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■■【心de経営】 采根譚01 実践編30 前集147 精神は万古に新たなる

2020-01-31 09:06:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚01 実践編30 前集147 精神は万古に新たなる

 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

 

■【第一連載】────────────────────────────■

     ■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集147 ■■

        精 神 は 万 古 に 新 た な る              日本経営士協会理事長 経営士 藤原 久子

■──────────────────────────────────■

【筆者紹介】

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。平素、自社においては、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、「心で経営」を実践し、経営士・コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見や解決策の提案や業務改善案・経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

   現職:特定非営利活動法人日本経営士協会理事長、経営士

『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。 「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いですが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。 『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。以来おびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。  この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。  それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年に埼玉県で生まれました。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行し、18歳で夜間中学を卒業しました。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済したのです。その間、並はずれた向学心から、独学で、法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人といえます。  最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータのオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られるようになったといわれています。

         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社

 ■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集147 ■■ 

        精神は万古に新たなる   【読み下し文】

    精(せい) 神(しん)は 万(ばん) 古(こ) に          新(あら) た な る

 事業文章は身に隋(したが)って銷毀(しょうき)すれども、精神は万古に新たなるが如し。

 功名富貴(こうみょうふうき)は世を遂(お)うて転移すれども、気節(きせつ)は千載(せんざい)に一日(いちじつ)なり。

 君子は信(まこと)に当(まさ)に彼を以て此れに易(か)うべからざるなり。

【口語訳】

 どんな事業・学問でも、死んでしまえば肉体と共に滅んでしまうが、人の精神は永遠で日々新たに生き続ける。

 地位・財産も時の流れにつれて人に移ったり、価値を失ったりしてしまうが、人の節操は千年の後になっても変わることはなく、尊いものである。したがって、人々はよくこれを自覚し、本末を誤ってはならない。

【解説に出てくるキーワード】

「創業は易く守成は難し」【『貞観政要』】唐の太宗から、「帝王の事業は、創業と守成といずれが難しいか」と問われたとき、側近の魏徴(ぎちょう)が答えた言葉。ちなみに宰相(さいそう)の房玄齢(ぼうげんれい)は「創業の方が困難です」と答えた。

 前集147につきましては、実は私の「座右の銘」として掲げ、雑誌・セミナー等でご紹介させていただいておりますが、私の創業時の心根でもあります。

【コメント】

 自分の生き方の模範や戒めのために、日頃から大切にしている言葉や信条を「座右の銘」として、私が起業した頃を振り返ってみますと、当初は純粋な気持ちで単に事業の継続を願いつつ5年先の姿を創造(単なる「想像」ではありません)しながら事業展開をして参りました。

 

 たとえすべての物資がなくなっても自らの生き方、歩みは尊く後世に残るという、つまり人の精神は永遠に生き続けることになります。そこから道理を守って生きることによって出来る限り寛容の心で人に接し、不満の心を抱かない様にしたいと思いますし、また世をさった後にも、できるだけ恩恵を残して多くの人々に満足の心を持ってもらいたいと願うのです。

 

 一歩下がる事が、さらに前進するための土台になり、人のためを考えることが結果的に自分に利益をもたらす基礎となります。常に冷静な眼で他人を観察し、冷静な耳で言葉を傾聴し、冷静な感情で道理を考えるという意味においては「采根譚」の解説者である井原隆一氏に見る生き方そのものの様に感じます。それは本来の経営士・コンサルタントの鏡でもあるかと思います。

 

 一方で富貴の人に近づこうとしないのは、ある意味潔癖であると思いますが、私は近づいても、その影響に染まらないのが本当の潔癖というものと考えます。世の中の手練手管など知らないほうがよろしいのですが、知りながらも決して用いようとしないのが、本当の人格者だと思います。企業経営においても、同様の精神が求められ、本当の意味における経営者様の「心」を感じ取り、コンサルタントとして困難を乗り越えた先に、人間として磨かれると信じます。

 

 日本経営士協会の歴史には、先人の智恵からなる財産や素晴らしい格式と伝統があります。とりわけ直近の10年余に今井会長か蓄積して下さいました経営士・コンサルタントのノウハウは、日本経営士協会の財産、宝物として今後に活かしていかなければなりません。会員活動指針であります三共「共業・共用・共育」の精神を継承してゆく中で、共に成長してゆく事がやがて協会の発展にも繋がる事と確信致します。

 

 何事に於いても謙虚な心で傾聴、そして研鑽を重ね学んでゆく事こそが未来の輝く星となって成長してゆく事を期待しております。会員の皆々様の心がひとつになり、前進していくことを強く願っています。

 

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■■【心de経営】 采根譚02 前集一 万古の凄涼を取ることなかれ 実践編31

2020-01-24 09:06:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚02  前集一 万古の凄涼を取ることなかれ 実践編31

 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。  平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。  一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。
 
「菜根」すなわち、「野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る」ということを意味しています。また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。
 
『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。
 
 1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で、法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 一 ■■ 
 
    万古の凄涼を取ることなかれ
 
【読み下し文】
 
  万古(ばんこ) の凄涼(せいりょう) を取ることなかれ
 
道徳を棲守(せいしゅ)する者は、一時の寂寞(せきばく)たり。権勢(けんせい)に依阿(いあ)する者は、万古に凄涼たり。達人は物外の物を観じ、身後の身を思う。寧ろ一時の寂寞(せきばく)を受くる藻、万古の凄涼をとることなかれ。
 
徳に従がって人間としての道を守り通そうとする者は、一時的には不遇で、苦境にたたされることもある。権力におもねりへつらう人間は、一時的には栄進しても名利も得られるし、虎の威を借りて居心地も良いが、やがては永遠の孤独に苦しむことになる。
 
 ・寂寞(せきばく) : ひっそりと寂しいさま。   ・依阿(いあ) : もたれ、おもねる。   ・万古 : 永遠に。  ・凄涼(せいりょう) : ぞっとする程もの寂しいこと。   ・身後(しんご)の身: 死後に保たれるもの
 
【コメント】
 
 達人は常に真実を見つめ、死後の生命をも考えるといいます。そこで人間としては寧ろ一時的に不遇であっても永遠の孤立をまねく道を歩んではならないということです。
 
 (特)日本経営士協会の会員にとって最も必要とし、コンサルタントとしての道を卓越したものにするためには、何を極める事が大切なのかを熟慮しながら多くを学び、個人の目標確立のために全力を投入し、達人にみる「真理を守り抜く」こととして真のコンサルタントを目指すようにしたいと願うのです。
 
 人間としての人格の向上、品格・品性を身につけ、生涯を生きてゆくことで本当に大切なことは「今、この瞬間」の積み重ねだと思います。自分の決めた課題を毎日堅実にクリアしてゆくことは自信に繋がります。
 
 先の大地震・津波の際、整然とした日本人の生活態度とマナー等、世界中から絶賛の声が聴かれました。日本人が培ってきた辛抱強く美しい思い遣りの心なのです。
 
 

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■■【心de経営】 采根譚03 前集六 和気なかるべからず 実践編32

2020-01-17 09:06:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営 采根譚03  前集六 和気なかるべからず 実践編32

 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

 

【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。  平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。  一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。
 
 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 六 ■■ 
 
    和気なかるべからず
 
【読み下し文】
 
 

 和()()なかるべからず

 
 
疾風(しっぷう)怒雨(どう)には、禽鳥(きんちょう)も戚々(せきせき)たり。霽日(せいじつ)光風(こうふう)には、草木(そうもく)も欣々(きんきん)たり。見るべし、天地に一日(いちじつ)も和気(わき)なかるべからず、人心(じんしん)に一日(いちじつ)も喜神(きしん)なかるべからずを。
 
(厳しい雨や風には、鳥も恐れ憂える。晴れて風の穏やかな日には、草木も喜んでいる様にみえる。だから、天地には一日たりともおだやかな陽気がなくてはならないし、)人間一日たりとも喜び楽しむ心がなくてはならない(自分の心の暗さは他人の心まで暗くしてしまうものである。心の持ち方一つで明るくもなり暗くもなる)。
 
【解説に出てくるキーワード】
 
 困難を嘆かず、可能を信ずる。
 
 「怒る原因の多くは、自分の責任にあるからで、相手を怒る前に自分を怒らねばならないし、怒って威厳を保つよりも、笑顔で保ったほうがよい」と井原氏は言う。
 
・ 【禽鳥(きんちょう)】  とり。 ・ 【戚々(せきせき)】   憂い恐れる事。 ・ 【霽日(せいじつ)】   晴れた日 といし。 ・ 【和気(わき)】      おだやかな陽気。 ・ 【喜神(きしん)】     喜びの心
【コメント】
 
 活き活きと生きる人生の「心」の経営術、性善説の人生哲学として采根譚は訳されています。嵐の日は鳥までも寂しく悲しげでありますが、晴れた穏やかな日は草木もいかにも楽しげです。自然には、たとえ一日でも穏やかで和らぐ日があります。人の心もたとえ一日でも喜ぶ気持ちがなければならないのです。
 
 つまり「無心に生きなさい」という事です。
 
 心に野の花がいっぱい咲き乱れますと、自然に和らいだ満足感に包まれます。人の心にも一日でも喜び和む気持ちが無くてはならないと私は思います。つまり気象が移り変わる中にも快い晴れの日がありますように、人の心の中にも快く喜びや和む気持ちは欠かせないのです。
 
 心のバランスを崩してしまいますと、人間関係にも大きく影響が出てしまうと考えます。ただ、心情が気象と似ているようで違うところは、人間は、相手を思い遣るという善意があれば、よい気が生み出されるという事です。
 
 陽気も陰気も、心の持ち方ひとつです。自然界でも、気持ち良く晴れあがった日には、活き活きとした自然の関係から生まれた調和と喜びがあり、それこそが人間にとっても欠かせない大切な環境であります。私達は、時代時代、それぞれの背景の中で生き方や行動が問われて来ました。厳しい雨や風に襲われれば、鳥までが震え上がるのに対して、晴れた穏やかな日和に恵まれれば、草木までも喜びに溢れるというのです。
 
 時代の変化とともに可能な限り、寛容の精神でコンサルタントとしてクライアント様に接し、人々に満足の心を持ってもらうための支援をしたいと願うものです。  人の品性は、包容力が大きくなるにつれ向上し、包容力は認識が深まるにつれて大きくなるといわれます。明るいものは、いつも暗いものから生まれ、活人は先の先までを見通して人に接しながら、自他の可能性の芽を摘む事がないといわれています。私達にとって、努めて精進するという事が肝要です。換言すれば、「ご縁は一生の財産と認識すべきである」事に繋がります。
 
 また、仕事が行き詰まり、形勢が悪くなった場合には、その初心が何であったかを考え、原点に戻り、再考する事も重要です。何事に於いても困難を嘆かず、可能を信じ、クライアント様との信頼関係を良好に深めて参りたいものです。
 

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■■【心de経営】 采根譚04 前集十 恩裡に害を生ず 実践編33

2020-01-15 09:06:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚04  前集十 恩裡に害を生ず 実践編33

 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。  平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。  一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。
 
 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 十 ■■ 
 
    恩裡に害を生ず
 
【読み下し文】
恩裡に由来害を生ず。故に快意の時、須(すべか)らく早く頭(こうべ)を回(めぐ)らすべし。敗後(はいご)或いは反(かえ)って功を成す。故に払心(ふっしん)の処、便(すなわ)ち手を放つこと莫(なか)れ
 
失敗や災害は、徳意の時、恩情の厚いときにやってくる。それゆえ恩情が厚く、徳意の絶頂にある時は、心を引き締めて反省して後々に悔いを残さない様に心がけたい。また失敗した後や失意の時に、成功の機会を掴むことが多い。失敗したからと言って失望し、嘆くことはない。
 
 
【解説に出てくるキーワード】
 
「事の破るるは得意の時、事の成るは失意の時、勝って驕(おご)らざる者のみが次の勝利者になる」【格言】「ピンチを脱失しても心はピンチにあり」の心構えでいないと、チャンスを活かすことは出来ない、と井原さんは説く。
 
・ 【恩裡】  恩情の厚いうちに ・ 【快意】  気分がよい。得意。 ・ 【払心】  心にもとる。失意。 
 
          参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
【コメント】
 
 意外なことと感ずるかもしれませんが、「恩」という心や「愛」という心から「災い」が生じると言われます。
 
 楽しい気分の時こそ、それまでを反省すべきなのです。
 
 その逆に、失敗したからこそ成功することもありますから、意に添わぬ事で投げ出してはいけないのではないのでしょうか。言い換えますと、失敗や逆境は、順境の時にこそ芽生えはじめていて、物事がうまくいっているときこそ、先々の災難や失敗に注意をすることが肝要です。
 
 このことは企業経営に於いてもいえる事ですが、成功、勝利は逆境からはじまるものです。「人生、山あれば谷あり」であり、「思いどおりにならずともあきらめない」勝利の希望を持ち続け、ひたすら努力を続けていけば、状況は好転するであろうといわれております。
 
 生きている限り、希望はあります。希望がなくなる時は自分で自分のことを「もうだめだ」とあきらめた時だけです。苦しみだって、成長するためのバネになると思うことによって道は拓けるものなのです。もしも、希望がなければ、自分で希望をつくりましょう!見つけましょう!また「ピンチを脱出しても心はピンチにあり」の心構えでいませんと、チャンスを活かすことはできない、と「采根譚」の解説者井原さんは説いているのです。
 
 私共の会社では、毎月当該クライアント様の決算説明会を開催しておりますが、その際に日常処理に於ける基本的な考え方や対象法についても討議しコミュニケーションを図っております。
 
 話題は変わりますが、2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波、それにより引き起こされた福島第一原子力発電所事故は皆様のご記憶に新しいと思います。この悪夢の中から私共は、いったい何を学んだでしょう!
 
 当時は誰もが、自分にできることは何かを真剣に問うことになったでしょうし、何でもない日常の有り難さをしみじみと感謝する様にもなりました。そんなある日のこと「生きてゆく事」という曲の歌詞が心に響きCDに聴き入っておりました。
 
  誰にでも、悲しいこと、辛いこと、   悔しいことが必ずあるはず、   どんな時にも、   自分の誇りはなくしたくない、   辛くても、前をみているのは、   夢がその形をかえてしまわないように、   そして、   いつまでも自分らしさを見失わない様に   いきてゆきたい
 
と、穏やかに、やさしく、しかも力強く歌って下さったのです。
 
 読者の皆々様や日本経営士協会会員にもこうした想いや、経験は沢山おありと思います。ふと立ち止まって何気なく、深呼吸する時間があってもいいのではないでしょうか。同時に私達はプロのコンサルタントとして高品質のサービスの提供をする使命があることを、繰り返し認識を改めるべきではないのでしょうか。
 

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■■【心de経営】 采根譚05 前集二十四 明は晦より生ず 実践編34

2020-01-10 09:03:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚05  前集二十四 明は晦より生ず 実践編34

 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。  平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。  一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

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 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。
 
 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 二十四 ■■ 
 
    明は晦より生ず
 
【読み下し文】
 
 明(めい)は晦(かい)より生ず
 糞虫(ふんちゅう)は至穢(しわい)なるも、変じて蝉となりて露を秋風に飲む。腐草(ふそう)は光なきも、化して蛍となりて采を夏月(かげつ)に耀(かがや)かす。固(まこと)に知る、潔(けつ)は常に汚(お)より出て、明は毎(つね)に晦(かい)より生ずることを。
 
 糞土から出てくる蛆虫は変化して蝉となって、白露を飲んで美しい声で、鳴くようになる。腐った草には光はないが、蛍となって光彩を放つ。このことからも、清いものは常に汚れたものから生まれるし、光はいつも暗闇から出るということが分かる。
 
【解説に出てくるキーワード】
 
◆ この泥があればこそ咲く蓮の花
 
 蓮は泥沼に生えていても美しい花を咲かすことから、どんな悪い環境にあっても清らかさ保つことをいう。「泥中の蓮」とも言う。
 
◆ 明中、明なし。暗中、明あり
 
 明るい日の中では、光を見出すことはできないが、暗い中ではどんな小さな光、つまり逆境を抜け出す目標を見出すことができる。逆境にあるからこそ、小さな光、つまり逆境を抜け出す目標が見えてくると、井原氏は言う。
 
  参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
【コメント】
 
 活き活きと生きる人生の「心」の経営術として、性善説の人生哲学として「采根譚」は訳されています。
 
 嵐の日は鳥までも寂しく悲しげでありますが、晴れた穏やかな日は草木もいかにも楽しげです。自然には、たとえ一日でも穏やかで和らぐ日がなければなりませんし、人の心もたとえ一日でも喜ぶ気持ちがなければならないのです。
 
 つまり「無心に生きなさい」という事です。
 
 心の中に野の花が一杯咲き乱れますと、自然に和らいだ満足感に包まれます。人の心にも一日でも喜び、和む気持ちが無くてはならないと私は思います。つまり気象が移り変わる中にも快い晴れの日がありますように、人の心の中にも快く喜びや和む気持ちは欠かせないのです。
 
 心のバランスを崩してしまいますと、人間関係にも大きく影響すると考えます。
 
 ただ、心情が気象と似ているようで違うところは、人間は相手を思い遣るという善意があれば、よい気が生み出されるという事です。陽気も陰気も、心の持ち方ひとつです。自然界でも、気持ち良く晴れあがった日には、生きいきとした自然の関係から生まれた調和と喜びがあり、それこそが人間にとっても欠かせない大切な環境であります。
 
 私達は、時代と共にそれぞれの背景の中で、生き方や行動のしかたを問われて来ました。厳しい雨や風に襲われれば、鳥までが震え上がるのに対して、晴れた穏やかな日和に恵まれれば、草木までも喜びに溢れるというのです。
 
 時代の変化とともに可能な限り、寛容の精神でコンサルタントとしてクライアント様に接し、人々に満足の心を持ってもらうための支援をしたいと願うものです。
 
 人の品性は、包容力が大きくなるにつれ向上し、包容力は認識が深まるにつれて大きくなるといわれます。明るいものは、いつも暗いものから生まれ、かつ人は先の先までを見通して人に接しながら、自他の可能性の芽を摘む事の無い様に努めて精進するという事が肝要です。
 
 換言すれば「ご縁は一生の財産と認識すべきである」という事に繋がります。また、仕事が行き詰まり、形勢が悪くなった場合には、その初心が何であったかを考え、原点に戻り、再考する事も重要です。
 
 何事に於いても困難を嘆かず、可能を信じ、クライアント様との信頼関係を良好に深めて参りたいものです。そうした関係保持のために、常に自己の資質磨きに最善を尽くしながら、持続し続ける事が経営者を支援するコンサルタントのあるべき姿なのではないでしょうか。
 
 

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■■【心de経営】 采根譚06 前集 四十三 身を立つるに一歩を高くす 実践編35

2020-01-08 09:03:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚06  前集 四十三 身を立つるに一歩を高くす 実践編35

 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

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 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。  平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。  一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

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 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。
 
 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 四十三 ■■ 
 
    身 を 立 つ る に 一 歩 を 高 く す
 
【読み下し文】

 身を立つるに一歩高くして立たざれば、塵裡(じんり)に衣を振るい、泥中(でいちゅう)に足を濯(あらう)が如し。如何ぞ超達(ちょうたつ)せん。世に処するに一歩退いて処(お)らざれば、飛蛾(ひが)の燭(しょく)に投じ、羝(てい)羊(よう)の藩(まがき)に触(ふ)るるが如し如何ぞ安楽ならん。

 人生、身を立てるには、常に一歩だけ世人よりも高くしておかないと 塵(ちり)の中で衣を振るい,泥の中で足を洗うようなことになる。洗えば洗うほど泥がついてくる。これでは、世間に超越することは出来ない。また処世の道では、常に一歩退いていないと、ちょうど虫が火に身を投じたり、牡(オス)の羊が棚に角を突っ込んで進退極まるのと同じことになる。これでは安楽に過ごす事ができない。

 
【解説に出てくるキーワード】
 

◆「理想は高く姿勢は低く」井原さん、自作自戒の言葉

◆「小成に甘んじるな」小成とはわずかばかりの成功。経営に当たる人は「大きな夢を持ちなさい」と井原さんは説く。 

  参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
【コメント】

 社会で出世しようとするならば、他人より一歩高くしていないと、埃の中で服を振るい、泥水で足を洗うようなもので、目的は果たせないし、人が生きてゆく上では、他人より一歩下がっていないと、我が蝋燭(ろうそく)の火に飛び込み、羊が垣根に頭を突っ込んでしまうようなもので、安心して暮らして行けない。

 つまり活人はリスクマネージメントの達人と言える。言い換えれば、活人は純粋なリスク回避は言うまでもなく、投機的なリスクは確実に回避しておかないと安心して生きてはいけません。ということ。

 人間は誰しも、一人ひとり違った素質、才能をもっている。ただそれらは、顔を鏡に映すようには、表面に出にくい。しかし、そういう自分の素顔とか才能というものを自分ではっきりとつかみ、それを日々の活動に、ひいては人生に生かすことができたなら、どれだけ人間としての喜びに満ちた生活が営まれ、人生の妙味というものを味わうことができるだろうか。一人ひとりが他と違ったものを持ち、そして日々新たに発展していく。そこには苦しみもあろうが、何ものにも替え難い喜びもあるはずである。

 本日も当社では決算の為のデータの積算作業に追われている。メールのやりとりや、書類から多くを推測、現実へと導き出すことの困難さに直面している従業員は日々戦ってくれている。頭の下がる思いが感謝へとかわり「従業員は宝もの」いう言葉で表現することになる。そんな思いに成る事が何よりも幸せで、次への挑戦に繋がっていると確信します。

 決算に係わる財務状況から経営者様ご自身の思想や理念、今後の夢など一年に一度の決算時会談は濃密に展開しています。時代に即したテーマも考慮しながら現代から未来に繋ぐ架け橋になる様尽力したいと願っているのです。

 他方ではコンサルタントとして今後に向け壮大な夢と希望に満ちた運営指針を立て、全国縦横に組織的活動を展開してゆくことが社会貢献に繋がる事を願っております。

 

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■■【心de経営】 采根譚07 前集 五十六 口頭の禅、眼前の花 実践編36

2020-01-03 09:03:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚07  前集 五十六 口頭の禅、眼前の花 実践編36


 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

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 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
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 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 

         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 

■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 五十六 ■■ 
 
     口 頭 の 禅、 眼 前 の 花
 

【読み下し文】
 
  口頭の禅、眼前の花
 
 
【解説に出てくるキーワード】
 
 学問を講じても、高遠な理屈を説くだけで自ら実践することを尊重しなければ、口先だけの禅でしかない。また、事業を興しても利益だけを考えて、後々の為に人徳を育てておくことを考えなければ、目先だけの花となるに違いない。 

【コメント】
 

 スティーブ・ジョブス、マイケル・ジョーダン等、世界の成功者には「禅」愛好家が多いことで知られています。ものごと一点に全てを集中する力、これこそ禅の極意というそうです。

 ジョブズ氏の言葉に禅を学んだものにしかわからない感覚があって、「捉えにくいものの声が聞こえるようになる」「直観が花開く」という言い方をしております。このことからも数々の革新的なアイデアは禅が影響していると言っても過言では無いとまで語っております。実際、アップル本社には坐禅部屋があるそうです。

 わかっているようで、一番知らない自分と向き合う、自分は、何かの意味があってこの世に生かされていると自覚することによって自分の人生を生きて行く事に最大限の努力を払うことができるのです。

 また、あらゆる場面で過去の業績より、未来に挑戦する心の方が価値ある。つまり、いかなる場所、いかなる状況に於いても挑戦者となり、後世のために役立つように尽力することが、大切であります。事業に成功した人は常に慈しみの心で徳行を重ね、人に優しく、自分に厳しくありたいと申しております。

 さて(特)日本経営士協会に於いてコンサルタントとして求められる資質には、対人関係構築力、思考能力、体力&精神力、そして最も重視されるのが、プロフェッショナル・マインドでしょう。

 短時間で広い経験を積むことが出来る様プロジェクトに参画し、様々な業種の様々な業務の体験を重ねて、プロジェクトの管理機能や予算管理機能も含め、サポートできるチームでありたいです。

 

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■■【心de経営】 采根譚08 前集 八十 未だ就らざるの功を図る 実践編37

2019-12-31 09:03:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚08  前集 八十 未だ就らざるの功を図る 実践編37


 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

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 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。
 平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。
 一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

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 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
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 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 

         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 

■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 八十 ■■ 
 
     未 だ 就 ら ざ る の 功 を 図 る
 

【読み下し文】
 
 
 未(いま)だ就(な)らざるの功(こう)を図(はか)るは、己(すで)に成るの業を保つに如(し)かず。既往の失を悔(く)ゆるは、将来の非を防ぐに如かず。

 見通しの立たないことを悩み焦るよりも、既に完成し軌道に乗っている仕事の保持、発展に努力した方がよい。過去の失敗を悔いているよりも、将来の失敗を防ぐようにすべきである。

 
 
【解説に出てくるキーワード】
 

 「一利を興すは一害を除くにしかず。一事を生ずるは一事を減ずるにしかず」元の名宰相・耶律楚材の箴言、一つの利益のあることを始めるよりも、一つの害のあることを取り除く方がよい。一つの事を新たに始めるよりも、無駄な一つのことを止めた方がよい、ということです。

 人から受ける恩恵は控えめにして、人のためになる徳行は進んで行うこと、世渡りの秘訣は自ら一歩を譲る精神で寛大な心がけを持つこと、がよいとされています。他人のためにすることが、実は自分の為に成るのです。

   参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社


【コメント】
 

 事業は現業を推進し、未来のリスクを予防するため、今を重視し、誤りの再現に心を配りながら、前に進むことが、肝要であると説いているのです。

 人間は有のままで品格を備えているのが、最高の境地であると考えますし、幸福は、こちらから求めてえられるものではなく、ただ、楽しみ、喜ぶ心を養うことに徹し、人間としての智慧は輝きを増すよう生涯において品格を保つことを心がける様努めたいと願っているのです。

 上に立つ人の意識は高くなければならないし、心遣いも注意深くなければなりませんが、細かすぎては駄目ですし、偏り過ぎても駄目です。

 志は高く現実的で思い込み過ぎず、偏らずというのが、人生の王道であると思います。つまり目的を明確にして目標を淡々と熟しながら何事にも臨機応変に成すべきであるという事になります。

 バランス感覚が必要ですし、経営コンサルタントとしてクライアントに如何に対応すべきかを課題となります。

 熟考すれば一つとて同じケースの無い案件の複雑さに対応してゆく事が求められます。現場の多くの事例に真摯に立ち向かってこそ多くの体験から学ぶ事も多く何よりの喜びであります。

 絶え間ない努力はやがて結果に結びついて成長してゆく事になるのです。そこで常に謙虚な精神を持ち続け未来に向かって前進してゆきたいものです。

 輝かしい新春を迎え本年も会員の皆々様にとりまして、幸多い一年であります様祈念しております。

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■■【心de経営】 采根譚09 前集 八十二 竹は声を留めず 実践編38

2019-12-27 09:03:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚09  前集 八十二 竹は声を留めず 実践編38

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 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。
 
 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 八十二 ■■ 
 
      竹は声を留めず
 
【読み下し文】
 
 
 風、疎竹(そちく)に来たる、風過ぎて竹は声を留めず。雁(かり)、寒潭(かんたん)を度(わた)る、雁去って潭は影を留めず。故に君子は事来たりて心 始めて現われ、事去って心隋(したが)って空し。
 風がまばらな竹やぶに吹くと、竹の葉は鳴るが、風が止んでしまうと元の静けさに戻る。雁が度ると淵はその影を映すが、飛び去ってしまうと影はない。
 君子の心も同じく、事が現われればそれに対応し、事がされば元の静けさ無の境地になる。
 
 
【解説に出てくるキーワード】
 

「当たり前を、破れ」井原さんによれば、この言葉には二つの意味があるという。

 一つは、常識を破って時代の変化に対応せよ、ということ。

 もう一つは、消極性や劣等感に捉われた当たり前は勇気をもって破るべし、という。

   参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社

【コメント】

 まばらな竹藪に吹く風、冷たい澄んだ淵の上を飛ぶ雁、普段は何もしないでぼんやりしているようだが、事が起こると素早く反応するという柔軟性を持って何事にも対処しなければならない。

 経営コンサルタトに求められる要素も同様で、社会人として又経営人としの資質を磨くと共に、「夢・希望」を持って、果敢に挑戦することの勇気が求められると考えます。

 采根譚の解説者である井原隆一氏によれば、「当たり前を破れ」という言葉にも二つ意味があるというのです。

 一つは常識を破って時代の変化に対応せよ、二つ目は消極性や劣等感に捉われた当り前は勇気を持って破るべし、当協会の今井会長の言葉にも同様の教えがあったと思います。私は会長の多くの教えから心を律する機会を得、感謝しております。

 一方で、グローバルな視点で物事を捉えてみる事にいたしましょう。

 たとえば環太平洋パートナーシップ( TPP : Trans- Pacific Partnership )の協定の合意は、海外との事業展開を行う上で必要不可欠です。

 日本貿易振興機構( JETRO )横浜主催のセミナ-では、今後ますます拡大が見込まれる経済連携協定( EPA )の利用を検討し、将来のTPP活用に向けて理解を深め、ビジネス戦略に活用するように促しています。実は我が国は15か国とEPAを締結しています。

 また平成27年2月4日には環太平洋パートナーシップ協定への署名が行われ、世界経済のGDPの4割を占める経済圏において、関税率の引き下げに加えて幅広い分野で新ルールが構築されて来ました。

 そこでビジネス戦略としての活躍の場を世界にむけて発信してゆかねばならないのです。

  内外を問わず、経験から得たバランス感覚と、中立的なアドバイスを大切にし、随所に改善策、社会貢献を念頭におきながら、企業と専門家という枠を超えて困難に立ち向かう精神で常に上を目指している企業家・事業家に適切なコンサルティングが出来ます様にと願っております。

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■■【心de経営】 采根譚10 前集 八十五 間中に放過せざる 37

2019-12-24 09:03:00 | 【心 de 経営】 菜根譚に学ぶ経営

■■【心de経営】 采根譚10  前集 八十五 間中に放過せざる 37

【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。  平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。  一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

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 『采根譚』の著者は洪自誠といわれ、日本に江戸時代中期に伝えられ、以来知識人の隠れた教養書として、明治以降も多くの人々に愛読されてきました。『采根譚』の書名は宋代の学者(思想家)汪信民の「人よく菜根を咬みえば、則ち百事なすべし」によると言われています。「菜根」すなわち、野菜の根は硬く筋が多いが、これをよく咬みうる者のみが、物の真の味を味わうことが出来る、ということを意味しています。
 
 また「菜根」は貧しい生活、暮らしをいうことから、貧苦に十分耐え得るもののみが人生百般の事業を達成できることも意味しています。『采根譚』が日本に紹介されたのは江戸時代中期、加賀前田藩の儒者、林瑜(はやしゆ)が紹介したのが初めとされています。いらいおびただしい数の復刻本が出版され、中国よりも、日本で広く愛読されてきました。実業・ビジネスの世界で活躍されている多くの人々に、心の指南書として親しまれてきました。時が移り人が変わっても、変わる事のない哲理を今に活かそうとしているからだと思っています。
 
 この『采根譚』は前集、後集合わせて357編からなり前集の222編は現実を生きる処世の智恵を説き、後集134編は心豊かな閉居の楽しみを語ったものが多いとされています。
 
 それでは、解説者・井原隆一氏のプロフィールをご紹介します。1910年埼玉県生まれ。14歳で埼玉銀行(現りそな銀行)に入行。18歳で夜間中学を卒業。父親の死亡に伴い20歳で莫大な借金を背負いながらも独力で完済。その間、並はずれた向学心から、独学で法律、経済、経営、哲学、歴史を修めた苦学力行の人。
 
 最年少で課長に抜擢され、日本ではじめてコンピュータオンライン化するなど、その先見性が広く注目され銀行の筆頭専務にまで上りつめました。60歳になって大赤字と労働紛争で危機に陥った会社の助っ人となり、40社に分社するなど、独自の再建策を打ち出し、数々の企業再建の名人として知られたといわれています。
 
         参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社
 
■■ 采 根 譚 (解説:井原隆一)  :  前集 八十五 ■■ 
 
     間中 (かんちゅう)に放過 (ほうか)せざる
 
【読み下し文】
 
 

 間中(かんちゅう)に放過(ほうか)せざれば、忙処(ぼうしょ)に受用(じゅよう)あり。

 静中(せいちゅう)に落空(らっくう)せざれば、動処(どうしょ)受用(じゅよう)あり。

 暗中(あんちゅう)に欺隠(ぎいん)せざれば、明処(めいしょ)に受用(じゅよう)あり。

 

 暇な時でも時間を無駄にしないようにしていれば、多忙になった時それが役に立つ。

 静かに休んでいる時でも心を緩めないようにすれば、活動するときに役立つ。

  人目につかないところでも良心に叛かないようにすれば、人前に出た時に役立つ。

 
 
【解説に出てくるキーワード
 

 石坂泰三(いしざか たいぞう)のプロフィルを掲げ、生き方を感じ取るよう促している。東京帝国大学卒。旧逓信省に入省後、第一生命社長に就任。東芝の取締役。1956年経団連第二代会長に就任。日本商工会議所会頭の藤山愛一郎とともに、当時の鳩山一郎首相に退陣を求め、経団連会長が「財界総理」と呼ばれるきっかけを作った。アラビア石油会長なども務めた。人格の修養を目指しながら学問を学んで得た教養の心髄を体得する様心得たいものである。

   参考文献 采根譚 (解説:井原隆一)  プレジデント社

【コメント】
 

 人の品性は包容力の大きさにあるとするなら、認識を深めていくことだという。

 自らの心に打ち勝つ、そして心をコントロールしてゆくことによって妨害に打ち勝ち人格を磨き、努力していればいつかどこかで何かの役にたつ、人生で成功する秘訣は、チャンスが来た時に準備が出来ているかどうかであって準備ができていれば必ずチャンスはまわってくるという。

 また壁にぶっかったら別の道を見つけて進むもよし。

 見渡せば、それまで気付かなかったいろいろな道が見つかる。

 迷い道には発見があり、回り道に出会いがある。

 多くの経験に加え学びながら視野を広げたり、資格をとったりして、次のチャンスに備える準備を怠らない事が結果に繋がるという事になります。

 なにごとも継続することによって、日頃研鑚したものが、やがて花開く事になります。

 諦めず人間本来の輝きを持っている人が真に立派な人物であり、穏やかな春風が冷たい氷を解かす様に、自然と改心してゆくことで人格の向上を図る事に繋がります。

 常に前向きの精神で尽力し続け、寛大で温かい心がすべてのものを成長させると信じます。

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 日本経営士協会は、ご存知かと思いますが、戦後復興期に当時の通産省や産業界の勧奨を受け、日本公認会計士協会と母体を同じくする、日本で最初にできた経営コンサルタント団体です。

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