頑張って捕ろう!
消費者の立場に立った新たな流通の一つに、カタログ販売を取り入れた生活協同組合のパルシステムがある。前もって商品カタログが配布され、配布といっても事実上は組合員登録者に対して、次週に購入を希望する商品一覧であるが、自宅に居ながら、冷凍品、冷蔵食品、常温での利用可能な、野菜、果物、菓子類等が選択でき、翌週、宅配される。費用は、口座引き落としであり、場合によっては返品も可能である。
このようなシステムは、取り扱う商品等によって組織体自体も異なるが、便利であることには間違いない。日頃、近くにスーパーがない世帯や、事情により、買い物が困難な場合、全国規模の商品選択可能であるデパートの地下街以外の店頭販売を考えれば、他に例を見ない制度である。将に時代のニーズにあった商売であることは消費者ニーズに合わせた画期的な制度ともいえるであろう。
特に感心していることの一つに、小分けした分量で提供されることであろう。子供が育ち、夫婦だけの高齢世帯が多い住居地域であり、近くにはコンビニ、スーパーはあるが、そこに類似の品はあったとしても、分量は多いし、全国を対象とした有名な商品を取り扱ってはいない。スーパーマーケットのように、手にとってその場で選ぶわけにはいかないが、全国の名品を取りそろえているため、商品が届くまで待ち遠しいが、確実に届くため、楽しみもある。また、通販とは異なり、送料込みの価格も魅力的である。
商品の配送には、冷凍、冷蔵、常温とそれぞれの適温に応じて、工夫されていて、冷凍品にはドライアイスが使われ、冷蔵品には、クーラーボックスに使う冷温材が入っている。この配慮は他ではシステムとして取り入れることは難しいであろう。
当初はシステム自体についてはほとんど理解していなかった。古くはご用聞きが所属する店舗の商品を宅配するだけであった。それでも決まった清酒、調味料等はそれで十分であったが、いつしかご用聞き制度も消滅していった。おそらく人件費の問題があったのであろう。ところがこの生活協同組合が行うパルシステムは、形は同じであるが、取り扱う商品量は桁違いに多く、比較にならない。
女房は毎回全国の銘菓を一つ注文している。今回は金沢のきんつばであった。銘菓にふさわしく、伝統のきんつばを居ながらにして味わえた。そういえば、銘菓は地方への出張時に職場や家族への土産げがほとんどであり、自らの口にした物は少なかった。改めて味を楽しんでいる。