ツミの勇姿もいいものです。
朝方の民放TVのニュース報道で知ったのであるが、都議会のメンバーがブラジル、リオ(リオデジャネーロ)で開催する五輪の視察に40名を4派に分けて出張する予定であることが報じられた。それに都庁職員等が随行する。その予算は驚くなかれ、1億円を超えるとのことであった。
舛添前知事の海外視察出張についても任期半ばで、9回ほどあり、2億円を有に越したということであった。当然、都庁職員の随行があったわけで、知事一人の旅行ではない。この問題についても、議会の集中審議や一般質問ではほとんど議題に上がっていないことは、何のことはない、自らも同様なことを行ってきたか、そうしようとしているのか、都議及び都の幹部職員にも及ぶ話である。歯切れが悪かった原因が分かったようで、なんとも複雑な心境である。
役所の旅費については、節約をいわれ続けているが、退職者に対するお礼奉公的な物見雄山に近い形での国内出張は長年慣習として行われてきた。もちろん現在では姿を消したが、博覧会、起工式、オリンピック等のイベントについては、直接関係ない職員がかばん持ち、随行などと称して、巧妙に出張が利用されている。どことは言わないが、場合によっては、カラ出張という、目的地に行ったことにして、添付用の資料を集め、報告書を書き、当人は、出勤できずに自宅待機などをして旅費を浮かし、それこそ使途不明金を捻出することが行われたことがあった。
歳出の支出項目では、会議費などの庁費、執筆や、会議に民間などの人材を出席させるときに支払われる謝金、それと旅費である。その中で、職員が内密に使うことができるのが出張旅費である。
最近は、旅費の取り扱いは厳密になっていて、鉄道運賃や、航空機の搭乗券などを証拠書類として提出するようになり、大幅にこの手の裏金作りは不可能となっている。出張自体の業務を禁止することはできないため、その管理は厳しく扱うことも当然であろう。
しかしながら、どう考えても都議が行おうとしているリオ五輪の集団海外出張の是非については、精査する必要があろう。集団で40名も果たして行く必要があるのかについても問われなければならないであろう。都知事自らの出張はご破算になったが、雁首そろえての物見雄山であることは推測がつく。都議会が認めたとしても、舛添知事のせこさを追求した都議員も同じ穴の狢(ムジナ)で、都民の税金を使って海外視察とは、みんなで渡れば怖くないとのそしりは免れないであろう。