、我々が住んでいる世界はどちらでしょうということ。(あれ、ネタばれ?)


「フォボスとディモス」
ありがちホラー。

「遊覧バスは何を見た」
SFじゃない、人情小説。ただ、最後は非情か。

「おねえさんはあそこに」
短編なのに、3連発くらいのひっくり返し。これも文字で記述するがゆえの面白さ。叙述トリックといってしまえばそれまでだが。