『エステルハージ博士の事件簿』 アヴラム・デイヴィッドスン (河出書房新社 ストレンジフィクション)
うーん。読んでいるところが違うのか、そんなに楽しめなかった。いや、面白かったけど、フツー。
「短編集だけど、実は長編」とか、「続けて読んで初めて面白さがわかる」とか、変な評判に惑わされ過ぎてしまった感じ。
スキタイ=パンノニア=トランスバルカニア三重帝国という、第一次世界大戦前にバルカン半島に存在した架空の帝国を舞台に、医学博士で、法学博士で、なんたらかんたら合わせて7つの博士号を持つエステルハージ博士が活躍する不思議物語。
バルカン半島のあたりは民族紛争が絶えず、今でも、なんとかビッチ選手の国籍はどこだっけ……とか戸惑うこともあるくらいなので、こんな長い名前の小国があっても、ぜんぜんおかしくない。いや、あったかもしれない、と思わされてしまう。
短編の並びは、科学的に「も」解明できそうな話から、より幻想的な話へと続き、最後には、この三重帝国が人々の記憶から消えてしまうだろうということが匂わされて終わる。すなわち、この小国の存在こそが“事件”なのである。
ストレンジフィクションは、『ストレンジトイ』も、『ドクターラット』も面白かったんだけど、これは微妙。いわゆる“奇妙な味”小説は得意ではなく、短編よりも長編派なので仕方が無いか。でも、この評判の良さは解せないのだよな。ジャンルが違う感じ?
うーん。読んでいるところが違うのか、そんなに楽しめなかった。いや、面白かったけど、フツー。
「短編集だけど、実は長編」とか、「続けて読んで初めて面白さがわかる」とか、変な評判に惑わされ過ぎてしまった感じ。
スキタイ=パンノニア=トランスバルカニア三重帝国という、第一次世界大戦前にバルカン半島に存在した架空の帝国を舞台に、医学博士で、法学博士で、なんたらかんたら合わせて7つの博士号を持つエステルハージ博士が活躍する不思議物語。
バルカン半島のあたりは民族紛争が絶えず、今でも、なんとかビッチ選手の国籍はどこだっけ……とか戸惑うこともあるくらいなので、こんな長い名前の小国があっても、ぜんぜんおかしくない。いや、あったかもしれない、と思わされてしまう。
短編の並びは、科学的に「も」解明できそうな話から、より幻想的な話へと続き、最後には、この三重帝国が人々の記憶から消えてしまうだろうということが匂わされて終わる。すなわち、この小国の存在こそが“事件”なのである。
ストレンジフィクションは、『ストレンジトイ』も、『ドクターラット』も面白かったんだけど、これは微妙。いわゆる“奇妙な味”小説は得意ではなく、短編よりも長編派なので仕方が無いか。でも、この評判の良さは解せないのだよな。ジャンルが違う感じ?