鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

有料と無料について(4回シリーズその2)

2013年07月09日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 しかし無料と唱いながら有料へ導く方法や、携帯電話がそうであるように機器を¥0と表示していながら、プロバイダーとの契約が前提で、販売店に行って初めて分かることも多い。前者にはインターネットのゲームはゲームのアプリケーション自体は無料であるが、キャラクターグッズやアイテムが有料であり、アプリよりこちらがメインとなって、マニアのように誘惑に落ち込みやすい。
 一時、羽毛布団などの高額商品を主婦や高齢者等にたいし、説明会場に集め、安物の日用品数点を無料で配り、缶詰状態にして高額商品へ誘導する、詐欺まがいの商法が摘発されたことがあった。居酒屋やスナックなどで注文もしないのに出されるお通し、先着何名様までは無料などの宣伝。
 つまり何が言いたいかというと、無料と唱っていても「タダほど高い物はない」の格言通り、無料の裏にある算段を知ることで詐欺まがいの商法に載せられないで済む。

 ある観光地へ行き、観光案内所で注意されたことにガイドには3種類あり、市の観光協会に所属しているボランティアガイド(緑の腕章をしていて無料)、所属しているが有料のガイド(黄色の腕章を着けている)、問題となるケースが多い一見無料の素振りをして、相手を見て、高額な案内料を要求し、料金を不当にせしめるガイド(自家製の名札を下げていてボランティア風)が居るとのことであった。幸い被害には遭わなかった。
 海外旅行での後日談で知ったことであるが、日本語が流ちょうな現地ガイドの巧みな言葉に載せられ、コピー商品やまがい物の貴金属を高額で買わされて被害にあった同僚がいる。ここで格言「紅顔令色少なし仁」。(次回へ続きます)

有料と無料について(4回シリーズその1)

2013年07月08日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 用語の使い方とその裏に隠された事柄まで洞察することの大切さは、いうまでもないが、日頃何気なく聞いた、見た、使ったことがありながら、いざ正しい理解であったかどうか、不安になるご時世である。中でもお金に関することでは、失敗すると勘違いだけでは済まされず、手痛い被害を被ることになる。

 貨幣経済は人類が誕生して以来、多くの変遷があり、現在の紙幣やコインが使われるようになったのは歴史的に見てもそう古い話ではない。太古の時代から現在に至るまで現金に代わる多くの決済手段があった。最近登場したインターネットバンキングやICカード決済は大変新しい方法で、情報化時代にふさわしい決済手段になり、定着化し始めている。

 他人になりすまして現金を引き出すことや個人情報を盗まれる等の被害が全くないわけではない。
 古くは物々交換で、自給自足では不可能な物品は、双方が納得できる決済手段が取られてきた。地域の通貨と呼ばれるものは、その地域にとっては貝殻や石であり、金や銀、宝石や貴石、穀物や生産品も貨幣に代わる決済手段として有効であった。最近では地域興しなどの理由で、限定された地域だけで利用できる買い物券も登場している。統一通貨は貨幣経済が全国でも認められ、定着すると、国外でも流通の対価として理解される。

 まずは無料について考えてみたい。一般的にいって、無料は対価を要求されない、または要求しないことである。無料とされているものにはサービス品やおまけがある。無料奉仕活動は賃金をいっさい発生しないという当事者双方の契約が存在している。無料駐車場、入場料金無料、無料体験、見本品、試飲や試聴、飲食店等の飲料水・お茶、公衆を対象とした施設利用(公共施設や公園、図書館等)、救急搬送、義務教育の授業料、等々数えてみると結構な数である。その反面、殆どの生活に関わる衣食住は有料ということになる。
(次回へ続きます)

拡大について(3回シリーズその3)

2013年07月07日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 生活の中では、夜間に集中する暴走族の騒音は静かな住環境を乱す行為として問題になる場合が多くなってきた。我慢できる音のレベルがあるが、連続、断続を問わず、頻繁に発生する騒音は精神的にも弊害がある。音は波形で表すことが出来、量としても表すことが出来る。周波数であるヘルツや音圧であるデシベルという単位を用いるが、超音波や高周波などは人間の耳には聞こえない音であり、聞こえなくても体に悪い影響を与える場合がある。

 富士山が世界遺産に登録され、登録されたこと自体は良いことであるが、このことによって入山者が増え、滑落事故の発生や、自然破壊が進み、持ち帰るゴミは良いとしても、大量の汚物の処理はどうするのであろうか?登山者ばかりでなく富士山周辺の観光地へも観光客が増えることが予測されている。良いことばかりではないようである。規模の拡大による弊害といえるが、最適といえる入山制限などの対策が考慮中とのことである。物事には拡大することによる影響をそのメリットとデメリットについて、予め事前に考えておくことの必要性を強く感じている。

 食生活による変化も問題となっている。隣国中国の所得水準が高まり、経済的に裕福な富裕層では、食生活のレベルも高まり、大量消費に向かっているという。贅沢はいずれ成人病を引き起こし、寿命を縮める。今まで口にしなかった生の魚、中でもマグロの刺身や、寿司は大量に食されているようである。大量消費は調理にエネルギーを使い、その副産物である大量の廃棄物を発生させる。焼却によって多量の熱と炭酸ガスを生み、環境汚染が進行する。埋め立て地も量が拡大すると処理しきれなくなる。資源の枯渇によって、我が国の食品の値上がりに繋がってきているらしい。「風が吹けば桶屋が儲かる」の喩えではないが、何事も歪(いびつ)になると、どこかにその影響が出て、従来の状況を一変させる。

 激しい変化は望むべくもなく、拡大のメリットよりデメリットにどうしても敏感になり、目が向くことが増えているようである。(このシリーズ最終回です)

拡大について(3回シリーズその2)

2013年07月06日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 最近の健康食品やサプリメントの類は、芸能人などを起用した事例が散見され、効能については拡大解釈されている宣伝広告が多い。効能についてのインチキなデータ表示は、数字やグラフの表示が何となくもっともらしいという先入観があり、低価格や限定商品などの言葉に消費者側も左右されやすく、誤った行動(衝動買いなど)を起こしやすい。効能に於いても使用に当たっては個人差があり、副作用などかえって健康を害する場合もあるため注意が必要である。表現の制限や効能の真偽については十分に検証できてないものや、明らかに不当表示で、摘発された商品も多い。罰則や違反メーカー公表が始められているが、常に後追いである。

 拡大均衡は経済用語で、生産・所得・雇用・貿易などについて経済的に拡大させ、収支を均衡させることで縮小均衡の対極を示す用語である。また、拡大という用語は、消費、勢力、規模等が大きくなる、大きくするときに使い、拡大鏡は細かい字などを大きくして見るときに使われている。

 さて、拡大で陥る盲点は、経験や立場の違いによって、物事の判断基準の置き方が異なる点である。縮小の項で既に申し上げたことは、縮小することによって表に出ないことがあり、正しい判断が出来なくなる危険性を指摘した。拡大も同様で、基準の置き方が人によって異なるため、結果的に異なってしまうことである。従って、対話する相手との摺り合わせというか、同じ土俵に乗る必要がある。例えば、家を新築する場合など、設計図に基づいて打ち合わせを繰り返すが、専門家である設計士と施主との間では知識の違いは明白である。しかし、建てた後では変更が効かない場合が多く、変更ができても費用がかさむことになる。物事の齟齬が発生しないよう事前の詳細な打ち合わせは欠くことが出来ない。そうは申し上げても現実にはプロに任すことで安心できる。その場合には、相手が信頼できることが前提となる。(次回へ続きます)

拡大について(3回シリーズその1)

2013年07月05日 00時00分01秒 | 緑陰随想


 縮小の反対が拡大であるが、ナスカの地上絵は世界7不思議の1つであり、何の目的で描かれたのか、未だに不明である。昔、拡大器という道具を使って文字などを拡大したこと(製図では比例コンパスを使う)もあるが、看板などを作成する業者は、カッティングマシンを使って、パソコンで拡大したプラスチックフィルム文字を自動で切り抜き、基材に張り付ける方法を取っている。

 手作業ではナスカの地上絵と同じ方法を使う場合がある。簡単に説明すれば、方眼紙に書いた下書きに倍率を考慮して、方眼の升目を倍率に合わせた拡大図面を起こせば、簡単に拡大できる。また、スライドに撮影した原画をプロジェクターで拡大し、写し取るという方法もある。

 拡大を更に延長すれば究極は無限大となり、数でいえば無量大数となる。数の単位は零を基準に一から始まり、一、拾、百、千、万、億、兆、京ここらあたりまでは日常会話に登場するが、これ以上となるとなじみが薄い。垓、杼、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙(こうがいしゃ)、阿僧祇(あそぎ)、那由他(なゆた)、不可思議、無量大数へとつづく。無量大数は10の68乗である。恒河沙とはガンジス河の砂の数という意味である。

 無限大は、物事の数量や程度など限界があると認めることが出来ない様子で、限りなく大きいことである。限界がある場合は有限である。数学では無限大を記号 ∞ を使う。

 拡大解釈という言葉があるが、物事の論理、規模、結果などを一定の範囲以上に幅広く解釈することによって、適用範囲以上に含めることで、無理を承知で使う場合がある。屁理屈という場合もあり、余り良いことには使われないようである。(次回へ続きます)

スパイスの世界19キャラウェイ・クミン(3回シリーズその3)

2013年07月04日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 イスラム教徒が豚肉を食べないということはご存じの方も多いであろうが、教典のコーランが禁じているのは我々が理解していることと趣旨が違う。食肉のことについては以下にお示しするとおり、様々な規定がある。

(イスラム辞典から引用)
コーランでは、死肉、流れる血、豚肉、アッラー以外の名が唱えられてされた動物の肉、絞め殺された動物の肉、墜死した動物の肉、角をつき合わせて殺された動物の肉、野獣が喰い残した肉、さらに、賭博で分配した肉、等を食べることを禁じている。所定の法は「アッラーの御名においてアッラーは偉大なり」と唱えつつ鋭利な刃物を用いて一気に頸動脈をのど笛とを切開すること(最も苦痛を与えないでする方法)である。

 イスラム教徒が来日し、食事をともにすることがあるが、注意しなければならない点は、豚肉を切った包丁で調理すれば、また、豚肉料理に使った食器についても信者によっては豚肉を食べたこととなるため、極端に嫌う。イスラム法に定める禁止された行為に当たる、宗教上でのことなので、いくら日本の豚肉が安全で衛生的と強調しても意味をなさない。

 調理器具を別々にしたとしても、コーランが規定している法を取っていない場合にも食すことができない。では日本に来たモスリム(イスラム教徒のこと)が飢え死にすることになるが、一流のホテルや、イスラム系のホテルでの食事がよい。本人の選択に任すことになるが、短期間では菜食に徹底するようである。(このシリーズ最終回です)

スパイスの世界19キャラウェイ・クミン(3回シリーズその2)

2013年07月03日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 エジプトでは食後にこのクミンシードをひとつまみ口にしている光景を良く目にした。
現地人の話だと胃腸病に良く効き、口臭も防げるとのことであった。実際に我が国でも太田胃散や仁丹などの健胃錠や二日酔い防止薬などにふくまれている。主成分はクミンアルデヒド・アネトールである。中東(トルコ、レバノン、モロッコなど)の料理やインド料理には欠かせない香辛料で、熱した油にクミンシードを入れて熱し、油に香りを移して炒め物や煮物などに調理する。

 中東のアラブ諸国の食事はマトン(羊肉)や鶏肉、鳩、駱駝肉など宗教上の制約のために癖のある肉類が多いため、矯臭作用の強い香辛料が使われる。代表的な香辛料としては、比較的強い芳香を持つコリアンダー、クミンシード、ローズマリー、ガーリックなどが大量に使われている。暑い国では食欲の減退が起こり、体力を消耗させる。食欲減退の防止、また、生ものの冷蔵保存の設備や流通が悪いため、腐敗防止の目的で香辛料の需要は高い。

 更には、ヨーロッパとアジアの貿易の中継地域であるため、香辛料の貿易が発達したことも大量消費に繋がる理由といえる。短期間であったが、エジプトへ技術協力で派遣されたとき、現地人の接待で鶏ガラスープにコリアンダー、クミン、ガーリックが入り、モロヘイヤという粘りのある野菜のスープを何度も食したことがあったが、なかなかの美味で堪能したものである。(次回へ続きます)

スパイスの世界19キャラウェイ・クミン(3回シリーズその1)

2013年07月02日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 【キャラウェイ】和名は姫茴香(ひめういきょう)、別名はローマンクミン。香りのスパイスとして太古の昔からヨーロッパで知られていた古いスパイスで、桔梗類のシソ科二年草である。種子のように見える果実を香辛料として用いる。乾燥した果実をそのまま使う場合や粉にして振りかける。やや甘い香りがして、丁度、八角(スターアニス)のような香りがする。ほろ苦く清涼な刺激がある。

 原産地は西アジアで、ケーキやビスケット、ドイツで有名なキャベツの酢漬けであるザウェル(ザワー)クラウトには香り付けのためこの香辛料が使われている。この他にもライ麦パンにも使われている。さらに、卵料理やカレー、焼きリンゴ等にも使われる。古くから惚れ薬として用いられたようである。生の葉や茎はサラダに使い、また、ハーブティーとして飲用しても良い。マトンや肉類の矯臭効果があり、香りの主成分は、カルボンとリモネンである。

 【クミン】クミンシードともいう。和名は馬芹(ばきん・うまぜり)。桔梗類のシソ科一年草でキャラウェイと親戚である。強い芳香がして、辛みもある。単独ではあまりなじみがないが、カレー粉やチリパウダーの重要な成分の一つである。カレーを食べるとよく分かる。また、中華料理に使う五香粉に混入されている香辛料の一つでもある。スープやシチューにも用いられる。

 肉類の矯臭、ピクルスやソーセージ、チャツネにもよく使われている。使用すればなるほどといった香りで、中近東やインドでは代表的な香辛料である。種のまま使用する場合と粉にして使う場合とがある。この香辛料も古い時代から使われてきた。(次回へ続きます)