昨日撮ったジョウビタキです。一昨日と同じ場所にいました。縄張りを作るのでしょうか?
平成26年11月16日
多摩川で野鳥の写真を撮っている関係で、連日お会いする野鳥写真家の大野先生が講演する多摩川野鳥サロンが本日、せせらぎ館で開催され、参加してきた。主催はせせらぎ館である。参加者は20名前後であったが、2時間のサロンは講演1時間の後、熱心な参加者相互の情報交換が行われた。
講演に当たった大野先生の同様なサロンは、今年で5回目という。毎年1回、12月から1年間に飛来した野鳥(今回は45種)についてスライドショー形式で紹介される。多摩川にはせせらぎ館を中心として上下流1キロの範囲に亘って約100種類(多摩川宿河原堰周辺を中心として、これに付加し、近隣の丘陵地帯(生田緑地、東高根森林公園)を含む)が飛来しているとして、それぞれの生態をデジスコで撮影されている。
今回の特徴は、昨年との比較において、中洲でのコアジサシの産卵時期に大雨による洪水で、繁殖地が水没したため、全滅してしまったことと、併せて、下流での50万匹に上る稚鮎の放流の成果が、やはり洪水により、餌となる苔が付着するゴロタが流され、その影響で、野鳥の餌となる稚鮎の遡上が減少した事を強調されていた。
水質の浄化だけではなく、自然現象が野鳥の生態系にも直接影響することで、河川管理の点でも多くの工夫が必要であるとの認識を示されていた。以前にもご紹介したが、先生が撮影された写真はせせらぎ館に展示したパネルを、近隣の小学校の教材として活用されている。
今回のサロンには、東京新聞社関連会社から2名の関係者及び、多摩川の野鳥関係の記事を書きたいとの要望で、先生の写真展を紹介した地元の方1名も出席されていて、今後東京新聞で月1回発行されている「暮らすめんと」の紙面で、多摩川の野鳥のことが紹介されるようである。その取材打ち合わせもサロン閉会後、行われていた。
大野先生は、野鳥の専門家ではないし、プロのカメラマンでもないことを申されていたが、成果のご披露は、数年間殆ど連日多摩川の野鳥の生態を写真に記録され、飛来する野鳥の特徴を習熟されていることはまさしく専門家と呼ぶにふさわしい。平素の努力の積み重ねで、このことを抜きにしては得られない成果であり、僭越ではあるが、継続は力であることを先生自ら実践されている行動を高く評価したい。
今回のサロンは、芸術的な意味合いと言うより、調査研究の部類に属しているようであったが、写真の鮮明さや、日頃目にすることが出来ない野鳥の生態を克明に記録されているため、詳細に鑑賞できる両面性を有していた。野鳥が見せる多くのポーズは芸術といっても良く、瞬間に見せる映像は大変興味深かった。