飛騨【古川祭】起し太鼓編
天下の奇祭と言われる「越し太鼓」見たかったお祭りだ。
今年正月はじめ飛騨古川の旅館「大関屋」の名物女将ちよ子さん
から”今年の祭りに来ないか~”と電話があった。92歳になる
女将さんからの誘いに、昨年雨にあっているので今年こそと決心
した。夕闇迫るころから町は腹帯を巻いた男衆が目立ち始める。
暖かい夜だがそれでも裸の体には寒さが沁みてくる。
各町内から続々と御旅所に集まると、出立祭の前に、各組の若者
が付け太鼓を使い様々な技で度胸を試しあう、神事が始まり神前に
供えられた酒樽が叩き割られ、集まった裸男の祝い唄の唱和で
起し太鼓の幕が明けられる。
出立祭の前、各組の若者たちによる度胸比べのパフォーマンスが始まった。
太鼓上に乗る「太鼓打ち」は一生に一度あるかと言う名誉なことだ。
太鼓を叩くバチは、柳の生木を自分で切り削って作ったものだ。
腹帯をまく間の、緊張感が伝わってくる。
組頭の唄う”祝い唄で”いよいよ起し太鼓が動き出す!
”ドーン!ドーン!”と太鼓打ちのバチが音を響かせるこの瞬間!古川の男
たちの興奮が最高潮に達する。
起し太鼓の先頭は、女子供を加えた提灯行列だ、誰でも参加出来るので、
時間が過ぎていくと提灯の数も増えていく。
この意気込み!勇壮な姿に伝統と古川人の心意気を感じる。
泊まった旅館「大関屋」の前を起し太鼓が通って行った。宿泊客も興奮冷め
やらぬ顔をしていた。
起し太鼓を追って各組の付け太鼓が勇ましく突っ込んでいく。
付け太鼓が大太鼓の櫓の直後に付けることが最大の名誉である。
各組が我先にと争う必死の姿が激しさを増してくる!
古川は高山より古い町で、しっとりと落ち着き、町の中心を流れる瀬戸川には千匹程の錦鯉が悠々と泳いでおります。観光客が大勢繰り出す飛騨高山に隠れておりますが
「越し太鼓」は勿論ですが、屋台の曳き揃えとカラクリは
高山祭より身近で見ることができ、男達の力強さと伝統を感じ、屋台に施された細工は飛騨の匠の技を感じました。