マガモは水の中でも目を開けているようです。
羽田クロノゲート見学会
平成26年11月13日
宅急便で全国展開をしているヤマトグループの物流ターミナルを見学してきた。場所は羽田飛行場に近く、京浜急行電鉄航空線の穴守稲荷駅から徒歩5分の所にある。今回は受講者を2班に分け、見学時間をずらして行われた。施設は広大(2万7千坪、198千平米)で、昨年から稼働している。
物流産業は多くの企業等が参入しているが、ヤマトグループは老舗で、100年の歴史を持っている。宅配という分野で、今後海外へも販路を広げ、短時間で荷物が受け取れるシステムは、多くの工夫が成されていると感じた。クロノゲートとは、ギリシャ神話の時間の神様でクロノスと、ゲートウエイ(出入り口)の造語で、より速く正確にという願いが込められているそうである。
物流エリア、事務・管理エリア、地域貢献エリアに区分され、物流エリアの中には、物流に附帯する高付加価値機能エリアが含まれている。物流エリアに設置されている仕分け業務を自動で行う先端搬送機器はフランスから採り入れたとのことであったが、毎秒2.9メートルの速度で、24時間稼働している。全国に3箇所同規模の物流ターミナルを備え、羽田、厚木、大阪にある。地域で集荷された荷物は、地域ごとに集められ、最終的に3箇所の物流ターミナルへ集められ、仕分けされて国内、海外へと送られる。
仕分け機能は、末端のヤマト宅急便支店で利用者が記入する伝票から自動的にタグとなる6桁の数値が割振られ、そのタグによって、赤外線スキャナーで読みとり、コンベアーに載せられ、仕分けされる。コンベアー自体が情報端末で、独立したセルの集合体で、配送目的地の定位置に荷物が仕分けられるようになっている。
物流は集荷と同時に配送が混在し、入り口と出口の管理が重要であるが、24時間稼働体制での物流量に依存するので、装置可動には効率が考慮されなければならないが、その点がはっきりしなかった。つまり集荷量に変動があれば、コンベアスピードが変化するかどうかである。集荷量が少なければ、自動化しても採算が合わないのは明白で、場合によっては人が仕分けることも必要となる。
物流の付加価値機能とは、家電製品の修理や医療機関のリース物件の洗浄等で、特定企業との間での契約による受発注のようであった。他社の追従もあり、今後の推移を注視したい。