例えば,「括弧の中に適切な言葉を入れなさい」という文章を韓国語に直したときに次の(A)(B)どちらがいいだろうか。
(A)괄호 속에 알맞은 말을 넣으시오.
(B)괄호 안에 알맞은 말을 넣으시오.
また「車がトンネルの中に閉じ込められた」は(A)(B)どちらがいいだろうか。
(A)차가 터널 속에 갇혔다.
(B)차가 터널 안에 갇혔다.
「괄호 안(B)」「터널 안(B)」の方が自然に感じられる。これは1次元と2次元での内部は「안」, 3次元空間の内部は「속」が一般的だからである。
まず,1次元の場合について見てみよう。上記で例示した「括弧」は,文という1次元の線として抽象化できる物体の一部であるため,「속」よりも「안」が自然である。また,「トンネル」のケースも,1次元で象徴できる道路の一部であるため,「안」がより適している。
「100미터 안(100メートル以内)」や「50킬로미터 안(50キロメートル以内)」などの表現も,距離という一次元の対象に用いられたものであるし,「사흘 안(3日以内)」「10년 안(10年以内)」などの表現も,時間を一次元の線上で流れるものと考える一般的な認識から生まれたものである。
また二次元の場合についても「네모 안(四角の中)」「동그라미 안(丸の中)」「테두리 안(境界の中)」「울타리 안(柵内の中)」などの表現が最も自然である。「窓枠」も,境界がある2次元の平面であるため「창틀 안」と言うのが自然である。
一方,「사과 속(りんごの中)」「호박 속(カボチャの中)」「바다 속(海中)」「뱃속(腹の中)」「땅속(地中)」「물속(水中)」など3次元の物体には「속」が違和感なく使われる。ほじくって中を見るものは「속」と覚えておけばいい。
(A)下水道の中に大きなネズミが住んでいた。
하수구(안・속)에 큰 쥐가 살고 있었다.
(B)ネズミが人の気配に驚いて鞄の中に隠れた。
쥐가 사람의 기척에 놀라서 가방(안・속)에 숨었다.
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