コンサルタントバンク コンサルタント(プロ・希望者)+ 士業の異業種交流会

コンサルタントバンクは、コンサルタントや士業の先生方の異業種交流会で、無料で登録できる組織です。関連情報をお届けします。

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 5章 ビジネスパーソンの論理思考法

2023-07-31 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<ビジネスパーソン>

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 5章 ビジネスパーソンの論理思考法

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 ビジネスパーソンも、“真”のプロでなければ勝ち残りは愚か、生き残りもできません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 経営に王道なし

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 3部 【あたりまえ経営のすすめ ビジネスパーソン編】 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。

 将来社会を担うビジネスパーソンのためのテーマでもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。この論理を「痛感できる」ビジネスパーソンでなければなりません。

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思いますが、そのヒントとして、一助になるように、半世紀にわたる経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 ビジネスパーソンは、常に「管理とは何か」を知り、自己管理ができなければなりません。ただしい「管理」を理解し、実践する❷は、「温かい管理」とは何かを正しく理解しなければ、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、ビジネスパーソンなら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、莫迦にしないで、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 士業・コンサルタントなど専門業とする先生方は、それを自分のものにし、現場では自分の体から出るオーラのごとく、相手に「感じさせる」ことができるようにして下さい。

■ 第3部5章 ビジネスパーソンの論理思考法

 「日本人は、理屈に弱く、外交でも外国に押し切られてしまうことが多い」とお考えの人が多いと思います。
 グローバル経済下においては、そのようなことを言っていられません。
 論理思考を鍛える必要がありますが、その方法が解らないでいる人が多いでしょう。

 論理思考を身に付ける方法は、いろいろとあります。それぞれ一長一短ががありますが、私がお薦めするのは「ロジカル・シンキング」です。
 ロジカル・シンキングは、論理思考を学ぶための方法であるとともに、論理思考をするためのスキルでもあるからです。

 手前味噌になりますが、本シリーズの第6部の論理思考体得法の連載をご覧下さると幸いです。
  【心 de 経営】 あたりまえ経営のすすめ6 思考法
   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/c6fd6770e8216d5d582d0f1f467ee661

 

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【経営コンサルタントのお勧め図書】ファクトでPESTチェック 高橋洋一2023年版 2307

2023-07-25 12:03:00 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

本  【経営コンサルタントのお勧め図書】ファクトでPESTチェック 高橋洋一2023年版 2307

 

経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

 

 【経営コンサルタントの本棚】は、2012年に、経営コンサルタントがどのような書籍を読んでいるのか知りたいという、ブログ読者の声を反映して企画いたしました。

 幸い、日本で最初に創設された経営コンサルタント団体である日本経営士協会には優秀な経営士・コンサルタントがいらっしゃるので、その中のお一人である酒井闊先生にお声をかけましたところ、ご協力いただけることになりました。

 それが、今日まで継続されていますので、10年余もの長きにわたって、皆様にお届けできていることに誇りを持っています。

 

本

■    今日のおすすめ

『高橋洋一のファクトチェック2023年版』

                    (高橋洋一著 ワック文庫)

 

 

本

 

■    You Tubeチャネルが、書籍に(はじめに)
 

 紹介本は、You Tubeの「高橋洋一チャネル」の2021年から2023年3月までに配信した中から、40テーマにポイントを絞り、国内経済、国内政治、国際経済、国際政治の四つのジャンルに編成・編集し、書籍にしたものです。
 最近は音声認識を簡単かつ安価に、文字起しを出来る時代になりました。DX時代・SNS時代を象徴する書籍と言えます。
 この書籍の面白いところは、執筆のような文章ではなく、ナラティブな文章であることです。加えて、40テーマが232ページでナラティブされており、1テーマ当り5.8ページで簡潔に語られています。ちょっと一休みし乍ら、PESTのP(政治)とE(経済)のポイントを読み取ることが出来る“コラム”と言えます。
 それでは次項で「ちょっと一休みし乍らの『PEコラム』」の幾つかをご紹介しましょう。
本
■    ちょっと一休みし乍ら「P(政治)E(経済)コラム」をどうぞ

 

【実は日本は黒字なのに赤字に見せたい財務省―国債の仕組みから解説―】
 著者が言う「日本の財政は黒字」を数字で追ってみましょう。著者は国債の仕組みから黒字と説明します。日本国債の残高は1000兆円〈1079。以下〈〉は実数〉、、その内500兆円〈526〉は日銀が保有、残りの500兆円〈553〉は民間が保有する前提で説明します。
 その上で、日銀の保有分について、政府の支払い金利は、日銀から入る収入で支払うのでチャラ。民間の保有分についての金利支払いは、政府が保有する600兆円〈606〉の金融資産などの収入でカバーできるとします。
 加えて、返済・借換については、日銀保有分については借換債を渡すだけで良いし、また、民間分については政府保有金融資産などの処分で、何時でも返済できる状態の中で、借換できるので全く問題ないとします。(〈〉の実数は、令和5年3月財務省主計局「令和3年度『国の財務書類』のポイント」より引用)
 以上収支の面から黒字であることを見てきましたが、連結B/Sの面で見てみましょう。最新の連結B/Sを示す「令和3年度『国の財務書類』」によると、▲571兆円の資産・負債差額です。つまり純資産が赤字だと言っているのです。ここが「赤字に見せたい財務省」のキー数値です。しかし、著者によれば、政府純資産は黒字と主張します。この点についてのIMFの報告を見てみましょう。
 IMFの「Managing Public Wealth oct 2018」(公的機関のバランスシート:対GDP比 2016年)です。〔図1〕を参照ください。

 

図1 拡大(pdf)

 

IMF基準では、中央銀行の国債保有残高は、連結では相殺されるのです。IMF基準では、日本の純資産の赤字は3兆円。G7の中で、日本はカナダに次いで財政状態が良いのです(イタリアの日本以下は別途確認)。
 この点について著者は、外為特別会計の含み益23兆円や埋蔵金を加味すれば純資産はトントンないしはプラスとし、財務省の、赤字を強調し実態を明らかにしない姿勢に疑問を投げかけています。
 

【アベノミクス潰えて失われた20年がやってくる】
 日本の金融政策は、金融緩和を行うとインフレ率が上がり失業率が下がる「フィリップス曲線」理論と、インフレ率を上げても失業率が下がらない失業率の最低ラインNAIRU(自然失業率=完全雇用下における理論的失業率;〈注2〉)の考え方が背景にあります。現在は、安定的な経済成長と雇用状況(失業率と実質賃金)を目標に、NAIRUを2.5%、NAIRUを実現する安定的目標インフレ率を2%として金融緩和を継続しています。〈注2〉
 直近の、インフレ率(消費者物価とGDPデフレーター)、失業率、実質賃金について見てみましょう。2023年4月の消費者物価の前年比は、コアコア(除く生鮮食品・エネルギー)で+4.1%です。失業率は、2022年通年は2.6%、2023年1月は2.4%、2月2.6%、3月2.8%、4月2.6%です。実質賃金の前年比は、2022年▲1.0、2023年1月▲4.1%、2月▲2.9%、3月▲2.3%です。12か月連続のマイナスです。GDPデフレーターの前年比は、2022年は+0.2%、2023年1~3月期は+2.0%です。(GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP:GDPに計上される全ての財・サービスを含むため、消費者物価指数よりも包括的な物価指標と言えます。)
 著者は今の状況について次の様に説明しています。「見かけ上はインフレ目標を達成したように見えるけれど、GDPデフレーターで見ると達成していませんから、こういう時には積極財政と金融緩和が必要ですよ」「インフレ目標のターゲットに到達していないのに増税なんかすると、もう1回、失われた20年が来るかもしれない。」
 今後の金融政策の動向には、実質賃金のプラス圏での安定的な伸びとGDPデフレーターに注目したいですね。
 

【ようやく30年前に戻れたのに、円安の何が悪い?】
 著者は日経新聞の「悪い円安論」を次のように解説します。「日経新聞は円安だ!大変だ!と騒いでいた。・・日経がなぜこのようなスタンスをとるのか。それは、厳しい資本規制により、下手をすれば撤退と引き換えに工場からインフラからすべて取り上げられる中国をこれまでずっと押してきた。・・だから円安が悪い悪いと言わざるを得ないんだ。」
 一方、日経新聞は「消えた『悪い円安』、株高との好循環が再び」(2023.5.22日経朝刊)と題し、「2023年1月には、輸出物価が輸入物価を上回り、5月には株価も上昇し、『悪い円安』が消え、好循環がやってきた」とする記事で、辻褄を合わせています。
 最初から「円安の何が悪い」と言っていたのが著者です。著者は経済学と世界のファクトから、通貨安は「近隣窮乏化政策」と、次のように解説します。「通貨安は海外から文句が来ることはあっても、国内から止めることは国益に反する。これは国際機関での経済分析からも知られている。ざっくり言えば、10%の円安でGDPは1%程度高まる。その結果、税収増も望めるので、円安は抑えてはいけない。」(2022.9.8 J-castニュース 著者執筆より)
 間違ったマスコミや世論には左右されず、ファクトに基づく政策が遂行されることを期待したいですね。
 

【環境運動家のグレタちゃんは真っ赤な女の子】
 著者は次の様に語ります。「グレタさんは共産主義に転向したのかって言う人がいるけれど、・・もともとそうだったのが判りますよ。だって世界最大のCO₂排出国・中国のこと何も言わないじゃない。」
 この延長で著者は、環境問題に係る多くの学者・活動家の歴史を語ります。「それは30年前のソ連邦の崩壊に遡ります。ソビエト連邦が崩壊して共産主義の研究が出来なくなり、何をしようかと、かなりの人が環境問題に移ってきたのです。環境問題の延長線上にあるのが、環境問題にビジネス風味を付けたのがSDGsです。環境問題と共産主義の親和性は高いんですよ」と。
 環境問題、SDGsに於いて、資本主義・経済成長にマイナスとなる、原理主義的な側面のあることに注意したいですね。
本

■    知って得する「PEコラム」(むすび)
 一休みし乍らのコラムの散歩は如何でしたか。これからの政治・経済の行方を見るときの参考になるファクトチェックだったのではないでしょうか。
 

本

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。
 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

  http://sakai-gm.jp/index.html

 

 

【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

本

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック

 経営コンサルタントを目指す人の多くが見るというサイトです。経営コンサルタント歴半世紀の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【経営コンサルタントのお勧め図書】ファクトでPESTチェック 高橋洋一2023年版 2307

2023-07-25 08:16:00 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

本  【経営コンサルタントのお勧め図書】ファクトでPESTチェック 高橋洋一2023年版 2307

 

経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

 

 【経営コンサルタントの本棚】は、2012年に、経営コンサルタントがどのような書籍を読んでいるのか知りたいという、ブログ読者の声を反映して企画いたしました。

 幸い、日本で最初に創設された経営コンサルタント団体である日本経営士協会には優秀な経営士・コンサルタントがいらっしゃるので、その中のお一人である酒井闊先生にお声をかけましたところ、ご協力いただけることになりました。

 それが、今日まで継続されていますので、10年余もの長きにわたって、皆様にお届けできていることに誇りを持っています。

 

本

■    今日のおすすめ

『高橋洋一のファクトチェック2023年版』

                    (高橋洋一著 ワック文庫)

 

 

本

 

■    You Tubeチャネルが、書籍に(はじめに)
 

 紹介本は、You Tubeの「高橋洋一チャネル」の2021年から2023年3月までに配信した中から、40テーマにポイントを絞り、国内経済、国内政治、国際経済、国際政治の四つのジャンルに編成・編集し、書籍にしたものです。
 最近は音声認識を簡単かつ安価に、文字起しを出来る時代になりました。DX時代・SNS時代を象徴する書籍と言えます。
 この書籍の面白いところは、執筆のような文章ではなく、ナラティブな文章であることです。加えて、40テーマが232ページでナラティブされており、1テーマ当り5.8ページで簡潔に語られています。ちょっと一休みし乍ら、PESTのP(政治)とE(経済)のポイントを読み取ることが出来る“コラム”と言えます。
 それでは次項で「ちょっと一休みし乍らの『PEコラム』」の幾つかをご紹介しましょう。
本
■    ちょっと一休みし乍ら「P(政治)E(経済)コラム」をどうぞ

 

【実は日本は黒字なのに赤字に見せたい財務省―国債の仕組みから解説―】
 著者が言う「日本の財政は黒字」を数字で追ってみましょう。著者は国債の仕組みから黒字と説明します。日本国債の残高は1000兆円〈1079。以下〈〉は実数〉、、その内500兆円〈526〉は日銀が保有、残りの500兆円〈553〉は民間が保有する前提で説明します。
 その上で、日銀の保有分について、政府の支払い金利は、日銀から入る収入で支払うのでチャラ。民間の保有分についての金利支払いは、政府が保有する600兆円〈606〉の金融資産などの収入でカバーできるとします。
 加えて、返済・借換については、日銀保有分については借換債を渡すだけで良いし、また、民間分については政府保有金融資産などの処分で、何時でも返済できる状態の中で、借換できるので全く問題ないとします。(〈〉の実数は、令和5年3月財務省主計局「令和3年度『国の財務書類』のポイント」より引用)
 以上収支の面から黒字であることを見てきましたが、連結B/Sの面で見てみましょう。最新の連結B/Sを示す「令和3年度『国の財務書類』」によると、▲571兆円の資産・負債差額です。つまり純資産が赤字だと言っているのです。ここが「赤字に見せたい財務省」のキー数値です。しかし、著者によれば、政府純資産は黒字と主張します。この点についてのIMFの報告を見てみましょう。
 IMFの「Managing Public Wealth oct 2018」(公的機関のバランスシート:対GDP比 2016年)です。〔図1〕を参照ください。

 

図1 拡大(pdf)

 

IMF基準では、中央銀行の国債保有残高は、連結では相殺されるのです。IMF基準では、日本の純資産の赤字は3兆円。G7の中で、日本はカナダに次いで財政状態が良いのです(イタリアの日本以下は別途確認)。
 この点について著者は、外為特別会計の含み益23兆円や埋蔵金を加味すれば純資産はトントンないしはプラスとし、財務省の、赤字を強調し実態を明らかにしない姿勢に疑問を投げかけています。
 

【アベノミクス潰えて失われた20年がやってくる】
 日本の金融政策は、金融緩和を行うとインフレ率が上がり失業率が下がる「フィリップス曲線」理論と、インフレ率を上げても失業率が下がらない失業率の最低ラインNAIRU(自然失業率=完全雇用下における理論的失業率;〈注2〉)の考え方が背景にあります。現在は、安定的な経済成長と雇用状況(失業率と実質賃金)を目標に、NAIRUを2.5%、NAIRUを実現する安定的目標インフレ率を2%として金融緩和を継続しています。〈注2〉
 直近の、インフレ率(消費者物価とGDPデフレーター)、失業率、実質賃金について見てみましょう。2023年4月の消費者物価の前年比は、コアコア(除く生鮮食品・エネルギー)で+4.1%です。失業率は、2022年通年は2.6%、2023年1月は2.4%、2月2.6%、3月2.8%、4月2.6%です。実質賃金の前年比は、2022年▲1.0、2023年1月▲4.1%、2月▲2.9%、3月▲2.3%です。12か月連続のマイナスです。GDPデフレーターの前年比は、2022年は+0.2%、2023年1~3月期は+2.0%です。(GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP:GDPに計上される全ての財・サービスを含むため、消費者物価指数よりも包括的な物価指標と言えます。)
 著者は今の状況について次の様に説明しています。「見かけ上はインフレ目標を達成したように見えるけれど、GDPデフレーターで見ると達成していませんから、こういう時には積極財政と金融緩和が必要ですよ」「インフレ目標のターゲットに到達していないのに増税なんかすると、もう1回、失われた20年が来るかもしれない。」
 今後の金融政策の動向には、実質賃金のプラス圏での安定的な伸びとGDPデフレーターに注目したいですね。
 

【ようやく30年前に戻れたのに、円安の何が悪い?】
 著者は日経新聞の「悪い円安論」を次のように解説します。「日経新聞は円安だ!大変だ!と騒いでいた。・・日経がなぜこのようなスタンスをとるのか。それは、厳しい資本規制により、下手をすれば撤退と引き換えに工場からインフラからすべて取り上げられる中国をこれまでずっと押してきた。・・だから円安が悪い悪いと言わざるを得ないんだ。」
 一方、日経新聞は「消えた『悪い円安』、株高との好循環が再び」(2023.5.22日経朝刊)と題し、「2023年1月には、輸出物価が輸入物価を上回り、5月には株価も上昇し、『悪い円安』が消え、好循環がやってきた」とする記事で、辻褄を合わせています。
 最初から「円安の何が悪い」と言っていたのが著者です。著者は経済学と世界のファクトから、通貨安は「近隣窮乏化政策」と、次のように解説します。「通貨安は海外から文句が来ることはあっても、国内から止めることは国益に反する。これは国際機関での経済分析からも知られている。ざっくり言えば、10%の円安でGDPは1%程度高まる。その結果、税収増も望めるので、円安は抑えてはいけない。」(2022.9.8 J-castニュース 著者執筆より)
 間違ったマスコミや世論には左右されず、ファクトに基づく政策が遂行されることを期待したいですね。
 

【環境運動家のグレタちゃんは真っ赤な女の子】
 著者は次の様に語ります。「グレタさんは共産主義に転向したのかって言う人がいるけれど、・・もともとそうだったのが判りますよ。だって世界最大のCO₂排出国・中国のこと何も言わないじゃない。」
 この延長で著者は、環境問題に係る多くの学者・活動家の歴史を語ります。「それは30年前のソ連邦の崩壊に遡ります。ソビエト連邦が崩壊して共産主義の研究が出来なくなり、何をしようかと、かなりの人が環境問題に移ってきたのです。環境問題の延長線上にあるのが、環境問題にビジネス風味を付けたのがSDGsです。環境問題と共産主義の親和性は高いんですよ」と。
 環境問題、SDGsに於いて、資本主義・経済成長にマイナスとなる、原理主義的な側面のあることに注意したいですね。
本

■    知って得する「PEコラム」(むすび)
 一休みし乍らのコラムの散歩は如何でしたか。これからの政治・経済の行方を見るときの参考になるファクトチェックだったのではないでしょうか。
 

本

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。
 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

  http://sakai-gm.jp/index.html

 

 

【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

本

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック

 経営コンサルタントを目指す人の多くが見るというサイトです。経営コンサルタント歴半世紀の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 06 現場百遍、ウラを取れ やり方を間違えていませんか?

2023-07-24 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<ビジネスパーソン>

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 06 現場百遍、ウラを取れ やり方を間違えていませんか?

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 ビジネスパーソンも、“真”のプロでなければ勝ち残りは愚か、生き残りもできません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 経営に王道なし

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 3部 【あたりまえ経営のすすめ ビジネスパーソン編】 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。

 将来社会を担うビジネスパーソンのためのテーマでもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。この論理を「痛感できる」ビジネスパーソンでなければなりません。

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思いますが、そのヒントとして、一助になるように、半世紀にわたる経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 ビジネスパーソンは、常に「管理とは何か」を知り、自己管理ができなければなりません。ただしい「管理」を理解し、実践する❷は、「温かい管理」とは何かを正しく理解しなければ、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、ビジネスパーソンなら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、莫迦にしないで、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 士業・コンサルタントなど専門業とする先生方は、それを自分のものにし、現場では自分の体から出るオーラのごとく、相手に「感じさせる」ことができるようにして下さい。

■ 第3部1章 ビジネスパーソンとして成功する術

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

■ 3-1-06 現場百遍、ウラを取れ やり方を間違えていませんか?

 ある人から、「社内に嘘つきがいる」ので、どの様に対処したら良いのかという相談を受けました。

 私は、平素から「人間は失敗をしないと成長しません。失敗しながら成長しよう」ということを言っています。その対応法として「答を言わずに、考えさせ、失敗させ、そこから学ばせる」という支援法を採ってきました。

 

 その相談者は、自分は、嘘が嫌いで、全うに生きていくことを信条として、これまで生きてきたと自認するほど、間違えたことが許せない人です。

 ここでも答を言わずに、まず、下記のようにあおり運転の話から「ゆがんだ正義感」もあるということをお伝えしました。

 あおり運転をする人というのは、ある種の正義感を持って行っていることが多いようです。
 「なぜ、あのような下手な運転をするのか」、「そんなこともわからないのか・・・」
 そのような思いから「それをわからせてやろう」という気持ちとなり、基本がわからない運転者に、それをわからせるためにあおり運転をするのだという人が多いそうです。


 その上で、次のようなことをお話しました。

 私は、ウソにもいろいろあると思います。
 今回のケースの場合に限定しますと、下記のような三種に分類わけして考えてみたいと思います。

 ①真のウソなのか、②悪意なくして言っているのか、③ウソを聞いた側の誤解に基づいてウソのように聞こえるなか、いろいろなケースがあると思います。

 ①は、多くの場合に③であることが多いと思います。
 見る角度によっては、ウソではなく、それなりの合理性を持っていて、これは③に分類されるべきものです。

 ②は、本人に悪意がないだけに、本人が改める機会が少なく、信頼できる人が、気づきを与えるなどが必要になると思います。

 多くの場合は、③のケースが多いように思えます。
 嘘をつかれたと思っている人が、その大半のケースにおいて、思い込みの物差しで測って、その結果、誤解や誤認をし、その上で、「それはウソである」と判定していることが多いように思えます。

 私は、自分の会社のことを、時々「私を育ててくれたこの会社」という表現を使います。
 私自身が、この会社に所属したために、多くのことを経験できたり、学んだりすることができました。
 その感謝の気持ちを、このように表現しています。

 この言葉を部下や、私の講演などを聴講するビジネスパーソンの皆さんに伝えるのは、多くの人が私と同様に「この会社に出会えて良かった」と思って、その会社への愛社精神や先輩・同僚やその他の関係者に感謝の念をもてるようであって欲しいという思いがあるからです。

 ところが、「私を育ててくれたこの会社」を短縮して「私の会社」と聞き違える人が意外と多いということに気がつきました。
「私の会社」というのでは、たとえその会社の創業者であっても、その会社を私物化しているかのように解釈されてしまいます。

 聞き手の傾聴力に問題があるといえますが、むしろ、このような誤解はつきもので、それが伝聞となりますと、さらに違った形に変形したり、歪曲されたりして広がって行くのだと考えるべきです。
 そして、できる限り誤解されないように表現する努力をするようにしています。

 それでも上述のように誤解され、「悪事千里を走る」状態は続いてしまうのです。

 お互いの信頼関係ができていれば、「あの人が、会社を私物化するなんてあり得ない」と相手を評価してくれるでしょう。
 ところが、信頼関係が不十分ですと、その様な修正作用が働かず、「私物化している」と誤解されてしまいかねません。


 一方で、聞く側としては、漫然と聞くのではなく、傾聴をすることがポイントです。

 私は、「ウラを取れ」「現場百遍」と刑事ドラマに出て来るようなことをしばしば口にしますし、自分でも、その様に努力をしています。

 ところが、意外と、自分の仮説や考え、以前に入手した知識や情報の正当性に固執し、自分が入手して情報・データに対する自分の解釈を正当化し、それを裏付ける情報ばかりを集めがちなのです。いわゆる「正当化バイアス」が働いてしまい、それでウラを取ったつもりになってしまいがちです。

 「伝聞、私見、事実」を切り分けなさいという話をしばしば聞くと思います。管理職が、部下から報告を受けるときに気をつける事項でもあります。

 上述のウラを取るときに、複数の伝聞に耳を傾けたので、ウラを取ったつもりになってしまっていることが大半です。

 正しくない情報、不正確な情報をいくら集めても、それは「事実の裏付け」とはいえません。

 信頼できる情報源からの報告なのか、そうだとしますと、その情報源はどこかを明確にすることが必要です。単なる「伝聞」であっても、情報源が明確なのかどうかによって、情報・データの信憑性に差異が出てきます。

 「私見」なのか、伝聞なのか、事実なのかが不明瞭な報告もあります。自分の考えを入手した情報であるかのように語る部下もいます。一方で、自分の考えを持つことも必要ですので、「私見」は、「これは私の考えですが・・・」というような前置きをすることを習慣づけることが大切です。


 入手した情報・データの信頼性の問題ですが、たとえば「信頼できるあの先生が言っているのだから間違いない」という理由から、それが「事実」だと誤認してしまうようなことが多いと思いませんか。

 その先生がいうことに正当性があったとします。しかし、それを聞いた人が上述のように誤認・誤解してしまい、先生が言った内容が変形したり、意図的に歪曲されてしまったりすることもあるでしょう。

 情報やデータは、二次や三次情報・データは参考にはなっても最終的な、とりわけ重大な判断材料にしてはいけないと考えています。

 一次情報・データですら真実ではないことが多いですが、やはり、ウラを取るときには一次情報・データを中心に収集し、それらを総合的にみて、最終的には、それを鵜呑みにするのではなく、自分で判断すべきと考えます。

 その時に、自分の都合の良いように解釈してはならないのです。


 えらそうなことを長々と書いてきましたが、これは自戒のつもりでいます。おはずかしいことに、この年になっても、まだ、誤解されるようなことを、自分では気づかずに、多々行っているだろうと反省しています。

 世の中、生きていくのは大変ですね。<笑い>

<次項に続く>

 

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 04 悔いても反省しなければ成長しない

2023-07-21 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<ビジネスパーソン>

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 04 悔いても反省しなければ成長しない

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 ビジネスパーソンも、“真”のプロでなければ勝ち残りは愚か、生き残りもできません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 経営に王道なし

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 3部 【あたりまえ経営のすすめ ビジネスパーソン編】 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。

 将来社会を担うビジネスパーソンのためのテーマでもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。この論理を「痛感できる」ビジネスパーソンでなければなりません。

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思いますが、そのヒントとして、一助になるように、半世紀にわたる経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 ビジネスパーソンは、常に「管理とは何か」を知り、自己管理ができなければなりません。ただしい「管理」を理解し、実践する❷は、「温かい管理」とは何かを正しく理解しなければ、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、ビジネスパーソンなら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、莫迦にしないで、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 士業・コンサルタントなど専門業とする先生方は、それを自分のものにし、現場では自分の体から出るオーラのごとく、相手に「感じさせる」ことができるようにして下さい。

■ 第3部1章 ビジネスパーソンとして成功する術

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

■ 3-1-04 悔いても反省しなければ成長しない

 世の中には、悔いることをしても、効果的な反省のできない人がいるようです。

 私の知り合いで、穏やかな人がいます。その方は、お金持ちの家に生まれ、何不自由なく育ちました。身の回りは、お手伝いさんが全てやって下さり、両親からは限りない愛情を注がれ、兄弟姉妹とも仲良く暮らしてきました。

 その人は、性格も良く、優等生タイプで、両親や学校の先生から叱られることもなく育ちました。

 学校を卒業しますと、一流会社に就職ができ、そこでも上司や先輩からもかわいがられ、本人も、お金持ちの家に、何不自由なしに育ったにもかかわらず、わがままなこともなく、他人思いの優しい性格の持ち主でした。

 勤務中に大きな失敗をすることもなく、順調に来たのですが、父上の健康上の問題などから、そちらの会社に移ることになりました。そちらの会社でも、社員のことを大切にする経営者として、若いにも関わりませず、人望もあり、会社経営も順調にすすみました。

 三〇代前半で、社長になり、私に顧問となる要請が来ました。もちろん、素晴らしい人柄ですし、会社の雰囲気も良く、順調に、安定的に、また、大きな成長をしているわけではありませんが、自社のペースで経営が、進められていました。

 あるときに、社員の一人が、重要な顧客と、ちょっとしたコミュニケーションの行き違いで、トラブルに発展してしまいました。それを、上司に報告もせず、自分一人で解決しようとして、訴訟問題にまで発展しかけたときに、管理職を通して、社長の耳に届きました。

 私のところに、社長から、相談があり、ある解決案を提示して、弁護士と相談して進めるようにアドバイスをしました。

 その後、私が海外出張に出かけたのですが、とりわけ、何の連絡もありませんでした。何の連絡もありませんので、逆に気になり、私の方から社長さんにコンタクトをしましたところ、訴訟問題にはならず、社長さんが中心となって、顧客との折衝を図っているとのことでした。

 しかし、帰国後、よくよく聞いてみますと、社長さんは、相手企業との関係を楽観視していました。その上、その顧客とのいざこざが、ネットで拡散し、他の顧客とのビジネスにも影響が出てきていました。

 社長さんに、問題が深刻化している原因をキチンと説明し、このような時には、どう対処すべきかをお話し、再発しないようにしました。

 重大視した私は、現状を鑑みた複数の対応策を提示し、具体的な手順書まで作成して、社長さんに早急なる対応をお願いしました。ところが、社長さんは、相手の社長さんとは人間関係ができているという勝手な思い込みから、私がお願いした事項を中途半端な形でしか実施していませんでした。

 その結果、逆に、問題が再燃してしまい、その解決に弁護士の支援を受けながら、私が前面に立って解決することになりました。問題そのものは、解決しましたが、その会社の評判は落ち、業績の低迷が、その後しばらく続きました。


 人間的にも、とても素晴らしい人なのですが、これまでに失敗ということをしたことがない人で、問題についても深刻さに欠如しているだけではなく、クレーム対応技術も稚拙でした。

 私からの注意やアドバイスに対しても「反省」ということをせず、なだ、悩むだけの人だったのです。自分は、ひどく落ち込んでいたにも関わりませず、人に、嫌な思いをさせたくないという思いから、それを表に出さないでいましたので、周囲の人も、ことの深刻さに気がつかなかったのです。

 失敗というのは、キチンとした反省の上に、対処策を講じ、それを糧とします。多くの失敗を繰り返しながら、智恵をつけてゆきます。その社長さんは、これまでの人生で、大きな失敗をしてきませんでしたので、失敗をしたときの反省のしかたが充分に身についていなかったのです。

 そのために、ただ、落ち込むだけ、しかも、「自分の力が及ばないから、この様な事態を引き起こした」と自責の念に駆られるだけで、真の意味の反省に繋がっていないのです。

 ある人の名言に「考える人は前に進むが、悩む人は懺悔に立ち止まるか、後ろに下がることしかしない」というのを、何かの本か講演で知ったことを思い出しました。

 育ちの良いこと、優等生であること、これらは一見しますと良いことのように見えますが、必ずしも良いだけではなく、そうでない面もあるということを知らなければなりませんね。

<次項に続く>

 

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 03 思考法で一段上のビジネスパーソンに

2023-07-20 13:27:51 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<ビジネスパーソン>

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 03 思考法で一段上のビジネスパーソンに

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 ビジネスパーソンも、“真”のプロでなければ勝ち残りは愚か、生き残りもできません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 経営に王道なし

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 3部 【あたりまえ経営のすすめ ビジネスパーソン編】 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。

 将来社会を担うビジネスパーソンのためのテーマでもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。この論理を「痛感できる」ビジネスパーソンでなければなりません。

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思いますが、そのヒントとして、一助になるように、半世紀にわたる経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 ビジネスパーソンは、常に「管理とは何か」を知り、自己管理ができなければなりません。ただしい「管理」を理解し、実践する❷は、「温かい管理」とは何かを正しく理解しなければ、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、ビジネスパーソンなら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、莫迦にしないで、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 士業・コンサルタントなど専門業とする先生方は、それを自分のものにし、現場では自分の体から出るオーラのごとく、相手に「感じさせる」ことができるようにして下さい。

■ 第3部1章 ビジネスパーソンとして成功する術

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

■ 3-1-03 思考法で一段上のビジネスパーソンに

 ビジネスパーソンが、業績を上げられるかどうかの要因の一つに「思考法」があります。思考法の違いで、業績結果が大きく異なることが多いのです。

 ところが、この思考法を身に付けようとしてもなかなか難しいことです。

 思考法を身に付けて、実務に活かせるようになるためには、ポイントを押さえ、実務に使いながら、そのレベルを上げていく、地道な積み重ねが必要です。

 思考法のポイントをご紹介しますので、それを繰り返し実行してみて下さい。そのためには、このポイントを繰り返し読むだけではなく、実務に使ってみるという方法が、遠回りのように見えて近道です。

 それを実行できるかどうかが、あなたの思考法を変えられるかどうかの分岐点です。

 第3部5章で、論理思考法を身に付けるにはどうすべきかをお話し、そのために何をすべきかについては第6部「論理思考法の実践トレーニング」で具体的な方法をお届けします。

<次項に続く>

 

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【プロのひとり言】「ひらめき」と「思いつき」の違いは何でしょう

2023-07-20 10:15:05 | 【話材】 お節介焼き情報

  【プロのひとり言】「ひらめき」と「思いつき」の違いは何でしょう  

 

 

 「そんなこと、常識だろう」と言ったり、言われたりしたことはありませんか?

 コンサルタントなど士業・経営の専門家だけではなく、ビジネスパーソンの皆さんの「あたり前」とはなんでしょうか?

 「常識」とか「あたり前」と思っていることが、じつは、必ずしも適切な判断に繋がるとは限りません。

 こんな、日常茶飯事のことに疑問を持つことの積み重ねが、思考力を高めたり、相手のことを思いやったりと、人間性を高めることに繋がるような気がします。

 経営士・コンサルタント45年余の経験から、思ったこと、考えたことを独断と偏見でもって述べてみたいと思います。

 

■ 「ひらめき」と「思いつき」の違いは何でしょう

 経営コンサルタントという仕事柄、論理思考のお話をする機会が多いです。社員研修では、自分の業務の進め方やビジネスに直結することが多いためか、皆様が熱心に聴講してくださることが多いです。

 その時に、「論理思考とひらめきは、矛盾も含み、少々異なるような気がしますが・・・」という質問をしばしば受けます。

 私は、この両者を同じ次元で比べるべきではないように考えています。

 ロジカル・シンキングなどを用いて、平素、トレーニングを行ったり、ビジネスを行ったりしていますと論理思考力は高まってきます。論理思考力が高まりますと、いろいろな発想が出て来るようになってきます。

 一方、「ひらめき」というのは、いろいろな経験を積んだ中で生じるものであって、「無」から生じるものではないでしょう。論理思考のできる人は「ひらめき」も多いのではないでしょうか。


 人間にとって、睡眠は不可欠です。脳を休めて、翌日活溌に脳を使えるようにするために睡眠が必要です。

 睡眠というのは、人間が生きていくための肉体としての疲労回復だけではないそうです。脳生理学者の間では、「眠っている間に、記憶が整理される」ということは、ずいぶん以前からわかっているようです。

 日本で最初にノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は、寝ているときに中間子理論を思いついたという話は有名です。同様に、多くの人が寝ているときに、いろいろな発想が生まれたという話は良く聞きます。

 眠っている間に、記憶が整理され、その過程で、別の経験から蓄積された記憶と合体しますと、そこに新たな発見があるのかもしれません。これが「ひらめき」です。


 「ひらめき」と似たようなものに「思いつき」という言葉があります。一般的には、「ひらめき」は良い評価をされ、「思いつき」は、刹那的で、あまり良い印象と受けとめられないことが多いように思えます。

 強いて言えば、「ひらめき」は「思いつき」の一種と考えて、ここでは考察してゆきます。

 「ひらめき」は、ある目的なりテーマ・課題に対してピンポイントな発想で、その目的なりテーマ・課題に取り組む際に、多くの人が賛同してくれるようなアイディアであるように思えます。多くの人が採用したくなるようなアイディアと言って良いでしょう。

 一方、「思いつき」は、何の根拠もなく、ポッと出てきたような印象が強いです。賛成者もいるかも知れませんが、賛同してくれる人の割合が低いことが多いように思えます。

 他方、「奇抜なひらめき」は、多くの人に理解されず、反論も強いことがあります。有名のことの一つが「それでも地球は回っている」という言葉に象徴される地動説を唱えたコペルニクスが連想されます。


 思いつきもひらめきも、有益な場合がありますので、けっして莫迦にせず、まずは「ウラを取る」ことではないでしょうか。両者とも、そのアイディアが有益であるという証明が必要です。

 多くの「思いつき」を発散思考で行い、その成果物をもとに収束思考をしてゆくと「ひらめき」に繋がりやすいように思えます。

 思いつきの豊かな人は、ひらめきの基となるものを多く持っていると言えます。すなわち、その様な人は、「ひらめき」を産み出しやすい人と言えるのではないでしょうか。


 論理的に追求し、重考した結果、効果的な方策が編みだされるように思えますので、私は、伝統的な論理思考法といえます、発散思考と収束思考、帰納法と演繹法を繰り返すようにしています。

 その進め方として、以下のような手順を原則としています。

   ・ 課題をリストアップする
   ・ リストがMECEである(それに近い)ことを確認する
   ・ 優先順位を付ける
   ・ 順位の高い事項から着手してゆくアクションプランを立てる
   ・ 成果判定基準を決める

 ご意見もおありと思いますが、参考にしてくだされば幸いです。

 

■ おすすめブログ

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 05 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>

2023-07-17 08:26:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<ビジネスパーソン>

■【あたりまえ経営のすすめ】3部 ビジネスパーソン編 05 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 ビジネスパーソンも、“真”のプロでなければ勝ち残りは愚か、生き残りもできません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 経営に王道なし

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 3部 【あたりまえ経営のすすめ ビジネスパーソン編】 ビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。

 将来社会を担うビジネスパーソンのためのテーマでもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。この論理を「痛感できる」ビジネスパーソンでなければなりません。

 時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思いますが、そのヒントとして、一助になるように、半世紀にわたる経営コンサルタント歴からお話して参りますので、参考にしてくださると幸いです。

 ビジネスパーソンは、常に「管理とは何か」を知り、自己管理ができなければなりません。ただしい「管理」を理解し、実践する❷は、「温かい管理」とは何かを正しく理解しなければ、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、ビジネスパーソンなら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、莫迦にしないで、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 士業・コンサルタントなど専門業とする先生方は、それを自分のものにし、現場では自分の体から出るオーラのごとく、相手に「感じさせる」ことができるようにして下さい。

■ 第3部1章 ビジネスパーソンとして成功する術

 他の人と、同じやり方をしていては、どんぐりの背比べになってしまいます。存在感を示すためにも、自分自身を「差異化(差別化)」しましょう。

 それが、ご自身の成長に繋がるでしょうし、ビジネスパーソンとして元気に生きて行くことができるようになるでしょう。

 それをどの様に身に付けて、どの様に活かしていったら良いのでしょうか。自分自身で立ち止まって考えてみることも重要です。

■ 3-1-05 座右の銘を持つ生き方 ”道程” <高村光太郎>

 ほとんどの人が、何らかの座右の銘をお持ちと思います。

 私も、吉田松陰の「至誠」、上杉鷹山の「なせば成る」を始め、いくつかの座右の銘ともいえるような名言を、自分の生きていく指針としてきています。

 その中のひとつに、詩人・高村光太郎の「道程」があります。ここでは、「道程」について、ご紹介します。


  僕の前に道はない
  僕の後ろに道は出来る
  ああ、自然よ
  父よ
  僕を一人立ちにさせた廣大な父よ
  僕から目を離さないで守る事をせよ
  常に父の氣魄を僕に充たせよ
  この遠い道程のため
  この遠い道程のため


 「道程」とは、あるところにたどり着くまでの道のりや距離、行程をさしますが、光太郎は、「あるところ」という言葉を、「ある境地」、「目標」においていると考えています。すなわち、道程とは、自分の目標に近づく状態になるまでの期間・時間およびその過程を大切にする「完成までのみちのり」と解釈し、私の座右の銘として、日々を大切に生きるように努力しています。

 「廣大」は、広く大きいこと、「氣魄」は、激しい気力・精神力を意味しますので、強いこころを持ち、目標に向かって行くように鼓舞されていると思います。

 光太郎は、広大な自然を父と仰ぎ、その力に強い畏敬の念を持ち、それを自分自身の成長の鞭として、叱咤激励を自分自身に課し、一層高い所に進んでいこうという気魄を感じます。

<次項に続く>

 

■【あたりまえ経営のすすめ】 バックナンバー

 あたり前の重要性を知る ←クリック

 

■【プロの心構え】 バックナンバー

プロとして、いかに思考すべきか ←クリック

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■■【名言格言】安部能成「自なくして他なく、他なくして自なし」

2023-07-11 08:26:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

■■【名言格言】安部能成「自なくして他なく、他なくして自なし」

 

 【名言格言から経営ノウハウを感じ取る】は「経営四字熟語」とともに益々人気上昇中です。名言格言や四字熟語を学びながら、経営のヒントを併せて得ることができるという切り口が好評の理由です。話材にも使えて、益々面白くなります。

 

 

 

■ 自なくして他なく、他なくして自なし 

 

 安部能成(18831966)は、対象・昭和期の教育者であり、哲学者でもあります。彼の「学生に対する一般的助言」の一節です。

 

 学生が相手ですので、どのような人生を歩んだら良いのかを考えさせるという意図で、社会人としてのあり方を説いているのでしょう。学生時代も人との関わり合いは難しい面がありますが、基本的には似た年代であり、学生であるという基本部分で共通しているところが多いと言えます。

 

 しかし、社会というのは、年齢幅が学生時代に比べると格段と広がり、経験も異なり、当然のことながら価値観も違うわけです。そのような中で、他者の存在の重要性を説いている一説です。

 

 今日、学生に限らず多くの人が自分という狭い中での思考が多すぎるような気がします。道を歩いているときに、ぶつかりそうになる直前まで何もしない人が多く、ぶつかりそうになって初めて回避行動を起こすのです。回避行動すらしない人も結構います。

 

 狭い路地から自転車で急に飛び出してくる人の多いこと、それも若者だけではありません。狭い路地には人がいなくても、広い道に出たら人がいる可能性は高いわけです。ところが、自分の世界だけでの思考ですから、他人がそこにいるという思考がないのです。

 

 電車の優先席で、ケイタイに夢中になっていて、目の前にお年寄りが立っても、自分が席を譲らなければならないという意識はありません。「私の妻は身障者なので、席を譲っていただけませんか?」というと席を立ってくれる人がいると言うことは、優先席が何たるかをわかっているからでしょう。

 

 妻が病院に行くのがちょうど通勤時間帯にぶつかってしまいました。混雑する電車に乗るのが怖いようですが、優先席に座れば大丈夫と言い聞かせて電車に乗りました。席を譲って欲しいと声をかけましたが、だれも席を譲ってはくれませんでした。それどころか、通勤時間帯になんで身障者が電車に乗るのだと言わんばかりの雰囲気が漂った気がしました。(被害者妄想かも知れません)

 

 他人を思いやる気持ちが、今日では薄れているように思えます。

 

■■ 人気上昇中<経営四字熟語 ←クリック

 四字熟語の示唆を知ると目から鱗が落ちるでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■■【名言格言】武者小路実篤「笑はれるのを恐れる」

2023-07-04 08:26:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

■【名言格言】武者小路実篤「笑はれるのを恐れる」

 

 【名言格言から経営ノウハウを感じ取る】は「経営四字熟語」とともに益々人気上昇中です。名言格言や四字熟語を学びながら、経営のヒントを併せて得ることができるという切り口が好評の理由です。話材にも使えて、益々面白くなります。

 

   

■「笑はれるのを恐れるよりは心にないことを云ふのを恐れなければいけない」

 

 武者小路実篤(18851976)の「幸福者」の一節です。

 

 武者小路実篤は、Wikipediaでは下記のように紹介されています。

 

 日本の小説家。姓の武者小路は「むしゃのこうじ」と読むが、実篤自身は「むしゃこうじ」と名乗っていた。一般には「むしゃのこうじ」で普及しており、本人も誤りだと糺すことはなかったという。

 仲間からは「武者」という愛称で呼ばれた。位階は従三位。文化勲章受章。授与された称号には名誉都民などがある。日本芸術院会員。

 

 我々はしばしば外聞を気にして見栄を張り、時には大風呂敷を広げることがあります。そのようなことを言ってしまった後で、反省をしたり、良い気分でなかったりします。

 

 人間というのは、自分自身を偽ると決してよい気分ではいられません。世の中には、そうでない人もいるかも知れませんが、通常では自分自身を偽って平気でいることはできないのではないでしょうか。

 

 お恥ずかしながら、「幸福者」を読んでいないので真偽の程はわかりませんが、実篤は、自分を偽って針小棒大に言うのではなく、自分の気持ちを素直に表現することがよいと言いたいのではないでしょうか。

 

 自分自身に嘘をついたり、偽ったりし続けることは、他の人に気づかれないかも知れませんが、自分自身を騙し続けることはできませんね。むしろ嫌な気分が残ります。それがわかっていながらやってしまいがちです。

 

 一方で、マーケティングというのは、現実にある物やサービスをいかに効率よく販売するようにするかを考えることです。物は見る角度により異なって見えることを利用して、欠点を長所として紹介することもできます。

 

 グーグルが日本でサービスを提供するようになってから、「経営コンサルタント」をキーワードで検索すると私のサイトがトップまたはその直下あたりにリスティングされます。

 

 以前は、それを人に言うことをあまりしませんでした。自分の自慢話をするように思えたからです。しかし最近は、周りの人のアドバイスを受けて、逆に積極的にこのことを紹介するようにしています。その効果かどうかはわかりませんが、結構色々な人から声をかけられたり、メールをいただいたりするようになりました。

 

 一方で、それが為に「自己顕示欲が強く、嫌なやつ」と思われている面もあるのではないでしょうか。

 

 ものごとの両面性を認識し、何ごともほどほどにするのがよいのではないかと、自分にも言い聞かせているこの頃です。

 

■■ 人気上昇中<経営四字熟語 ←クリック

 四字熟語の示唆を知ると目から鱗が落ちるでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする