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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-59 PDCAを上手に回して効果を上げる

2023-06-05 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-59 PDCAを上手に回して効果を上げる

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-59 PDCAを上手に回して効果を上げる

 ISO9000を始めとした国際標準に、PDCAの考え方が含まれるほど、世界的に定着しているPDCAです。しかし、それを正しく用いませんと、せっかくの素晴らしい考え方でありましても効果を充分に発揮できません。
 PDCAという、ビジネスパーソンなら誰れもが知っている「あたり前」「常識」について、謙虚に考え直してみることも必要ではないでしょうか。

◇ 「P:計画(Plan)」
 いうまでもなく、PDCAの基本は、「ものさし主義に基づく目標の明確化」です。目標が明確でありませんと、「D:実行(Do)」以降が正しく進められているのかどうかわかりません。ものさしですから、間違えたものさしを作りますと、その後の作業も正確さを欠くことになります。
 まずは目標を明確化することが大切です。
 目標の設定が正しくできていなければ、その後続く行動を頑張っても成果につながりません。また、目標は達成可能であるもの、かつ具体的なものでなくてはなりません。
 「達成可能」という目標は、安易に達成できるようなものでは、成長しません。かといって、達成不可能な目標では、諦めが先行してしまい、意欲が湧きません。裏付けされた、キチンとした目標であれば、「苦労して立てた目標なので、頑張って、何とか達成しよう」という気になります。
 すなわち、目標というのは、努力すれば何とか達成できるほどの高いレベルに設定すべきなのです。いくら平等といいましても、メンバー全員が同じ目標を持つことは、けっして「公平」ではありません。経験や能力に応じて、個別目標が異なるのは「平等」に反することにはなりません。
 しかし、それには、高い目標、高い達成率等々、レベルや結果に応じた見返りがあることが前提でなければ「公平」とはいえません。

 目標は、具体的でなければなりません。5W1H(8W3H)に基づいて、立案しますと、具体性を持った目標になります。目標が具体的ですと、「D:実行(Do)」以降の行動も進めやすくなります。
 具体的という意味の中には、「細分化された具体性」という階層基づく具体性も不可欠です。下位目標を達成すれば、自ずと上位目標を達成するという階層になっていなければならないのです。すなわち「真の共通目標」になっていることが大前提です。
 目標が、絵に描いた餅にならないためには、全メンバーが「共通認識」されている必要があります。ところが、既述のように共通認識できているようでいて、認識にバラツキがあるのが現実です。
 報連相を双方向コミュニケーションで行うときに、共通目標を面前に置いて行うことにより、共通認識を促進できます。

◇ 「D:実行(Do)」
 共通目標・共通認識ができていますと、「共通行動」が行われるようになります。共通行動は、「蓄積は力」という言葉のように、ノウハウを蓄積していくことです。それが「設備」といわれる仕組みであることもお話しました。
 目標を達成するために、管理会計的な意識が全社員にありますと、行動の量も質も良質化します。すなわち蓄積されるノウハウの質も高まるのです。
 「D:実行(Do)」の段階では、「PDCA+s/a」が基本です。調整とリスケジューリングです。しかし、ここで、安易に「P:計画(Plan)」を変更しますと、Pがなってあるかの重要性に影響が出てきますので「s/a」は慎重に行う必要があるのです。

◇ 「C:チェック(check)」
 既述の通り「問題とは、計画と実績に差異があること」ですので、「ものさし」との比較が基本となります。その根底には、管理会計的思想が流れていなければなりません。
 管理会計により、Cが客観性を持って実施できます。定量的な評価だけではなく、定性的な評価も可能となります。
 「C:チェック(check)」で重要なことは、結果に至った経緯や原因の追及が不可欠です。思い込みや一方的な見方ではなく、大所高所からの確認が必要です。それには「ものさし」を活用することです。
 そして、今後、問題は再発しないように、成功事例は、さらに発展させるようにというステップを重視し、それを蓄積しますと、組織としての財産になります。困ったり、計画を立案したりするときに、その財産を活用できるようにするのです。

◇ 「A:対策(Action)」
 多くの企業で、原因追及までは行っても、それを実行に移すことをしない、「反省しっぱなし」という状態が続いています。
 「A:対策(Action)」も「5W1H(8W3H)」に基づいて行います。すなわちAは、Cとも密接に関係し、Pへも繋げていかなければならないのです。
 ただし、「P:計画(Plan)」が間違えていたり、不充分であったりして到達した結果である場合には、計画立案法に対する改善も必要となります。また、次の計画に、その反省を反映させることもしなければなりません。
 「P:計画(Plan)」だけではなく、「D:実行(Do)」が適切でなかったかもしれません。その場合には、行動マニュアルなどの修正も発生します。

 PDCAは、ものさし思考を始めいろいろな手法・考え方と連携して用いませんと、その効果を充分に発揮することができません。また、管理会計やそれに基づく予算実績管理などの仕組みや基幹業務システムなどとの連携も必要です。

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-58 PDCAにもマニュアルの正しい使い方を

2023-06-02 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-58 PDCAにもマニュアルの正しい使い方を

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-58 PDCAにもマニュアルの正しい使い方を

 PDCAについて記述してまいりましたが、最後に「マニュアル」について、付け加えておきます。
 マニュアルとは、「自社のノウハウを整理し、集大成した文書」です。従いまして、企業が成長するにつれて、マニュアルも成長してゆきます。
 一般的には、「わが社としては、最低限、ここまではできて欲しいということを伝える”ものさし”」ですので、それを100%実行し、実効を挙げられるようにする努力目標でもあります。

 しかし、「マニュアル人間になるな」という声を聞いた方も多いでしょう。
 「マニュアル通りやればよいのであって、それよりベターな方法があっても余計なことはせず、マニュアルに従って作業さえしていればそれでよいのだ」、「別のよい方法があって、それを試して失敗するよりは、マニュアル通りにやる方が出世できる」というような、お役所的な、型にはまった人間作りを推進してしまうようなマニュアルの使い方が蔓延してしまうことは問題です。これでは、従業員も企業も成長しません。

 「マニュアル人間になるな」というのは、マニュアルの効果やその価値を否定することではありません。「この様な手順で作業を進めれば、最低限要求される成果物を得ることができる」というのが、マニュアル本来の目的です。
 従いまして、上述とは矛盾するようですが、能力のある人であっても、マニュアル通り作業をするのが「原則」です。
 しかし、「マニュアルの成長が企業の成長の”ものさし”」ですので、マニュアル通りしていては、企業は成長しません。能力ある人やマニュアルの欠点や改善点に気がついた人は、マニュアルの改訂提案を積極的に行うべきです。
 ある企業では、マニュアル改定提案の効果予測をして、それに応じた報奨制度が適用されることにより、社員のモチベーションを高めています。

 一口に、「マニュアル」といいましても、いくつかの種類があります。
 一般的なマニュアルというのは、ここでは「作業手順書」といわれます。マニュアルのオーソドックスな使われ方で、初心者でもわかるように作業を進める手順を詳説したものです。
 「作業手順書」が、「作業従事者は、最低限度これだけは実行してください」ということを主目的としているのに対して、作業を進めるために、ヒントとなるような事項を中心に記述されているのが「作業者支援書」です。
 その代表的なものが「営業マニュアル」です。
 営業マニュアルは、営業活動の結果を基にして記述されます日報などをベースに蓄積したものです。過去の営業活動のノウハウがそこに蓄積されていますので、何か、判断に困ったり、新たな企画を立てたりするときのヒントを得ることができます。
 ここでご紹介しています「温かい管理」を推進しますのに、基本となることの一つが、双方向コミュニケーションです。双方向コミュニケーションを行うときには、管理職は、報告者とは別の視点で、アドバイスをしたり、指示・命令を出したりします。
 その時に、参考にするのが「管理職支援書」、すなわち管理職のためのマニュアルなのです。上述の「作業者支援書」と重複する部分が多いですので、そちらと兼用することもあります。
 本来は、作業者支援書や管理職支援書に記述したいのですが、自社の現状の実力から、その実施はまだ先のことと思われる事項を、いまから蓄積して行くことを目的としているのが「わが社の目指す”目標書”」というマニュアルです。
 新規事業を検討したり、次の経営戦略を立案したりするようなときのヒントとなることです。これらの多くは、日常の業務を通じて、報告書などに記述されていることからの転記でマニュアルの充実が図られます。

 「マニュアルを適切に活用できる企業は成長する」という言葉を覚えておいていただけますと幸いです。

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

ご購入は書店または下記よりamazonで

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E5%85%A5%E9%96%80%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C/dp/4798068896/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C&qid=1679879669&s=books&sr=1-4

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-57 PDCAの「A:対策(Action)」のマニュアルを活用

2023-05-31 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-57 PDCAの「A:対策(Action)」のマニュアルを活用

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-57 PDCAの「A:対策(Action)」のマニュアルを活用

 前項の営業パーソンは、「訪問件数は多いのですが、結果に結びついていない」という問題を抱えています。
 そこで、「トレーラーの生産性論」の分子であります「行動の量×行動の質」に着目します。
 すなわち、この営業パーソンは、「行動の量」は問題ないとみられますので、「行動の質」に問題があることが推測されます。
 行動の質を見るために、まずは、一社あたりの商談時間の長さを見てみましょう。訪問件数が多いと言うことは、時間は限られていますので、一社あたりに商談時間を長く取ることは困難です。
 彼の一社あたりに投じる商談時間が、極端に少ないことが想定されます。
 では、なぜ、一社あたりの商談時間が短いのでしょうか。
 商品知識や業界状況把握が貧弱で、顧客で何を、どのように話したら良いのかわかっていないのかもしれません。
 すなわち、商品や業界の知識を習得したり、商談技術の研修を受けたりして、営業技術を身に付けることが必要なことが多いですね。
 あるいは、訪問予定先顧客に即した販促資料作成などを事前に準備させ、それに基づいて商談を進めるようなスタイルに変更するのも効果的な方策かもしれません。タブレットなどを用いたアプローチブックを持つという方法も考えられます。
 原因がどこにあるのかにより、「A:対策(Action)」が異なりますので、「C:チェック(check)」の段階で、原因を究明する必要があるのです。
 そして、その対応策を明確にして、「P:計画(Plan)」に組み込むのです。

 この事例にありますように、企業や部門により「A:対策(Action)」の方法は異なりますので、これまでの事例集をノウハウ集として編纂しなおして、いつでも参照できるようにしておくことが、営業パーソンの能力を高め、それが引いては、その他の経営資源にもプラス効果をもたらし、経営品質の高い企業づくりに繋がるのです。

 PDCAという、ビジネスパーソンなら誰もが知っていると思われることでも、見方を変えますと、奥の深さにお気づきの方も多いのではないでしょうか。
 「あたり前」と思っていることでも、重考してみますと、自社の処々にかつようできることもお解りいただけたと思います。
 しかし、「やろう」と思うだけではなく、「実務に使い、使い続け、成果に繋げる」という基本行動を実践しなければ、知識として知っていても、身に付けられた営業力とはなりません。
 学んだことを、まねしながら、すなわち「まねびながら」、そのレベルを高めていただければ幸いです。

【 注 】
「重考」:考えを重ねる
「まねぶ」:「まねる+学ぶ」の合成語

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

ご購入は書店または下記よりamazonで

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E5%85%A5%E9%96%80%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C/dp/4798068896/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C&qid=1679879669&s=books&sr=1-4

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-56 PDCAの「A:対策(Action)」のあり方を見直す

2023-05-29 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-56 PDCAの「A:対策(Action)」のあり方を見直す

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-56 PDCAの「A:対策(Action)」のあり方を見直す

 既述のように、単発で終わる場合には、「A:対策(Action)」は、「C:チェック(check)」にもとづき、どの様な問題があり、それに対して対応策を打ちます。
 ところが、多くの企業では、それが次のPDCAに連続します。すなわち、「A:対策(Action)」は、「C:チェック(check)」をもとに、「P:計画(Plan)」に組み込まれますので、私どもでは、「A:対策(Action)」を独立して行うのではなく、CやPの一環として行うことを前提としています。

 前項でご紹介しましたように「C:チェック(check)」の段階で、システム連携してデータを加工しますと、それまであれば便利とわかっていながら、下項に手間がかかる情報を創り出すことができます。

 営業部門を例に考えてみましょう。
 SFAのシステムを利用できますと、販売管理システムや財務管理システムなどの基幹業務システムと連携しやすいですが、導入していないところも多いでしょう。
 導入していないところでは、営業日報など、報告書と、これらのシステムをリンクさせることにより、同様なことができます。
 システムを連携することにより、それまではできなかった、きめ細かな分析ができるようになります。
 たとえば、ある営業パーソンが、一か月にどのくらいの訪問件数実績があるか、それには、どのくらいの時間を費やしているのか、そのためにいくらの経費を上げ、いくらの利益を稼いでいるのかなど、営業パーソン管理上のデータは容易に出てきます。

 ある営業パーソンは、顧客訪問に熱心で、訪問件数もずば抜けて多いのですが、売上や受注などの実績に繋がっていません。
 「営業は足で稼ぐ」を地で行っているこの営業パーソンは、なぜ、営業成績が良くないのでしょうか。

 すでに「トレーラーの生産性論」で学びましたように、営業パーソンの活動と業績というのは、何らかの関連性があります。
 営業日報や基幹業務システムのデータをリンクして分析しますと、図にありますように、営業パーソンをいくつかのタイプに分けることができます。
 当該営業パーソンが、そのどこに当てはまるかにより、管理職の立場であればアドバイスの仕方が変わります。営業パーソン本人であれば、どこに問題があるのかを気づくことができます。
 この事例にあります営業パーソンは、訪問件数は多いのに受注や売上高が少ないのです。
 訪問件数が多いことは良いことですが、「トレーラーの生産性論」の分子を思い出して下さい。分子は「行動の量×行動の質」です。
 分子を大きくすることが生産性を高めることですので、行動の量が多い上に、さらに生産性を高めるためには、行動の質を高めなければなりません。

 

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

ご購入は書店または下記よりamazonで

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E5%85%A5%E9%96%80%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C/dp/4798068896/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C&qid=1679879669&s=books&sr=1-4

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-55 PDCAの「C:チェック(check)」で経営品質を高める

2023-05-27 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-55 PDCAの「C:チェック(check)」で経営品質を高める

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-55 PDCAの「C:チェック(check)」で経営品質を高める

 「C:チェック(check)」は、何のためにするかにつきましては、いまさらお話するまでもありません。
 経営は、経営資源というインプットにより、成果というアウトプットを産み出すことです。その経営資源は、無尽蔵に存在するのではなく、限られた存在です。その大切な資源を有効的に使うことが、経営効率が高いといえ、それをマルコム・ボルドリッジの「経営品質」と言います。
 業務が効率よく行われていれば、チェックをしなくても済むのですが、何もしなくてもスムーズに経営が行われることは奇蹟のようなものです。
 経営というのは、インプットに対するアウトプットの比率、すなわち投入資源に対して、成果が大きいことが好ましいことなのです。
 成果を高める方法に、「効率と効果」というアプローチがあります。
 「効率」とは、一定の成果を上げるために、投入する経営資源をできる限り抑えることで高めるというアプローチです。たとえば、「10億円の売上計画を達成するために、経費をできるだけ抑える」というような努力をすることが、「効率を高める」ことに繋がります。
 「効果」というのは、投入する経営資源は一定で、成果をできるだけ大きくするというアプローチです。「経費予算を増やすことができないので、決定された予算で、如何にしたら成果を高められるか」という、経営の努力方法が「効果を高める」ことに繋がるのです。

 この考えを、営業活動の効率という側面で捉えたのが「トレーラーの生産性論」です。
 受注や売上を上げるのに要する「時間」というファクターと、「行動の量」と「行動の質」というファクターの関連から、生産性の高低を判断しようという考えです。す
 なわち、分母をできる限り小さくして、高い数値結果を出すのか、分子をできる限り大きくするのかということを管理のあり方の指標と考えると言うことです。
 受注や売上までのリードタイムをできる限り短縮することで、営業の生産性を上げることができます。すなわち、リードタイムを短縮するためにどうするかという点に管理ウェイトをおく方法が考えられます。
 一方、「営業は足で稼ぐ」と昔から言われていますが、生産性を高めるには「行動量」を大きくすることで可能となります。
 また他方で、「営業には頭を使う」という言葉もあります。知恵と経験を活かして、「行動の質」を高めることにより、分子を大きくすることができます。

 このように、営業活動の品質を高める、重要なファクターを凝集したのが、トレーラーの生産性論なのです。経営品質も、いろいろな指標を診ることで判断でき、品質を高める方策を模索することも必要なのです。

 それでは、それをどのようにして行うのかを考えてみましょう。
 その基本は、管理会計的な発想の導入で、その実施も、管理会計に用います基幹業務システムや付帯しますシステムを、有機的に組み合わせて、データを、いろいろな角度から見て、現場に落とし込むことです。

【 注 】 PDCA詳細情報

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-54 報告書の目的・効果を明確にすると経営の質が高まる

2023-05-25 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-54 報告書の目的・効果を明確にすると経営の質が高まる

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-54 報告書の目的・効果を明確にすると経営の質が高まる

 報連相は、計画書をベースに行うことにより、何を双方向コミュニケーションすべきかが見えてきます。
 既述の通り、営業設備を面前に置いて双方向コミュニケーションするときに、「P:計画(Plan)」を立てたときはどうであったのか、それの「D:実行(Do)」は、計画通り進んだのか等々が具体的に見えますので、コミュニケーションの内容も濃くなります。
  計画と実績の差を確認
  計画と実績の差を分析
  計画と実績の差を埋める対策
  事実・コミュニケーション内容・対策の蓄積
  対策の蓄積をマニュアル化して共用できるようにする

 また、営業設備を効果的に活用するには、営業日報の目的を共通認識するだけではなく、営業日報を利用するメリットも全社員に徹底する必要があります。
    ① OJTの教材として利用できる
    ② ノウハウの蓄積の好材料を得る
    ③ 部下の見えない部分、聞きづらい声を知ることができる
    ④ 記録性から、時系列事実の備忘録となる
    ⑤ 上司と部下のコミュニケーションのきっかけとなる
    ⑥ 関連部門に生の声を届けることができる

 報連相を的確に行うことにより、多くの問題も解決して行きます。
 「問題とは、計画と実積の差異である」という名言があります。
 計画と実績に乖離があることを明確にすることにより、それを解決しようと頑張り度をあげるきっかけとなります。これがPDCAの「C」であり、管理会計を利用するメリットの一つです。差異があることで、計画通りに進捗していないという警告を得られるのです。
 予算実績管理というのは、その面では効果がありますが、これをカバーするのが、おおおうにして「頑張り」なのです。
 単なる「頑張り」という意識だけではなく、経営管理の仕組み的な活用法として、管理会計では、「受注ヒット率管理」という管理法があります。
 受注目標とその達成率の比率で、管理する方法です。詳細は、当該項をご参照くださることにし、この指標のように、営業の質をチェックして、営業力を高めるという気づきの指標もあります。

 

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-53 PDCAの「C:チェック(check)」に報告書を活用

2023-05-23 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-53 PDCAの「C:チェック(check)」に報告書を活用

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-53 PDCAの「C:チェック(check)」に報告書を活用

 報連相のポイントは、文書と口頭という双方向コミュニケーションが基本です。それだけではなく、報告内容が薄っぺらであっては効果が薄いです。
 それには、報告書の重要性を全員が共通認識していなければなりません。報告の内容は、自社のノウハウとして蓄積し、それが会社の財産になるのです。ここでは、営業日報を基本に考えてみましょう。
 営業日報は、書く側も読む側も、得てして日報の目的を理解できていません。
 書く側は、「営業活動だけでも大変なのに、報告書作成などと、自分のあまり得意でないことを”やらされ”、時間の無駄だ」という、やらされ意識があります。
 報告を受ける側も、「時間通りに帰社せず、多数の部下の報告を受けなければならず、やってられない」と義務感で報告を受けています。
 「日報は、営業パーソンの行動を監視するための道具である」という意識が、管理職にも営業パーソンにもありますと、日報が活かされません。
 「商談進捗の報告・記録」というのは、それを時系列的に見て行きますと、なぜ受注できたのか、なぜ、ライバルに商談をとられてしまったのか、等々、結果とその原因が明確になり、その対策としてどうすべきであったのかというような記録となります。
 その記録を整理し、分析しますと、そこに自社の営業スタイルの形も見え、そこに長所や短所を見出すことができるのです。それを将来に活かすようにします。
 また、自分が抱えている案件を、どのように進めたら良いのか、蓄積された「共用智」を紐解きますと、そこにヒントを見出すことができるかもしれません。すなわちノウハウを共用智として、皆で利用できるのです。

 「行動の報告・記録」という側面から見ますと、営業パーソンとしては、「見張られている」というマイナスのイメージが強いです。
 行動の結果を分析しますと、ある人は、移動時間が長すぎたり、ある人は商談件数が少なかったり、ある人は訪問先に偏りがありすぎたり、ある人は一つの顧客あたりの商談時間が短すぎたりと、さまざまなことがわかってきます。
 営業パーソンが、自分の行動分析により、営業活動のあり方におけます問題点に気づきを与えてくれるのです。
 それらの分析結果に基づき、対応策を打ちますと、営業効率があがり、結果的には営業パーソンにも、管理職にもプラスとなり、企業も成長して行くのです。

 営業日報の三番目の目的として「市場情報の報告・記録」という面があります。これは、営業活動のあり方へのヒントとなるだけではなく、新商品開発や市場開拓などにもヒントを与えることができるのです。
 すなわち、営業日報は、営業部門だけにものではなく、全社の情報源でもあるのです。

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-52 PDCAの「C:チェック(check)」の基本は報連相

2023-05-19 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-52 PDCAの「C:チェック(check)」の基本は報連相

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-52 PDCAの「C:チェック(check)」の基本は報連相

 「C:チェック(check)」の基本は、「P:計画(Plan)」と「D:実行(Do)」およびそこから生じます「結果」との乖離を確認し、それを実務に活かすこと、すなわち「進捗管理」がポイントの一つです。

 進捗管理の基本は、双方向コミュニケーションによる「報連相」で、その定期的な実施が、成果や成長に繋がります。
 進捗管理は、管理職が部下の尻をたたくための仕組みではありません。数値だけの乖離(これを問題解決手法では「問題」といっています)を重視しすぎますと、部下の締め付けや叱責など、マイナス思考に走りがちです。
 計画と実行・実績との乖離は、定量的なものだけではなく、定性的な面も重要です。
 これを活かすには、口頭あるいは文書のいずれだけの報告ではなく、口頭の報告も併用することです。これは一見しますと冗長なように見えますが、慣れてきますと要領も良くなり、冗長的な面も薄れ、効果の大きさがそれに勝ることがわかります。
 これによる進捗管理を効果的に実施するための基本は、報告書だけではなく、経営理念などの上位概念書、計画書等を面前に置いた双方向コミュニケーションによる報連相が基本です。
 報連相をPDCA(PDCA+s/a)に基づき行い、進捗管理をすることにより、計画と実積との差異を関係者に意識させ、差異をなくす方向でアドバイスをするなり、関係者に考えさせたりします。


 「P:計画(Plan)」は、5W1H(8W3H)の視点で作成することが基本であるとお話しましたが、「C:チェック(check)」も、その視点で行いますと、問題点や課題を見出しやすいです。
 報連相は、管理設備の全てを閲覧しながら行うのが基本です。
 時には、部下の行動の、どの部分が問題だったのかを、たとえば、経営理念のこの部分に即していませんと、文書上の経営理念を示しながら行いますと、改めて経営理念を意識させることにもなります。
 また、営業パーソンが、商談報告をするときに、顧客台帳の当該する事項を示しながら、上司に報告しますと、上司は顧客の詳細までは知りませんので、その情報を商談報告に加味して、管理職の視点からアドバイスを出すこともできます。
 報連相も、口頭や報告書だけではなく、設備を利用して行いますと、俯瞰的に全体を見ることができ、統合的に行うことができるのです。
 双方向コミュニケーションの基本として、「固有名詞と数値」で語るように心がけ、他の意味にとられるような言葉や代名詞は極力さけます。報告者と受ける側が異なった意味合いで認識するようなコミュニケーションは、弊害が大きいです。報連相も「共通認識」が重要なのです。
 口頭報告時の双方向コミュニケーション内容を、報告書に追記し、次回の報連相時に、その結果を確認することも重要です。
 これらのやりとりの記録が、ノウハウに昇華できるように蓄積していくことが肝要です。

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

ご購入は書店または下記よりamazonで

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E5%85%A5%E9%96%80%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C/dp/4798068896/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C&qid=1679879669&s=books&sr=1-4

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-51 PDCAの「D:実行(Do)」 自己流弊害への気づき

2023-05-17 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-51 PDCAの「D:実行(Do)」 自己流弊害への気づき

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-51 PDCAの「D:実行(Do)」 自己流弊害への気づき

 営業パーソンに限らず、ビジネスパーソンは、制約はありますが、時間の使い方には自由裁量的な面が結構あります。既述の通り、営業パーソンは、その自由裁量が大きいだけに、自己管理が強く求められるのです。
 一方で、管理職の目が届きにくく、OJTがされにくい状況ですので、管理職は、ときどき、担当者と同行して顧客廻りをすることも必要です。

 「D:実行(Do)」は、個性が最も表れる部分です。個性が、時には独りよがりになり、自己流に陥る傾向があります。それに気づきを与えてくれるのが、マニュアルを始めとした各種の業務用のツールです。
 営業部門でいいますと商談ツール・アプローチブックなどやその利用マニュアルがあります。ベテランになりますと、それらが邪魔になることもありますが、ベテランこそが自己流のために充分に力を発揮できないということもあります。
 ツールは、How To を教えたり、やり方を支援してくれたりするだけではなく、気づきも与えてくれるものでもあります。

 管理サイクルの中で、重視すべきは一か月という単位であることは別項でお話しました。
 月度のPDCAの「D:実行(Do)」の部分では、「PDCA+s/a」の必要性がしばしば発生します。すなわち、計画通り進めようとしても、突発事項の発生でスケジュールの変更や調整が余儀なくされるのです。
 それにより、本来進もうとする道から外れて、そればかりが気になり、当該月の売上や受注目標などがおろそかになってしまうこともあるでしょう。
 「D:実行(Do)」は、「P:計画(Plan)」を確実にこなしていくための最前線の活動といえます。一か月の間に突発事項が発生してスケジュールが乱れても、月度目標値を達成するのがプロです。しかし、プロといいましても、そう簡単に突発事項を対処しきれるわけではありません。
 対処するためには、「ゆとり」が必要です。ゆとりといいましても、「P:計画(Plan)」を緩め、甘くするというのでは、プロ失格です。
 一か月間という区切りの中で、自分の活動にゆとりを自分自身で作るのが一つの方法です。ゆとりを作るための方策の一つが「前半主義」です。
 前半主義というのは、期間の中間、月次の行動であれば月の前半で、売上計画などの数値目標の90%くらいを達成しておくのです。そして、月の後半は、次月やそれ以降のための活動に時間を割くようにします。
 これができますと、次月も前半で目標値の90%を達成することも可能ですし、新規顧客開拓でベース売上を上げることも可能になってきます。市場調査で新商品開拓の提案もできるようになります。
 管理職であれば、部下の育成や自己啓発にも時間を割けるようになるのです。時間といいますのは、万人に同じように平等に与えられていますが、工夫次第で、時間を創出することができるのです。

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

ご購入は書店または下記よりamazonで

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-50 PDCAの「D:実行(Do)」 自己管理の重要性

2023-05-16 13:54:48 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-50 PDCAの「D:実行(Do)」 自己管理の重要性

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法 

 これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。

 そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。

 「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」
 「もう、PDCAは古い!」

 このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。

 多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。

 一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。

 正しいPDCAとは何か?
 正しいPDCAの使い方とは?

 謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。

■ 3-50 PDCAの「D:実行(Do)」 自己管理の重要性

 温かい管理の「P:計画(Plan)」についてみてきました。それに基づいて、どの様に「D:実行(Do)」を進めてゆくのかについて見て行きましょう。

 PDCAの「D:実行(Do)」は、上位概念のPDCAのDにあたるPDCAの中の「D:実行(Do)」であることは、「伸縮PDCA」の項でご紹介しています。
 「D:実行(Do)」は、「共通目標・共通認識」を意識して立案されました月度計画書に基づいて、「共通行動」を起こすことです。
 営業パーソンの場合には、他の社員と異なる点が「自由裁量」による、管理職のいない場での活動が中心です。すなわち、自己管理が重視されるわけです。
 それだけに、「P:計画(Plan)」は重要で、管理職や関係者との事前打ち合わせや準備が重要なのです。その「P:計画(Plan)」に基づいて、行動をするのですが、顧客を相手にしたり、交通事情など、外的要因も絡んで来て予定通りはかどらなかったりして、微調整が必要です。
 別項でご紹介していますように、「PDCA+s/a」の考え方を取り入れて、「D:実行(Do)」の途中で微調整を計ることになるのです。

 多くのビジネス・パーソンの仕事は非定型な業務ですが、マクロ的に見ますと定型的な行動様式になっていることが多いです。それを定型化して、「行動基準」という形でルール化しますと、「D:実行(Do)」の効率が上がります。とりわけ、経験の浅い人には効果的です。
 ある会社の例ですが、
  ◇ 始業15分前には着席し、顧客からの電話対応ができるようにする
  ◇ 緊急性の高いメールの対応をする
  ◇ 訪問予定先を、共通の「行動予定表」に記入する
  ◇ 訪問予定先別に、必要な準備ができているかどうかを確認する
  ◇ 小物を含め、必要な持ち物が揃っているかどうかを確認する
  ◇ 9時15分には、訪問先に向かって出発する
というようになっています。
 一見しますと新入社員向けの教科書のようですが、特別なことがない限り、ダラダラと社内で作業をしている営業パーソンは、この企業では皆無になりました。ちなみに、この企業では「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを基本行動規範の中で謳っています。

【 注 】 PDCA詳細情報

「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。

ご購入は書店または下記よりamazonで

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E5%85%A5%E9%96%80%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%9C%80%E6%96%B0%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E6%9C%AC-%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C/dp/4798068896/ref=sr_1_4?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%BF%A1%E8%A1%8C&qid=1679879669&s=books&sr=1-4

 

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