日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

商品相場の取引

2013年02月09日 | Weblog
商品相場の取引

現場では糸埃も工場の中ではらいおとして、再利用するほどまで、ケチケチしてコスト削減して絹糸を生産している。
絹糸を製品に仕立てるまでに、いろいろな工程があるが、蚕の繭のかけらがくっついてる絹糸の束を発酵させる部署の臭さと言うものは尋常ではない。
タンパク質の腐敗する悪臭がむっと鼻をつぐ。
鼻だけならまだいい。胃まで届いてムカムカしてくる。
ヘドを吐きそうな強烈な匂いである。工場実習としてそのような現場の体験したが、これが毎日の職場だと思ったら、退職していたであろう。
しかし誰かがこの部署を担当してくれないと絹糸は仕上がらない。
特殊勤務手当がつくが金じゃないとつくづく思った。
そんな苦労の塊の製品が、コストに関係なく、時の相場で赤字になったり、黒字になったりするの見ると悲しくなる。
絹糸は相場商品であるから人の苦労など超越して、損をしたり得をしたりするのだと思うと、相場商品取引とは一体なんだろう考え込んでしまう。

腐敗臭の現場から見ると相場は悪魔に見える。絹糸を担当した部署の責任者が売買に失敗して首をつったという話も聞いた。
相場というのは一面では恐ろしいシステムである。マーケットに左右される商品は個人の商品に対する思いを超越している。