神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

第49回日本SF大会2010TOKON10 第二日目

2010-08-09 00:59:03 | SF
SF大会二日目。

目覚ましのなる前に起きてしまい、することも無いので駅前のミスドで朝食がてら、読書。

9:00に会場入りするも、まだ企画準備前。それでも、気の早い人たちはいるもので、他の方々に紛れ、そんなに不自然でもなく着席して、読書の続き。そして、登壇した小浜さんたちに、早いねぇと呆れられる。



『電子出版とこれからの出版社』

SF小説系の電子出版の現状を聴く。SF者は新し物好きなだけに、過去にも電子出版の残骸というか、死屍累々の惨状が語られる。そんな中、瀬名さん(本人いわく、原稿を書いただけ)たちのAiR(http://electricbook.co.jp/)が最新のトライアルとなる。

昔と変わったのは、電子書籍を読めるデバイスの広がりによるマーケットの拡張、および、課金システムの洗練化であり、結局「できること」というのはそんなに変わっていない。

電子出版というか、電子書籍は二つの目的があると思っている。ひとつは絶版本を失くすという、著者も読者も、もしかしたら出版社もwin-winな関係になれる可能性がある分野。これについては、ただスキャンしただけのものは書籍と呼ばないという、出版社の頭の固さが障害となっている模様。これに風穴を開けるべく、絶版堂(http://zeppan.org/)が動き始めているが、これは法律的にかなり黒に近いグレーということで、参加する側にもちょっと躊躇がありそう。

一方で、新刊書としての電子書籍はさらに二つに分かれる。いわゆる長編小説と、それ以外。長編小説は電子出版には向かない、というか、電子書籍となる利点はほとんどないのではないかという議論に同意する。もちろん、物理的スペースの削減という効能はあるが、本読みにとってはそれも楽しみの一つ。本棚は部屋の断熱材である。

それ以外に含まれる、学術系やビジネス系の新書、短編小説(ケータイ小説を含む)は最初から電子書籍という形態として作成されることにより、よりインタラクティブに、よりメディアミックスに進めることが出来るのではないかということ。しかし、これについても、そこまでいったら電子“書籍”というアーカイブである必要性はどこにあるのかという気がしてくる。

ストリームでの配信にしてしまえばコピーの心配も小さいし、会員制有料webサービスにしてしまえば金の取りっぱぐれもない。やはり、既存の出版社や、本としての小説の著者、読者は、電子書籍という概念に対しても、慣れ親しんだ“本”という形態へのこだわりが強すぎるのかもしれない。

いずれにしろ、個人的には、電子書籍が本格的に流行るためにはハードデバイスの進化がもう一段階必要だと考えているので、物理的な本の補完や、出版マーケティングとしての機能以上のものは時期早尚ではないかという持論は、今回の議論では補強されても覆ることはなかった。

いやもちろん、先行してデファクト握ろうという魂胆もわからなくはないんだけどね……。



『SFファンのための実験映画』

そもそも実験映画って何? という状態だったのですが、先日、主催の高槻真樹さんからコメントをいただいていたので、参加。

見た映画(?)は、まるでビデオドラッグのように頭がくらくらする画像(最近は動いているものは画像といわずに動画というのか)ばかりで、これを“映画”といわれると、ハテナマークが頭の上をピヨピヨと飛び交う感じだった。

それでも、伊藤高志の「SPACY」はポンピドーセンター(フランス)にも所蔵されているだけあって、実験的な映像でありながら、SF的な設定やストーリーを頭の中からズルズルと引き出される感覚がものすごい。

自分は多元宇宙の連なりを想起していたのだが、藤田直哉さんはコメントで『インセプション』を引き合いに出して説明していた。似たようなものと言われればそれまでだが、多用な解釈でワクワクできるというのは、それだけのポテンシャルを秘めているということなのだろう。

しかし、他の映画はどうにも乗れない。「MOTHLIGHT」なんて「えーい、動かすな! その蛾の羽の顕微鏡写真、もっとちゃんと見せろ!」としか思えなかったし(笑) 他のも、せいぜい貞子の呪いのビデオにしか見えないという感じ。

実験映画が、どんなものになるかわからないけれど実験的に新しい映像を作り出そうという試みなのであれば、その映像からのイマジネーションからSFが生まれたり、あるいは、SF映画の1シーンとして新しい映像表現を使ったりすることが出来るのだろう。

しかし、今日見た映像のほとんどは、ヘンな映像を作ると言う自己満足に終わっているように見えて、それだけ見せられてもなぁ、というのが正直な感想。

やっぱり、自分は映像芸術や音楽芸術のファンではなく、物語を消費して生きている人間なので、設定や物語が説明されない映像だけのものとか、音楽だけのものというのは受け入れ難い。たとえ、その説明が文字や言葉ではなくてもかまわないし、ズルズルと頭の中から何かを引き出す紐の先っぽだけでもいいのだけれど。

で、すみません。後半のトークは時間が無かったので退出しました。企画の間が30分しかないので、昼ごはんを食べる時間が……。



『翻訳家パネル「2010年代の翻訳界」』

暗黒星雲賞を取りそこなった蕎麦屋さんに行ったら込んでいたので、今日もコンビニおにぎり。ファミマのラー油おにぎりは旨いね。桃屋よりも旨いかも。

そんなわけで、なんとか間に合って翻訳家パネル。ここもタイトルに偽りありで、なんだかよくわからない展開に。というか、狭い部屋にプロが集まりすぎで、完全一般人は肩身が狭いです。

山岸さんvs大森さんの、謎の星雲賞受賞自慢合戦とか。やっぱり、みんな星雲賞欲しいんだよね。よかったね、ファングループ連合会議の中の人!

最近の潮流としては、ミリタリーSFが勃興しているが、そのせいで、ハヤカワ文庫SFはローダンとミリタリーSFとその他の3分類になってるとか。一方の創元では、小浜さんがミリタリーSF音痴なために、ミリタリーSFが出ないとか。

ミリタリーSFといっても、スペースオペラの変奏曲なので、特殊なものじゃないよーというのがミリタリーSF擁護派で、そんなもの面白くないよーというのが否定派。それでも面白い小説は面白いので、いいミリタリーSFとか。

創元で出るはずの本がこっちの出版社で出たり、創元に持ち込んだ本があっちの出版社で出たりするのは、すべて小浜さんが悪い(笑)

英米では、スチームパンクとか文学系SFとかながーい小説が流行っていて、日本じゃ翻訳しても売れない。アナログスタイル(雑誌アナログ中心の技術系SF)も退行気味。日本人の好みに合う作家を探すのが大変。ベイリーとか、イーガンとか。いっそのこと、文学に走らない下手な作家を日本向けに書かせる計画とか。

次のコマの浅倉さん追悼企画でも思ったのだが、やはり翻訳書というのは、原著者の力と翻訳家の力が合わさらないと名作が生まれない。逆に言えば、アイディアやストーリーがしっかりしてさえいれば、小説表現の下手さは翻訳の時点である程度カバーできるのかもしれないなぁと思ったり。

まぁ、そんなわけで、ミエビルの新作とバチガルビバチガルピの単行本デビューに期待してます。



『浅倉さんが愛したSF』

続いて同じ部屋で浅倉さん追悼企画。さらに関係者が増えて、さらに肩身が狭くなる。通信技術の部屋に行ってた方が良かったかなぁ。

司会の小川隆さんのゆったりとした語り口もあり、なんだかしんみりしつつも、内容は浅倉さんのユーモアのセンスとか。

有名な年賀状のSF小噺もいくつか披露。
「レズニックさん、乾杯のビールは?」「キリンヤガ」
「地球人のお荷物の続編が!」「ほーかー」
こういうのもどこかにアーカイブして欲しいものだ。

粋で努力家で自虐的なユーモアが好きで人当たりが柔らかくて……。なんてすばらしい人を亡くしたんだろうと、改めて残念に思う。

衝撃の事実は『たったひとつの冴えたやり方』の会話文は新井素子文体を参考にしたとか。こういうところにも勉強熱心な一面が伺える。(ただし、娘さんから取材したという説もあり)

ベンフォード著、浅倉訳の幻の原稿が未公開で早川書房に眠っているらしいので、清水編集長はすぐにSFマガジンに載せるように!



クロージングは開始前に舞台にきぐるみなっちゃん。オープニングフィルムで大喝采をあびたボトムズ盗撮カメラマンの実物が登場し、さらに大喝采。

暗黒星雲賞受賞式では、コスプレ部門で「はやぶさ少女」こと、秋野『』さんの次点のイカロス少女は暗黒星雲賞実行委員長の娘だったとか、なんども見かけたのにシール交換してくれなかった少女二人が煩悩王様だったとか、いろいろあって、星雲賞授賞式。

自由部門:実物大ガンダム立像
受賞者お二方のガンダムヘルメットがステキ。

メディア部門:『サマーウォーズ』
「あらわし」は本当に「はやぶさ」だった。しかも『時かけ』が星雲賞受賞したときにはやぶさタッチダウンがあって……というエピソードには泣いた。

アート部門:加藤直之
グイン、パワードスーツときて、次は女性を描くんだそうだ。ライブアートを続けてもらうには、星雲賞を送り続けなきゃね。

ノンフィクション部門:『日本SF精神史』
続編はかどかw……ゲフンゲフン

コミック部門:『PLUTO』
手塚真って老けたよね。ビックリした。もし手塚治虫が生きていたら「俺にやらせろ」と言うだろうという意見の一致に場内爆笑。

海外短編部門:『暗黒整数』
最多受賞おめでとうございます。イーガン新作長編待ってます。

海外長編部門:『最後の星戦』
著者ジョン・スコルジーのメッセージもあり。たぶん、みんながびっくりした受賞。というか、『老人と海』の時に授賞させろよ。噂の続編(外伝ジュブナイル)も発売が決まったようで。

日本短編部門:『自生の夢』
飛浩隆さんが表彰式のために上京。あれ、挨拶でなんて言ってたっけ。思い出せないw

日本長編部門:〈グイン・サーガ〉 シリーズ
今岡さんが登壇。去年、あんなことにならなくても、いつまでも書き続けて、結局未完で終わっただろうと。

特別賞:柴野拓美
夫人が登壇。そして、ふたたびの涙。

その後、来年のドンブラコンL(静岡)の紹介があり、本当にクロージング。

みなさんお疲れ様でした。
来年は、行けるかどうか……。


ちなみに、再来年のヴァリコンは登録済み。行けなくても寄付です。自分も経験していないエゾコン2(1984)以来の北海道上陸だ。エゾコン2は企画が少なくて食料が少なくて、ひたすら飲んでエライことになった伝説の大会らしいが、その再現となるか、失地回復となるか。まぁがんばってください。できるだけ協力はします。出来る範囲で(笑)


8月8日(日)のつぶやき

2010-08-09 00:26:04 | つぶやき
11:21 from Keitai Web
電子出版の話を聞いていると、絶版本対策はともかく、新しい形の電子書籍は本のコピーやアーカイブである必要がないんじゃないのか。有料ウェブサービスではなく、電子書籍である理由とは? #tokon10
15:10 from Keitai Web
ハヤカワ文庫SFはローダンとミリタリーSFとその他でできています。すべてはその他。 #tokon10
15:12 from Keitai Web
あと、すべては小浜さんのせい。 #tokon10
20:32 from Keitai Web
日本SF大会より帰還中。SF濃度の濃い二日間でした。実行委員の皆様、お疲れ様でした。そして、ボランティアできずにごめんなさい。 #tokon10
20:35 from Keitai Web
来週? 国立競技場に決まってるべさ。コミケってなに、おいしいの?
22:03 from API
【プロテウス・オペレーション (ハヤカワ文庫SF)】J・P・ホーガン追悼で購入。「量子とか、もういいよ」by山田正紀@創元SF新人賞の言葉を思い返すに、日本の量... http://book.akahoshitakuya.com/cmt/7142130 #bookmeter
22:04 from Tween
帰宅ッたー。忘れないうちにブログでも書こうと思うんだけど、気力がついてこない。
22:54 from Tween (Re: @fanaticodelcs
またか。 QT @fanaticodelcs: 【情報】足立マネージャーが国立に来るそうだ。
by kats_takami on Twitter

第49回日本SF大会2010TOKON10 第一日目

2010-08-08 22:35:47 | SF
SF大会第一日目。

ひどい。このホテル、インターネットが使える部屋ですと言っておきながら、モデム用の電話回線がついてるだけだぜ!!!!

なんども目を疑ったが、LANポートは無い。

インターネット使える部屋希望で禁煙室から喫煙室に変わったのに。ひどすぎるぞ、サンネックス船堀。

まぁ、いいけど。毎日片道2時間往復は、オジサンにはきついよ。

とりあえず、第一日目の報告。(初日の夜に書いた文章を大会終了後にアップロードしてます)



AM 8:30 船堀駅着。荷物を預けるのにホテルの場所に迷う。敗因は地図の縮尺の感覚を間違えたため。なんだよ、道路渡る前か。

タワーホール船堀着。ちょうど開門ぐらいだったのだが、何も見ずに人の流れに乗っていったら、どんどんエスカレータを上る。不安になって、一度戻ってディーラーズルームで聞いたら、5階だって。また登る(笑)

受付開始は遅れ気味だったが、受付票の回収だけだったので、すぐに通過。大ホール入場の列はこちらですと誘導されたのだが、開始はまだ2時間近く後ではないか。

ディーラーズルームでグイン王に謁見。パワードスーツにお触り(内緒)。シール作ったけど、まったく交換してねぇー。コンサシールだから、いろいろ使いまわしできるけど。

1Fの展示企画で一番の感動は3Dプラネタリウム。いや、プラネタリウムというか、3D影絵。このアイディアは気付かなかった。飛び出して見えるどころか、飛び越えるやら、周囲を覆われるやら。すばらしすぎる。一見の価値あり。

そうこうしているうちに、オープニング。謎の宇宙港を模したアナウンスは周囲でかなり不評。しかし、オープニングアニメは大爆笑。

スタートレック+The World of GOLDEN EGGSに、ボトムズ盗撮カメラに金魚復活。これはyoutubeに上げてもらえないかな。

ゲスト紹介では、ゴースト・オブ・オーナーの柴野さんに涙。

宝野アリカの「ツァラトゥストラはかく語りき」独唱はちょっと企画倒れだったか。

星雲賞は自由部門、メディア部門、日本長編部門で勝ち。あとは負け。

宝野アリカライブは、前方でヲタ芸が見られるのかと期待したんだけど、何もなし。あれをみんな座って黙って聴いてるのもどうかと思うんだけど、あれでよかったのか?


コンビニで買ったおにぎりで昼食後、午後から企画開始。


SF新人賞受賞作家パネルでは、『「21世紀SF」を考える』と題しておきながら、21世紀にSFをどうやって売るかという方向へ。出版不況のあおりで編集の手が回らないので、作家のセルフプロデュースが必要。それには電子出版がキーワード。

読者としては、どんな形態であれ、面白いSFが読みたいだけなんですがね。

日本SF新人賞は受賞作家が売れないと悪名高いのだが、これが作家の実力なのか、売り方が悪いのかという真価を問われるということでもある。


その次は慶応大学の市民講座とのコラボ企画、というか、SF大会名物の瀬名企画『幹細胞医学が見る夢』。

iPS細胞とかES細胞について、誤解や混同があったのがわかってよかった。東浩紀の発言も、意外にかみ合っていて面白かった。

惜しむらくは、SFが科学から刺激を受けるという構図にとどまっていて、SFが科学に対して何が出来るかという打ち返しまでいかなかったようだ。この手の研究に対して、クローン人間や不老不死やキメラみたいなマッドで異様なイメージが付きまとう責任はフィクションの側にもあり、それではそこをどうしていくことができるのか、どうしていけばいいのかという問題意識は必要なんじゃないかと思った。特に、会場で配られたアンケートにはその傾向をひしひしと感じた。

科学啓蒙がSFの効能のひとつであるならば、似非科学対策と同様に、マッドなイメージの払拭にも動きが出て欲しい。いや、ホラー作家もいるからだめか(笑)


続いて、『はやぶさの部屋』。

19:00からの企画が極端に少ないせいもあり、前の企画が終わらないうちに、会議室の前に長蛇の列が。結局、大きな会場へ急遽移動。すべて武田が悪い。(嘘です、ごめんなさい)

この企画は内容を口外してはいけないらしい(笑)ので、詳しくは書けませんが、JAXAの中の人の熱い想いをどうやって受け止めるべきか、SFファンも考えるべきということか。一人一人が宇宙開発のスポークスマンであるという考え方は非常にいいと思う。


そんなこんなで第一日目は終了。

撤収後にデニーズにやってきた実行委員長や警備隊長に敬礼。


あ、『SF作家クラブ懇親会』は、『SF作家クラブ・ファン懇親会』としておいて貰わないと、敷居が高くて参加に躊躇するよ。

お値段も高いし(ボソっ)





[コンサ] 2010 J2第21節 札幌 - 北九州

2010-08-08 22:07:25 | コンサ
2010 J2第21節:コンサドーレ札幌 2-0 ギラヴァンツ北九州 @見てない

勝ったらしいです。
岡本と高木の得点らしいです。
ゴンはドフリーを外したらしいです。
後半ロスタイムに、また不可解な判定で高木がイエロー2枚目で退場したらしいです。

SF大会に参加してて、見てないので、わかりません!!

水曜日くらいに再放送、あるかなぁ。と思っていたら、08/09(月) 23:00~01:30 スカパー再放送予定。見るか、録画か……。

8月7日(土)のつぶやき

2010-08-08 00:25:58 | つぶやき
06:05 from Tween
ねもい。だらだらと出発準備。とりあえず、受付票さえ忘れなければなんとかなるか。受け付け時間前に入れば、オープニングに間に合わないとか、無いよね。
08:23 from Keitai Web
船堀なう。やばい。周りがをたくくさい。怪しいイベントなのがバレバレではないか!
08:36 from Keitai Web
まだ開始前に入って受け付けに迷うなう。5階かよ!
09:03 from Keitai Web
SF大会の会場内に○○家と××家の控え室が!関係者じゃないのであれば、人生の門出の場所がこんなことになってることに遺憾の意を表明する。
10:41 from Keitai Web
3Dプラネタリウムすご過ぎです。暗黒じゃなくて、本当の星雲賞をあげたい! #tokon10
20:53 from Keitai Web
ホテル近くのデニーズ激込みなう。周りにファーストフードしか見当たらないしな。
20:57 from Keitai Web
SF出版の未来も、宇宙開発の未来も、前途多難だ。でも、そこに熱い思いがあるかぎり(笑)
21:04 from Keitai Web
デニーズで生ビールなう。隣りの卓はプロっぽいが、いまいち顔の同定に自信がない。こういうイベントに来ないと、顔もわからないけど。
21:09 from Keitai Web
あ、そういえば、2012年は、このヲタク集団が北海道上陸。夕張で開催だそうだ。SF大会主催ができる団体なんてあったのか。夕張ファンタ系?
21:35 from Keitai Web
自分が合宿企画に行かないのは、確実に悪酔いして潰れる自信があるからです。今日、周りにSF者がいたら、SF新人賞受賞作家の惨状について、作家と編集の両方に絡むでしょう。 #tokon10
by kats_takami on Twitter

8月6日(金)のつぶやき

2010-08-07 00:34:30 | つぶやき
21:55 from Tween
個人的に夏休みに突入。最初のイベントは明日のSF大会から。終わりは国立競技場の予定。
22:21 from Tween
劇場で見てるんだけど、途中からでも見入ってしまう。やっぱり演出うまいよね。後から考えるといろいろ問題はあるのだけど。→『サマーウォーズ』
22:22 from Tween
『サマーウォーズ』もノミネートされている星雲賞の発表まで、あと12時間くらいw
by kats_takami on Twitter

[SF] 量子回廊

2010-08-05 00:10:08 | SF
『年刊日本SF傑作選 量子回廊』 大森望/日下三蔵 編 (創元SF文庫)




短編SF小説の評価軸というのはいくつもあるだろう。年間SF傑作選の選者である大森氏、日下氏の量子両氏ともに、自分の評価軸を持って作品を選んでいるようだ。この評価軸が、直行するくらいまでにずれているので、年間SF傑作選の収録作は多彩になるうえ、両氏が共に押す作品のすばらしさというものも強調されるべきだろう。

さて、翻ってみるに、自分自身の短編小説の評価軸とはなんだろうと考えてみる。

・短い中に起承転結がはっきりしていること
・SF的な驚きがあること
・作品中での論理が明確であること
・笑い、泣き、怒り、といった感情が揺り動かされること

ひとつめの起承転結がはっきりしていることというのは、短編小説では結構難しいのかもしれない。ゆえに、自分は割りと長編小説の方が好きである。短編小説の中で、何かのワンシーンのスケッチのようなものは、それがいくら魅力的な描写であっても、その次を求めてしまう。こういう作品の感想としては「それからどしたの(by愛川欽也)」の一言しか残しようが無い。

ふたつめは《センス・オブ・ワンダー》と言ってしまうと、「またかよ」と突っ込まれるんでしょ(笑) これをもっとわかりやすく言えば、予想もしない結末/真実のことであり、それがSFネタに絡んでいるということ。いくら予想を裏切る結末だったとしても、「実は双子だった!」なんてのはSFじゃないし。

三つめは、端的に言ってしまえば、不条理物の排除である。現実や、現代科学に反するものであっても、それが物語中で整合性が取れていれば、まったく文句は無い。しかし、物語中での物理法則が矛盾していたり、唐突に不思議なことが起こって終わったりするものは、阿呆らしくて読んでいられない。(ただし、不条理ギャグコメディは除く)

四つ目はSFに限らず、普通の評価基準だと思われる。ただ、このあたりの笑えるとか泣けるとかいった基準は個人的な評価である上に、同じ読み方をしても、読んだ時の体調や環境に左右される可能性もあって難しい。疲れ果てた上に汗で服が纏わり付いてくるような時に呼んでも笑えないコメディというのはあるわけで。

で、このブログにおけるアンソロジーや雑誌の感想に書いてある◎○△×の印は、上記のような評価軸で判定されていますということでご承知置きください。



○:「夢見る葦笛」 上田早夕里
 ただ歌うだけの怪物というコンセプトがおもしろい。ただ歌うだけだと言うのに、嫌悪感MAX!

○:「ひな菊」 高野史緒
 ものすごく居心地の悪い感じがしてくる小説。ナンシー・クレスの「ダンシング・オン・エア」と読み比べるのも面白い。っていうとネタバレか。

○:「ナルキッソスたち」 森奈津子
 再読なので、今回は笑って読めた。いろいろ考えると、かなりおぞましい。

△:「夕陽が沈む」 皆川博子
 これが「それからどしたの」の典型。イメージは膨らむのだけれど、結末が弱い。

△:「箱」 小池昌代
 ブンガク。

×:「スパークした」 最果タヒ
 俺的SF評価軸では、この物語にメタ部分があることが大きなマイナス。
 なぜそこで、これはフィクションですというエクスキューズを必要とするのかがわからない。

◎:「日下兄妹」 市川春子
 笑って泣ける。良質なジュブナイルSF。コミックなので、小説よりも嫌味が無く、“妹”を描けているのだと思う。この手の設定を文章で説明しだすと、どうしても雑味というかアクが出てくるような気がする。

○:「夜なのに」 田中哲弥
 田中哲弥にしては意外な、時空を越えたラブストーリー。

○:「はじめての駅で 観覧車」 北野勇作
 前者は無理やりなネタのエッセイ風。後者は懐かしい視覚イメージを湧き起こすバカ話。

△:「心の闇」 綾辻行人
 一発ネタ過ぎてひねりが足りない。

◎:「確認済飛行物体」 三崎亜記
 これは結末が読めなかった。

◎:「紙片50」 倉田タカシ
 『叙情の奇妙な冒険』を思い起こさせるイメージの断片。これが無茶苦茶心を揺さぶる。
 「ねぇ機械」「なんだい肉」の会話がツボり過ぎて、電車の中で危険だった(笑)

×:「ラビアコントロール」 木下古栗
 これは不条理物? 意味不明。

○:「無限登山」 八木ナガハル
 ネタの選び方はすばらしいのだけれど、読んでて面白いかと言われれば、ちょっと微妙かも。

◎:「雨ふりマージ」 新城カズマ
 マージちゃんがかわいくてせつなくてもうどうしようもない。
 BGMに「アナロ熊のうた」は必須。うちはまだアナログです(笑)

△:「For a breath I tarry」 瀬名秀明
 何度も書いているが、イラスト先行小説は企画としては面白いが、結果としておもしろい小説が出てこない。
 小説家が持っている想像力が引き出されるのではなく、逆に枠がはめられたり、無理やりなやっつけ仕事になっていないのだろうか。

○:「バナナ剥きには最適の日々」 円城塔
 深宇宙探査機の自問自答。神林長平の初期を彷彿させる作品。
 『迷惑一番』へのオマージュだったりして。

○:「星界転生」 谷甲州
 壮大なスケールにワンダーを感じる。淡々と感情を排した描写も、巨大すぎるスケールのイメージを増幅している。

○:「あがり」 松崎有理(第1回創元SF短編賞受賞作)
 花火のシーンで終わったらどうしようかと思った。バカSF的ネタをシリアスに書くのは難しいと思うんだけど、大学研究室のリアルさが物語全体のリアルさを担保していて、うそ臭くならないようになっている。


[映画] エアベンダー

2010-08-03 22:45:43 | 映画
『エアベンダー』 - goo 映画


(C) 2010 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved


M・ナイト・シャマラン監督。アメリカのTVアニメが原作。予告編のカンフーアクションとド派手なCG。RPG風ファンタジー大作映画なので、いくら酷くてもそれなりに面白いだろうと期待していったのだが、……なんじゃこりゃ。

はっきり言って、映画版『ドラゴンボール』の方が笑えた分だけまし。なに、この素人が書いたみたいな脚本。同人誌レベルのRPGパクリ小説だって、これよりは楽しめるんじゃないだろうか。

タイトルの原題は『The Last Air Bender』。“The Last”を取っ払っちゃったら意味無いだろうに、相変わらず日本タイトルはひどいな。実は、タイトルは『アバター』(原作のアニメタイトル?)になるはずだったという。アバターの本来の意味は神の化身の意味。おそらく、ダライラマの転生輪廻をパクったエピソードが示すように、とっても偉い人の現世での現し身である。

アバターであるはずの子供が偉い人になるための重圧を嫌い、修行から逃げ出してから100年。仲良く暮らしていた火、水、土、風の部族だったが、火の国の侵略によって世界を巻き込む戦争へと突き進んでいった。

そんな舞台設定で、どこに行っていたのか再び子供の姿で帰ってきたアバターくんが、周囲の助けを借りて真のアバターとなり、世界を平和に導くという筋立てなのだろう。

ところが、これがまったくもって、すんなりと頭に入ってこない。舞台設定も世界情勢もひたすらナレーションと登場人物の台詞のみで説明されるので、まったく退屈な限り。しかも、その説明すら無い部分にいたっては、想像で補おうにも物語が駆け足過ぎて無理。

火の国の王子が何をしたいのかも、なんで青い精霊の仮面をかぶってるのかも、月の精霊って何とか、火の国はどうして他の三国よりも強いのかも、なーんにもわかりません。っていうか、それ、物語にどう絡んでるの、ただの障害物として置かれてるだけじゃないの。おつかいRPGに出てくる小道具だって、もっとストーリーに絡めた必然性があるだろうに。

それでも、CG多用のカンフーシーンで見せてくれればいいのだが、これもなんだか退屈。

どうせCGなんでしょという意識が先に立ちすぎて、ジャッキー・チェンが生身で屋根から転げ落ちるような緊迫感がない。肉体を極限まで使ったスタントの技よりも、CGバリバリな超能力が強すぎて、さっぱり盛り上がらない。

ブルース・リーを見ろ。ジャッキー・チェンを見ろ。トニー・ジャーを見ろ!!!!!

そういえば『マトリックス』のカンフーシーンも、いかにもワイヤーで吊り下げましたって感じのお笑いシーンだったよな。いわば、これはそのお笑いカンフーシーンと退屈な設定の説明だけで出来上がっている映画。これでいったい何を楽しめばいいというのか。

もう、要素だけ見ればこれだけ面白そうなのに、こんなに退屈だなんてビックリだわさ。

見たのが比較的小さなスクリーンで2Dだったせいなのか。3Dならもっとすごいのか?


8月2日(月)のつぶやき

2010-08-03 00:33:04 | つぶやき
00:23 from Tween
SFマガジンから『量子回廊』に収録された、新城カズマ「雨降りマージ」を"アナロ熊のうた"をBGMに再読。もはや懐かしいが、やっぱりせつない。タグの謎は解けないが、マージは外惑星へ飛び立ったと信じる。
21:23 from Keitai Web
新しい靴が痛いなう。ちょっとおしゃれな紐の通し方をしてあったのをそのまま履いてるんだが、力が均等にかからず、食い込んで来る。おしゃれはいらん。履きやすい靴をくれ。
by kats_takami on Twitter