川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の壺:金沢(前編)  

2010-03-13 18:32:39 | 「美」発見
「美の壺:金沢(前編)」  NHK美の壺スペシャル


鎌倉に引き続き、美の壺スペシャルですね。
今回は北陸の金沢。
そう、あの加賀百万石の城下町が題材です。
さて、美の壺製作チームがどのように、古都金沢を纏め上げるのか
興味津々で番組を拝見しました。


今回も前後2編の番組構成です。
芋太郎のブログでの内容紹介も2編に分けて記載します。
この文章を記載している時間後編が放映されています。
生で番組を見たいのですが、今回はビデオで後日拝聴予定。
仕事の関係で少々、お疲れ気味。(笑)
・ ・・実は、明日、我が家の「奥」が外出しますので、
じっくり、ゆっくり鑑賞し、ブログを掲載します。


<美の壺1:金沢漆器は「日本一の大名道具」>

加賀百万石といえば、前田利家ですが、五大老としての職を真っ当して、
(憂いを遺して?)この世をさりました。
利家亡き後、家康の横暴といいますか、勢力はさらに肥大化し、
周囲を飲み込みます。


関が原の戦いでは、豊臣方に組した前田家ですが、2代3代と家康との
陰に陽にの、確執が続きました。
この時代は、外様大名を初め多くの大名が取り潰しの憂き目に遭いました。
これが、幕府の政策です。
その最たるものが、一国一城と武具・武芸への執拗な規制です。


前田家も例外ではなく、多くの悲喜劇が生まれました。
お松の方や前田慶事の話なども、興味を惹かれます。
ところで、3代利常は幕府への従順を示す為に、城や武器などの武から
芸である工芸へ方向転換します。
城の塀にスルメを入れることではなく、広大壮大な城を築くのでもなく、
美術工芸をもって加賀百万石の財政の放逐を行います。


多くの大名が浪費として全国各地への出費・勤労を請負わせられることで、
何も領地に残せなかった時代に、利常は大きな遺産を金沢に残した。
それが、金沢塗に代表される工芸です。


能や茶道・美術工芸を愛した利常の趣向を繁栄した百万石の美。
北陸に残る木目を味わう山中漆器、塗りの輪島、藩の殿様漆器である金沢塗り。


その特徴は、文武両道の美です。
京都に求めた古の万葉の世界は公家文化を感じさせる優雅の世界。
江戸に代表される「黒と金」は武家力強さをもたらし、北陸金沢で融合します。
そう、これが金沢漆器です。
金沢ならではの漆器が完成し、有る意味、日本の貴重な文化が生まれました。


<美の壺2:手まりの幾何学文様に加賀女性の願いあり>

家康の孫が嫁いだ加賀の地、利家の妻(珠姫)は、当時3歳で興し入れ。
彼女が持ち込んだといわれるのが、手毬。
独特の文様が特徴のこの手毬は、加賀の家々に伝わり、現在は、
母から子へ継承がなされている。


麻文様・巴文様(永遠の象徴)・卍文様(太陽:幸福)などが生み出された。
お姫様の手毬が城下に伝わり、女性たちが愛し、いつしか、安産・育児を
願いとする手毬寺まで誕生。


加賀のひな祭りに欠かせない道具となっているそうです。
人の思いが込められた暖かいお話です。



われに千里の思いあり〈上〉―風雲児・前田利常
中村 彰彦
文藝春秋

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前田利常 (上) (光文社文庫)
戸部 新十郎
光文社

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