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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

病院の待合システム

2016年06月10日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 病院の仕事を見るには、待合室の人の動きを見ることによってその病院の良しあしを大方判断できると思っている。人の流れである。日によって混雑の程度は受診する病気によって異なるが、一般的には受診が受け付け順であることが多い。しかし、緊急入院などの受け入れ施設では、専門の医師を配し、一般外来とは別に対応が取れている病院では、混雑は少ないが、同じ医師が対応する病院や医師が少ない場合には急患が入ると外来は後回しにされやすい。

 

 これは仕方がないといえるが、一般外来でも、緊急を要する人がいないとは限らない。救急事故現場等で行われているトリアージ(識別救急)といわれている受診の順番を的確にコントロールすれば、生存率も上がると考えられる。一方では、受診の準備を早い段階から受付を済ませるた外来者にとっては、不満が出る。そこには何をもって優先するのか、例外はないのかなど疾患の種類によっても異なるであろう。受診者の理解も必要となる。

 

 初心者などでは、病院の受診システムが分からないこともあり、ケースバイケースでの対応が可能な病院も多い。重病であれば、受付でその旨を伝えることが望ましいと思われる。状況によっては救急車を利用することも考えられる。しかし、同様な考えが一般化すると、救急車のコールが集中し、助かる命も助からないという最悪な状況を引き起こす。その理由は、緊急外来が可能な病院には限りがあり、病院から拒否され、多くの病院を探すことに時間を取られて生命を失うということが生じている。

 

 緊急でもない方のタクシー代わりに救急車を使う常習者も多いと聞く。救急車を手配する消防署には、ある程度の医療知識を持った救急隊員を配置する傾向が強まっている。救急車自体が、搬送だけではなく、救急救命を果たせる設備が揃っていることも必須であろう。それと瞬時に病状を判断でき、的確な受け入れ病院を抑えておくことも重要な要素である。

 

 一方では、整形外科などの高齢者が比較的多い診療科では緊急性がない場合も多くあり、受付窓口を別にしている病院もある。病院は公共性が強く、大病院ほど受診者の病状の幅は広くなるため、中小の病院との色分けが必要となってきている。つまり、小規模の日頃利用している病院からの紹介状である。この制度は、紹介状なしでは大病院の初診料費が高額となることでの波及効果は高いと思われるが、例外的な突発性の多臓器不全などでは意味をなさない場合もある。要は地域内の病院システム自体の運用と採算性等複雑な要因もあり、改善の余地はあるも、一方的な判断はすべきではないであろう。