【朝の高野山】
高野山詣では、初めてだ。
朝露に濡れて色さえる新緑、杉の大木が並ぶ参道、小鳥が囀る
中を、奥之院に向かう。
朝の冷気の中、差しはじめた朝の光に包まれながら、1200年間
粛々と繰り返してきた参道を、ゆったりとした気持ちで歩いた。
参道の両側は戦国武将の墓所が立ち並ぶ、信長、秀吉、信玄、勝頼
明智光秀、石田三成等々、奥之院にはこれらの武将から太平洋戦争
の英霊まで20万基を超えるあらゆる時代の、あらゆる階層の人々の
お墓がまつられている。
早朝参道を歩く人はまばらだ、四国巡礼を終わり最後の参拝に来た
お二人の満足気な姿が印象に残った。
宿坊に泊まりゆったりと高野山で過ごした外国人観光客。
朝の高野山には欧米人の観光客が目についた。
爆買いをするような人たちには、あまり興味がない処かもしれない。
武田信玄、勝頼親子の墓所はひっそりとしていた。
織田信長の墓所が意外と簡素で驚いた。
秀吉の墓所は山を背に静かに佇んでいた。
市川団十郎の墓所前の石像に紫の頭巾を被せたのは誰なのか?
参道を歩く人の心を癒してくれる地蔵さん。
朝の光を浴びて参道が眩しい、静寂のひと時だ~
樹齢数百年!古杉の間から静けさが伝わってくる。
御廟橋の下を流れる川は、奥之院裏山から流れる清水で、川の中に立て
られている卒塔婆は、流れ灌頂(かんじょう)と言い、水難事故や難産で
この世を去った人々の霊を水に清め追善供養するために建てられている。
奥之院:弘法大師御廟・・・今でも弘法大師空海が瞑想を続けていると
伝えられている。