■【信頼できる経営コンサルタントの選び方 10のポイント】11 まとめ
経営コンサルタントに依頼してみたいけど、「いくらくらいかかるのか?」「本当に効果があるのだろうか?」など、ご心配な経営者・管理職の皆様は多いかと思います。
何万人という中から、自社に最適な経営コンサルタントを見つけ出すことは至難の業です。経営コンサルタントを選定せざるを得ないときにどのようなポイントに重点をおいたらよいのでしょうか?独断と偏見でまとめてみました。
経営者・管理職向けですが、裏を返しますと、経営コンサルタントや士業の先生にも参考となると信じます。
■ まとめ
十数回にわたりまして、「信頼できる経営コンサルタントの選び方」につきましてお話してきました。
それらを振り返りながら、目と目的なアドバイスを記述したいと思います。
「社員研修慣れ」とか「経営コンサルタントずれ」という言葉があります。その罠に気をつけましょう。
経営革新に熱心な企業の多くは、一度は経営コンサルタントに依頼をしている経験がおありでしょう。
その多くが「経営コンサルタントを使ったけど、大して効果がなかった」とおっしゃいます。
既述の通り、残念ながらホンモノのプロに会うことができる確率が非常に低いことが原因であることが多いです。また、依頼をする経営者側に真贋判定に誤りがあることが多々あります。
経営コンサルタントを次々と変えている企業もあります。そのような企業の経営者と話をしますと、「いろいろなコンサルタントにあってきたので、コンサルタントの見分け方は非常に上手になった」とシャーシャーとして言っています。
そのような経営者に、いろいろと提案しますと、「先生、そんなことはどの企業でも常識でしょう」「そんなことは知っています」「そのようなことは過去にやってきました」「その方法は効果がないですね」という返事が返ってきます。
「では、なぜ御社は、今このような問題を抱えているのですか?」と質問を返しますと、きちんとした回答が返ってきません。
経営コンサルタントずれをしてしまって、経営コンサルタントに依頼するという意味がわからなくなってしまっているのです。
その結果、経営コンサルタントの提案がどのような意味を持つのかを理解できなくなっている可能性が高いのです。
同様なことが社員研修でも言えます。
社員研修に熱心な企業は、今までにいろいろなテーマで研修をやってきていますので、今までにやったことのないテーマで講師をできる人を見つけるのが難しくなるほどです。
どうでも良いようなテーマで研修をしても、経済学の基本である効用低減の法則といわれますように、効果が少なくなっているのです。これを社員研修の「麻薬性」と言います。
プロの経営コンサルタントは、「経営コンサルタント不要な企業作り」を目指します。
彼等は、コンサルティングをしながら、経営コンサルタントがいなくても自分達だけで継続し、効果が持続できるような仕組みを、風土として定着させていってくれるのです。
そこまで、依頼側の企業が、特に経営者自身が経営コンサルタントの使いこなしができていないことが原因であることが多いのです。
経営コンサルタントを使うことにより、下記のことを身につけることが肝要です。
1.経営コンサルタントを使いこなせる力
2.温かい管理を愚直に実施できる企業創り・仕組み創り
3.当たり前のことが当たり前にできる企業作り
そして、経営コンサルタントの苦言を取り入れられる経営者の度量と、自分が先頭に立って旗振りをする気概がなければ、経営コンサルタントを使いこなして、成果を上げることは困難でしょう。
経営コンサルタント選びのポイントは、その経営コンサルタントがこれまで何をやってきたかではなく、どのような考えでクライアント・顧問先と取り組む経営コンサルタントであるかなのです。
皆様方のますますのご発展とご健康を祈念します。
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