未だ羽が抜け変わっていないようです。
甚平とは古風な名前であるが、陣羽織が転じて称するようになったと聞く。人の名前ではないようである。この時期から夏場にかけて、もっぱら普段着として愛用している。外出着ではないと思っているので、自宅内で着ているが、愛犬の散歩時には、そのまま着用して出かけている。花火大会では外出着としてきている若者もいるし、浴衣(ゆかた)よりはラフに近いのかもしれない。暑く湿った時期には快適に過ごせる着衣である。
孫に言わせるとお祭りではないのにいつも着ているとからかわれるが、孫の頭には、盆踊りや夏祭り、花火大会などで目にしているのかもしれない。袖は筒袖で、両脇にスリットが入っていて、風通しもよい。和服のように帯を締める必要はない。麻や木綿製が多く、最近は結構値が張るようである。糊が効いていると着心地が良いし、だらしなくないように見えるから不思議である。
膝までのショートパンツや、長ズボンもあり、上着だけではない。自分はほとんどショートパンツをはかないが、長ズボンの方は着ることもある。同様な製品に作務衣があるが、作務衣は長ズボンの裾が閉まるようになっているが、外での庭作業に必要だからであろうか、禅宗の僧侶が、宗教的な儀式に着る法衣だけでは都合が悪い場合もあり、日常の雑務用に着ているのが作務衣である。甚平と異なり作務衣の方には半袖はないようである。
どことなく、日ごろあまり見かけることはないが、作務衣は日本画を描く画家や、陶工,書家などを連想する。自宅でシャツ1枚にステテコでは、時々、訪ねてくる宅急便の配送員や、保険の外交員等に玄関で応対する場合もあるため、気が引ける。甚平や作務衣の方がこういう場合に都合が良いようである。
未だエアコントロールを使用していないが、日中、二階で作業していると室温は35度ぐらいになっている日もあり、扇風機で風を受けると甚平は大変快適で、脱衣も紐をほどくだけで簡単にできる。まるで子供服のような機能であるが、これも簡単でよい。
愛用家としては、特段注文もないが、外出時にはポケットに物を入れると格好が悪い。さりとて小物袋をぶら下げてでは大げさすぎる。いまいち外出時のコーディネートが難しい。浴衣とは違う着方があると割り切った方がよさそうである。今年の夏もこれを着て乗り切りたいと思っている。快適であるのに、ご自宅で、女性が着ないのが不思議である。