中3になるハルトが、クラブを卒業しました。
あまり多くを語る子ではなかったし、同期と呼べる仲間もいなかったのですが、それでも5年半という期間、空手の修行をコツコツ続けられたところは、大人の私から見ても、彼のとても尊敬できる部分でもありました。
友達が多いからとか、試合での勝率が特別に高いからとかなら原動力にもなるのかも知れませんが、そんな部分とも、また違うわけで。
ただ、どんな状況下でも頑張れる、そんな子を育てたいのが指導者の願いでもありますから、そのような意味では最高のカタチをとってくれましたし、彼の努力は、良い影響を与えるという意味でも後輩達に道を残す、とても尊いものだったように思います。
『やり切った!』
いつもハルトの試合に関しては、わりと評価の厳しかったお父さんも、クラブ卒業時に挨拶に来てくれた時には、満面の笑みからの心からの言葉でした。
そうですよね…
今までの武道を通した経験の重さを感じるのと、最後と決めて出場した全日本大会でも優勝したわけですから。
ただ私が言えるのは、ハルトを…私達を…いつも絶妙な距離から見守ってくれ、良き環境を作ってくれた、御両親の御協力があればこその結果だったとも思ってます。
あぁ…思えば…
ハルトの空手道としての物語も色々ありましたし、たとえ私と多くの言葉を交わさなかったとしても、察することで心を満たすことのできる、そんな多くの時間を共にしたうえの師と弟子の関係であれたようにも思えます。
受験へ向けて…
また、彼の新たなステージでの闘いが始まるわけですが、今までの…ここまでの頑張りがあったのなら、今後も、その後も、その精神性は、きっと彼自身の人生を大きく支えるものになることでしよう。
ハルト、ありがとう。
これかれも頑張るんだョ。
もちろん我々も頑張るから。
そう、君が残してくれたものを、これからも繋いで行けるように…