ガンで死亡するという現実を知らないわけではないが、どうもスッキリしない状況をどのように捉えるか、暗中模索を強いられている。NHKの番組では、それらしき原因の説明を受けたが、どう予防し、実際にガンであると宣告された場合にどう生き抜くか、どのような最後を送るか、不安である。既に他界した多くの方がガンであると医師から宣告されるかされないかにかかわらず、死因がガンであるのではなく、呼吸器不全や、心疾患とされるのはどうしてなのか、老衰であってもガンによる死亡かも知れない。
ガンが、遺伝子による場合と、細胞分裂によるコピーの間違いとの話は納得しても、患部を切除して治ったという話もあるし、そうではなく、数年後には再発するといったケースもある。また、切除した場合も、癒着や、リンパ液の中にガン細胞がが残り、患部が全身に広がるケースもあるようである。
この場合には、検査で前もって状況が分かるが、常にいつ再発するか分からない不安さは残る。遺伝的な因子を考えれば、親族にその傾向があれば、もはや止めることは不可能に近い。今の医学では前兆やガンの症状が進み、肉眼でも分かる状態でないと処置できないのであれば、予防なる対策は無意味なことに写るが、医学ではどう捉えているのかがいまいち分からない。
まるで賭のような、罹患率などの数字を示されても、果たしてその率の中に自分が含まれているかどうかも分からず、かえって不安を助長し、好ましい情報とはいえない。受け身であることは専門分野を知らないことが原因なのかもしれないが、情報の開示が進んでいないことも気がかりである。誰しも自分はガンになって死ぬことはないと思っている様子が不思議である。このことは、交通事故や自然災害などと異なり、生物としての生存のリスクが、自らの身体にあり、身体を形作る細胞組織の異常が関係しているからである。
前回の講義では、環境因子や、食生活、特殊な環境、例えば、放射線や紫外線を多量に浴びる、アスベストなどの化学物質の外的因子が影響するという話であった。実はそうではない生存環境で起こる様々なストレスという説もある。これは身体の防御機能が低下し、体力だけではなく精神力も影響するとのことで、病は気からといわれるように、確かにその要因も納得がいく。さらには嗜好品が、害を及ぼすことは、喫煙や飲酒が、相当影響するのも分かるような気はするが、実感できないでいる。細胞の突然変異が、メリットとして何らかの影響を持つとの仮説は、ガン撲滅の手がかりになるかも知れない。