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震災と原発の想定外

2011年04月17日 11時31分46秒 | その他
 想定外という表現をよく聞きます。このたびの東日本大震災の本震のマグニチュードが9.0であったことは想定外、各地の津波の高さも想定外、福島原発を襲った津波の高さも想定外だったと言うあれです。

 結果論としては想定が甘かったと思いますし、評論家で批難している人も多いようですが、果たして批難する資格が有る人がどれほど居るものでしょうか。

 真に震災や原発の「想定外」を批判出来るのは、想定が不備であることを事前に知っていて、しかも、それがまずい事をその時点で主張し、状況を変えさせようと努力した人でなければ、ずるいと思います。事後なら何とでも言えるのですから。

 1000年以上前の貞観時代(源氏の祖で有名な桓武天皇の時代)に大きな津波があったそうで、それからすると、現在の想定はすべて不十分だそうですが、そう言う事実を声を大にして叫んだ人が居たのでしょうか。多分、主張したのに受け入れられなかったのでしょうけれども、それで主張を引っ込めたのであれば、その人にも責任が無いとは言えません。ネット会見でも何でも行なって、言い続けるべきだったと思います。

 今回の本震のマグニチュード9.0と言うのはあまりにも大きく、例えば東京都における震災対策でも、関東大震災並みのマグニチュードを想定しているに過ぎません。多分、東京直下で9.0であれば、何も残らないからでしょう。

 津波対策における想定の問題もいろいろ言われます。けれども、度々の津波に襲われた宮古市田老地区の防潮堤は高さ10mもあり、これが不十分だと主張した意見は少なかったように思います。

 話が逸れますが、事業仕分けの際にスーパー堤防にストップがかかったのは、200年に一度の災害に備えるために、今のペースでは完成までに400年かかると言う点がネックだったためのようです。でも、普通は200年や400年のスケールで物事を考える余裕は無く、まして、1000年に一度の災害への備えを後回しにするのは、財政を考えれば頷けます。

 ただ、福島原発については、津波の想定高さの問題もさることながら、バックアップ体制の不備は批難されてしかるべきです。

 卑近な例で不特定多数の人が集まる場所には、最小限の照明や非常口の表示灯を点灯するための電源のバックアップ体制が備えられています。原発では意外にもバックアップが不十分だったようです。このように深刻な結果を生む可能性のある重要箇所には、二重、三重のバックアップや代替手段の備えを考えておくべきでしたね。

 想定も大事ですが、想定を過大に見積もったら現実的な対策は不可能です。災害の防止を考える一方で、災害を最小限に抑え、事後の復旧策を万全なものにしておくことの方が大事ではと思います。

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