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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー06 鬼哭啾啾 日はまた昇る~恐ろしい気配の漂う様子や状態~

2024-11-30 12:21:00 | 【心 de 経営】 経営四字熟語

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー06 鬼哭啾啾    日はまた昇る~恐ろしい気配の漂う様子や状態~       


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

第4章 判断力を養いベターな意思決定
 ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
 四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
 4ー06 鬼哭啾啾    日はまた昇る
      ~ 恐ろしい気配の漂う様子や状態 ~


「鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)」という四字熟語があります。この言葉に初めて接したときには、その意味がわかりませんでした。「鬼」というのは鬼とか亡霊とか呼ばれる、どちらかというとおどろおどろしいものをさすだろうということは想像できました。「哭」は、大声を上げて鳴き叫ぶという意味で知っていましたが「啾」という時の意味がわかりませんでした。
 因みに、「哭」という字を中国では、「人の死を悲しんで泣きさけぶ礼(広辞苑)」という時に使うそうです。「啾啾」は、虫や鳥などが小声に鳴く様子を指し、しくしくと力なく泣く様子や細かく尾を引いて悲しげに、また恐ろしげに鳴く様子を指すようです。すなわち、「鬼哭啾啾」は、亡霊の泣き声が恨めしげに響くという意味となります。このことから「恐ろしい気配の漂う様」を形容する時の表現として使われます。
 私が、所属する団体の役員会議の席上、その団体の変革を求める要求について、会員からの声を率直に伝えました。その座長の逆鱗に触れることは、この団体にいられないというような雰囲気でした。誰しも自分が可愛く、自分に余計な火の粉がかかってくることは望みません。その場が一瞬にしてシーンと静まりかえり、私の発言を誰一人としてフォローしてくれませんでした。その時に初めて鬼哭啾啾という場に遭遇しました。
 日本企業は、「技術力はあるが、マーケティングが下手」というようなことがしばしば言われます。高い技術力で良い商品を開発しても、後発の国の模倣により、軒先を貸して母屋を乗っ取られてしまう事態が処々に見られました。
 マーケティングの基本の一つに「プロダクトアウトではなく、マーケットインであるべき」という考えがあります。日本企業は、自社の技術力をベースに「良い製品は売れる」と信じ、満を持して新製品を世に投じてきました。残念ながら、それが市場でユーザーに受け入れられないことが多かったのです。
 かつては、日本国内では、N社が日本のパソコンの標準であると言われる時代がありました。しかし、IBMがDOS/Vという仕様のOSを発表しますと、急速に市場から駆逐されてしまいました。同様にガラケー(ガラパゴス携帯電話、日本独自OS携帯電話)も、日本独自の仕様と言うことで、世界の市場から日本の携帯電話は見向きもされなくなってしまいました。
 日本という国全体が、バブルがはじけると「失われた○十年」が始まり、「鬼哭啾啾」しました。グローバル市場での相対的地位の低下から、日本全体が自信をなくしてしまったのです。「威風堂堂(いふうどうどう)」「旗鼓堂堂(きこどうどう)」という威厳に満ち、立派に見える状態ではなく、自信と活気に溢れた高度成長期とは大きく異なっています。
 高度成長期には、「騎虎之勢(きこのいきおい)」で、自社の考えを基に、市場に立ち向かう「プロダクトアウト」の戦略が採られました。「騎虎」、すなわち「虎にまたがる」とうことで、虎を目の前にしたときの戦法として虎にまたがるという方法があります。ところが一旦虎の背にまたがってしまうと、その勢いが激しくて降りることもできないでしょうし、降りてしまったら虎に食べられてしまいます。このことから「勢いよいときには塗中で止められない」、すなわち「一旦はじめてしまったら、後に引けない」という意味です。
このような時には、市場の動向に合わせた新製品開発、すなわち「マーケットイン」が改めて見直されるとともに、技術だけを前面に出したグローバル市場への参入に、高らかに警鐘が鳴らされました。
「日はまた昇る(The Sun Also Rises)」といいますと、小説家アーネスト・ヘミングウェイの長編小説を連想する人が多いでしょう。これをもじって、「エコノミスト誌」の編集長をしていたビル・エモットは「日はまた沈む」と、「日」すなわち「日本」はその繁栄からまた沈んでしまうだろうと、日本経済を揶揄し、バブル崩壊を見事に予測して、1990年代にベストセラーとなりました。二一世に入りますと、エモットは、日本は長い低迷の時期を続けていますが、ゆっくりと、確実に変化しているとして「日はまた昇る」とヘミングウェイと同じタイトルの本の出版をしました。
 日本は、鬼哭啾啾の後、東アジア情勢への展望を視野におきながら、社会インフラ面での、技術だけではなく仕組みとして、水事業を始め、いくつかに絞り込んだグローバル戦略に目を向け始めています。アメリカを始めとしたいろいろな国に、新幹線の、高い安全性における実積を武器に、運用技術も含めたトータスサービスを商品として、ふたたび羽ばたき始めています。
 グローバル市場で、いろいろな課題がある中、何度失敗してもくじけない精神で「七転八起(しちてんはっき)」し、不死鳥のように蘇るでしょう。日本は、ロボット産業、リニアモーターカーや環境技術を始め、たくさんの強味を持っています。「第四の波」と言われますナノテクノロジー、バイオテクノロジー、人工知能も視野に入れることにより、日はまた昇るのではないでしょうか。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月29日 ◇柳井氏のひと言 ◇悔いても反省しなければ成長しない ◇29日を楽しみにしているわが家のある人? ◇経営コンサルタント起業体験記

2024-11-30 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月29日 ◇柳井氏のひと言 ◇悔いても反省しなければ成長しない ◇29日を楽しみにしているわが家のある人? ◇経営コンサルタント起業体験記 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

11月29日

 何かと世間を騒がせるファーストリテイリングの柳井正氏代です。BBC放送で、「ユニクロ製品に中国・新疆ウイグル自治区の綿花は使っていない」と発言しました。
 それに対して、中国ではSNS上で不買運動が呼びかけるなど批判の声があがっているそうです。
 アメリカ政府が、2021年から新疆ウイグル自治区で生産されたすべての綿製品(面かを含む)の輸入を禁止しています。
 柳井氏は、これまで、新疆産の綿花をめぐる問題について「政治的な質問にはノーコメント」としていましたが、今回初めて明言したのです。
 「あちらを立てればこちらが立たず」
 世の中は難しいですね。

 コンサルタントを目指す人達の集まりがあり、【あたりまえ経営のすすめ】について、お話をする機会を得ることができました。

 下記のようなテーマでお話しました。

◆ 04 悔いても反省しなければ成長しない

 世の中には、悔いることをしても、効果的な反省のできない人がいるようです。

 私の知り合いで、穏やかな人がいます。その方は、お金持ちの家に生まれ、何不自由なく育ちました。身の回りは、お手伝いさんが全てやって下さり、両親からは限りない愛情を注がれ、兄弟姉妹とも仲良く暮らしてきました。

 その人は、性格も良く、優等生タイプで、両親や学校の先生から叱られることもなく育ちました。

 学校を卒業しますと、一流会社に就職ができ、そこでも上司や先輩からもかわいがられ、本人も、お金持ちの家に、何不自由なしに育ったにもかかわらず、わがままなこともなく、他人思いの優しい性格の持ち主でした。

 勤務中に大きな失敗をすることもなく、順調に来たのですが、父上の健康上の問題などから、そちらの会社に移ることになりました。そちらの会社でも、社員のことを大切にする経営者として、若いにも関わりませず、人望もあり、会社経営も順調にすすみました。

 三〇代前半で、社長になり、私に顧問となる要請が来ました。もちろん、素晴らしい人柄ですし、会社の雰囲気も良く、順調に、安定的に、また、大きな成長をしているわけではありませんが、自社のペースで経営が、進められていました。

 あるときに、社員の一人が、重要な顧客と、ちょっとしたコミュニケーションの行き違いで、トラブルに発展してしまいました。それを、上司に報告もせず、自分一人で解決しようとして、訴訟問題にまで発展しかけたときに、管理職を通して、社長の耳に届きました。

 私のところに、社長から、相談があり、ある解決案を提示して、弁護士と相談して進めるようにアドバイスをしました。

 その後、私が海外出張に出かけたのですが、とりわけ、何の連絡もありませんでした。何の連絡もありませんので、逆に気になり、私の方から社長さんにコンタクトをしましたところ、訴訟問題にはならず、社長さんが中心となって、顧客との折衝を図っているとのことでした。

 しかし、帰国後、よくよく聞いてみますと、社長さんは、相手企業との関係を楽観視していました。その上、その顧客とのいざこざが、ネットで拡散し、他の顧客とのビジネスにも影響が出てきていました。

 社長さんに、問題が深刻化している原因をキチンと説明し、このような時には、どう対処すべきかをお話し、再発しないようにしました。

 重大視した私は、現状を鑑みた複数の対応策を提示し、具体的な手順書まで作成して、社長さんに早急なる対応をお願いしました。ところが、社長さんは、相手の社長さんとは人間関係ができているという勝手な思い込みから、私がお願いした事項を中途半端な形でしか実施していませんでした。

 その結果、逆に、問題が再燃してしまい、その解決に弁護士の支援を受けながら、私が前面に立って解決することになりました。問題そのものは、解決しましたが、その会社の評判は落ち、業績の低迷が、その後しばらく続きました。


 人間的にも、とても素晴らしい人なのですが、これまでに失敗ということをしたことがない人で、問題についても深刻さに欠如しているだけではなく、クレーム対応技術も稚拙でした。

 私からの注意やアドバイスに対しても「反省」ということをせず、なだ、悩むだけの人だったのです。自分は、ひどく落ち込んでいたにも関わりませず、人に、嫌な思いをさせたくないという思いから、それを表に出さないでいましたので、周囲の人も、ことの深刻さに気がつかなかったのです。

 失敗というのは、キチンとした反省の上に、対処策を講じ、それを糧とします。多くの失敗を繰り返しながら、智恵をつけてゆきます。その社長さんは、これまでの人生で、大きな失敗をしてきませんでしたので、失敗をしたときの反省のしかたが充分に身についていなかったのです。

 そのために、ただ、落ち込むだけ、しかも、「自分の力が及ばないから、この様な事態を引き起こした」と自責の念に駆られるだけで、真の意味の反省に繋がっていないのです。

 ある人の名言に「考える人は前に進むが、悩む人は懺悔に立ち止まるか、後ろに下がることしかしない」というのを、何かの本か講演で知ったことを思い出しました。

 育ちの良いこと、優等生であること、これらは一見しますと良いことのように見えますが、必ずしも良いだけではなく、そうでない面もあるということを知らなければなりませんね。

■【今日のおすすめ】

 【カシャリ!ひとり旅】 佐賀県 吉野ヶ里歴史公園3 北内郭

 老いぼれでも、何かと忙しく動いていますので、時々気分転換をするようにしています。
 音楽を聴くことが多いですが、過去の写真や動画を見ることも楽しみの一つです。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

■【連載小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業
 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【最新号】
  【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業6章 苦悩 6 便りのないのは良い便り?

【これまでお話】 バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/c39d85bcbaef8d346f607cef1ecfe950

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

■ 毎月29日を楽しみしているわが家の家族 B29

 わが家には「29日(ニクの日)」を楽しみにしている家族がいます。

 嫁いだ娘がおいていったディズニーキャラクターの「プルート」です。

 名前は「Mちゃん」、双子の「ボビーちゃん」もいます。

 時々肉の香りを嗅がせています。

 平素は、ひっそりと自分の部屋(お菓子の箱)にたたずんでいるのですが、娘が来ると持ち出しては、風通しをしてもらっています。

 最近は、孫娘がその手伝いをしてくれます。

 彼には、天城育ちのイノシシ「Qちゃん」という大親友がいます。

 Qちゃんには、ハナちゃんという色白な奥さんがいます。

 もう、結婚して十数年になりますが、まだ、子供はいません。

 因みに、Mちゃんはまだ独身ですが、ナナちゃんというガールフレンドがいます。

 二人は結婚するのかどうか解りませんが、20年近く交際をしています。

 

 【一口情報】

 ステーキ肉をおいしく食べるには、味付けしてから袋に入れ、58℃で30分ほど暖め、肉の片面だけを食べ頃に焼き、最後は反対面を軽く焼き焦げがつくようにすると、中がジューシーなステーキに

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

 

 

■バックナンバー   https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

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【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業6章 苦悩 6 便りのないのは良い便り?

2024-11-29 12:05:00 | 【小説風】竹根好助のコンサルタント起業

  【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業6章 苦悩 6 便りのないのは良い便り?  

 
■ 【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業 
 私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。 竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。
 これからコンサルタントを目指す人の参考になればと、私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。 原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【これまであらすじ】
 竹根好助は、私の会社の後継者で、ベテランの経営コンサルタントでもあります。
 その竹根が経営コンサルタントに転身する前、どのような状況で、どの様な心情で、なぜ経営コンサルタントとして再スタートを切ったのかというお話です。

 1ドルが360円の時代、すなわち1970年のことでした。入社して、まだ1年半にも満たないときに、福田商事が、アメリカ駐在事務所を開設するという重大発表がありました。
 角菊貿易事業部長の推薦する佐藤ではなく、初代駐在所長に竹根が選ばれました。それを面白く思わない人もいる中で、竹根はニューヨークに赴任します。慣れない市場、おぼつかないビジネス経験の竹根は、日常業務に加え、商社マンの業務の一つであるアテンドというなれない業務もあります。苦闘の連続の竹根には、次々と難問が押し寄せてくるのです。
 日常業務をこなしながら、アテンドという商社マンにつきものの業務を自分なりに見つめ直す竹根です。慣れないニューヨークを中心としたアメリカでのビジネスですが、時として折れそうになってしまいます。そのようなときに、若い竹根の支えとなってくれるのが、本社で竹根をフォローしてくれるかほりで、実務支援だけではなく、存在の有り難さに感謝を竹根です。

◆6章 苦悩
 商社マンは、商品を輸出すれば良い、というのが、それまでの商社の生き方でした。はたしてそれで良いのか、疑問に纏われながらの竹根好助でした。その竹根が、何とか現状で仕事をしながら活路を見いだそうと考えていました。
 しかし、問題は、そんなに簡単なものではなく、苦悩する竹根です。
  ※ 直前号をお読みくださるとストーリーが続きます。
     直前号 ←クリック

◆6-6 便りのないのは良い便り?
 想定もしていなかったかほりの態度に、戸惑うどころか、天にも昇る心地の竹根であった。神田明神で、商売繁盛につきあってくれたかほりとのひとときであった。
 あっという間に東京でのそれからの三日間が過ぎた。四日が仕事始めで、忙しいスケジュールが始まった。かほりと二人だけで会う時間はなかった。
 寒さの厳しいニューヨークに戻ってからは、スケジュールに追われた。滞在中に打ち合わせをしたオフィス家具のノックダウン・ビジネスは順調に進んだ。統計器のビジネスは、竹根には無関係に、本社の統計器担当者と直接やりとりをしているので、推移を見守るだけである。時々、儀礼的に担当者に竹根から電話をしたり、近くに行く時には必ず顔を合わすようにした。
 ビジネスが進展するにつれ、駐在員事務所という現状が問題になってきた。ケント光学の北野原社長がアメリカに来たとき、ソーホー科学機器で言われた「在庫は充分あるのか?」という入札に即対応できる体制が必要である。すなわち今までのように駐在員事務所として連絡係程度のやり方では済まなくなってきたのである。ニューヨーク事務所が、信用状を開いて、本社から輸入をして、在庫を持つというアメリカ企業と同じやり方をこちらがしないと、大きな発展をするためには、今までのやり方ではやりにくくなってきた。
 幸い、竹根が通っているマンハッタン大学大学院の受講科目の中にニューヨーク州ビジネス法が含まれている。それを勉強するうちに、竹根が推進しようとしているビジネスは、ニューヨーク法人でないとできないことがわかってきた。
 竹根の次の提案は、福田商事のニューヨーク駐在員事務所をニューヨーク法人に格上げすることである。法律書や教科書、参考書を読みあさった。竹根の速読力はこの期間に極端に改善された。英語の斜め読みはできないと一般的には言われているが、日本語の斜め読みほどではないが、竹根には英語でも斜め読みができるようになってきた。入ってくる情報量が増えると、それを報告するレポートが増え、ペンだこはカチカチに固まってきた。
 昼間は時間に追われているし、夜は大学院に通う。その予習復習などをサボると、とたんに授業について行けなくなるので、必死である。帰ってくるのが十一時頃になる。それからが竹根の時間であるが、昨年の暮れまでは、寂しい帰宅であった。今はかほりに手紙を書く楽しみが増えた。毎晩、かほりに手紙を書いた。
 ところが、かほりからは全然返事がない。正月の初デート、その事実を考えれば、着実に二人の関係は進展しているはずだ。はじめは、忙しくて手紙を書く時間もないのだろうと自分にいいきかせていたが、どうもおかしい。
 おかしいと思い始めると、胃が痛むようになってきた。「恋をすると食事も喉を通らない」ということをよく聞くが、食欲はあまりないけど、食べることはできる。
 そんな日が何日か続くと、昼間の仕事の方もつらく思えるようになってきた。現地法人化に関する提案も一段落し、返事待ちの状態である。いつしか本社に書くレポートのページ数も少なくなってしまったような気もする。手紙は毎晩書き続けた。返事が来ないことへの恨み言は、絶対に書いてはいけないと自分に言い聞かせた。
  <続く>

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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月28日 ◇「四度の滝」の異名を持つ袋田の滝 ◇行政改革

2024-11-29 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月28日 ◇「四度の滝」の異名を持つ袋田の滝 ◇行政改革 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

  私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

11月28日

 コーヒー豆が値上がりしている旨を、しばらく前にお伝えしました。

 一番の理由は、ブラジルなどの生産国において、近年、気候変動の影響で不作が続いていることです。

 それに加え、ブラジルの農家が付加価値農作物に転換していることも背景にあるようです。

 「スターバックスのコーヒー500円(???)」という時代が来たら、私も含め、困る人が多いですね。<笑い>

 2023年11月、「JAXAの中枢コンピュータがハッキング」

 後を絶たないこのような、信じられないニュースに愕然としました。

 それも異常事態に気がつくのに、時間がかかっていることも多いに問題です。

 その他重要施設や民間企業までもが餌食になっています。

 マイナンバーは、政府が言っているように本当に大丈夫なのでしょうか?

 コンピュータ・セキュリティに対する懸念が更に膨らんでしまいました。

 ちょっと空き時間ができましたので、気分転換に写真集を開いてみました。

 庭園めぐりの旅を始めてからはまだ日が浅いですが、それ以前に撮りためた名所旧跡・寺社仏閣の写真は、全国各地の漫遊結果です。

 

 日本三名瀑のひとつに数えられる「袋田の滝」です。大岩壁を四段に流れることから、別名「四度の滝」とも呼ばれています。四季折々の顔を見せることから、テレビや雑誌ではしばしば紹介されますので、ほとんどの方がご存知でしょう。

 高さは120mもあり、幅も73mとその壮大さを誇っています。

 西行法師がこの地を訪れた時に、「四季に一度ずつ来てみなければ本当の良さはわからない」と絶賛したと言われています。

  http://www.glomaconj.com/butsuzou/meisho/ibaraki/fukurodanotaki.htm

 

 

 

■【今日のおすすめ】

 【お節介焼き情報】 一芸に秀でる者は多芸に通ず

 東大元総長の故茅誠司先生の名言です。

 そうありたいと思っても、凡人の私には不可能なのかも知れません。

 ただ、下手の横好きで、いろいろなことに関心を持ち、手をつけたりしてきました。

■【今日は何の日】

 当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

 この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。 

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

■ 省庁を始めお役所やその部署の数はなぜ減らせないのでしょうか? b28

 税関(Customs)は、国際的な物流の管理に関与する機関で、海外から貨物が入ってくる空港や港には必ずおかれています。

 私たちには、あまり税関とは馴染みがありません。

 空港で出入国検査の時に、一定の基準以上の物品の持ち込みには税金がかけられます。

 しかし、これは人間の出入国に関する管理ですので、それは法務省入国管理局が担当しています。

 お役所は、専門が複雑に分かれていますので、それぞれの専門で担当部署や管轄官庁が必要となります。

 お役人を多数抱えることにより、国民の失業率を下げる役割をしています。

 その分、国民は税金という形で、お役人の給与を間接的に払っているのです。

 お役所の数やお役人の数を減らすことにより、ムダな出費を大きく減らすことができます。

 これをピーターの法則(他の意味合いもあります)と言います。

 お役所の数を増やすと、それに伴い、お役人の数が増え、結果として税金の持ち出しに繋がります。

 とろこが、お役人根性と言いますか、お役所は部署を減らすことには消極的です。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

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【心 de 経営】『書話力』を高める 7104 聞き手の行動に結びつく話し方

2024-11-28 12:21:00 | 【専門業】 プロの表現力

  【心 de 経営】『書話力』を高める 7104 聞き手の行動に結びつく話し方     

 私には、「正しい日本語」とはなにか、というようなことを書いていくだけのバックグラウンドがあるわけではありません。一方で、人前でお話をする機会が多々あります。少しでも「美しい日本語ですね」と言われるような言い方をしたいと平素からこころがけています。
 経営コンサルタント歴半世紀の経験から体得した『書話力』を皆さんとわかちたいと考え、図々しくここにご紹介します。あまりにも「あたり前」すぎて、笑われてしまうかも知れませんが、「あたり前のことが、あたり前にできる」という心情から、お節介焼き精神でお届けします。
■【あたりまえ経営のすすめ】3 すべてのビジネスパーソンがめざす一歩上の発想とスキル
  時代に即したスキルを磨きながら、業務に活かし、自分の更なる成長に繋げるにはどうしたらよいのでしょうか。その方法は、多岐にわたると思います。
 「あたりまえ経営のきょうか書」シリーズの第三章として、経営コンサルタントという仕事を通して、感じてきたことを、ビジネスパーソンに共通する面を中心にお話しています。
■3-700 「書話」とは何か? ビジネス表現力を身につける

 「日本人は、議論に弱い」「日本人は、論理的な話し方ができない」などとしばしば言われます。かくいう私も、そう言われる人間のひとりです。
 しかし、経営コンサルタントという仕事を半世紀も続けているうちに、それでは通じず、次第に、私なりの話し方やビジネスの仕方が、不充分ながら身についてきたように思えます。話すだけではなく、書くことにも共通する「表現力」というスキルがビジネスパーソンには不可欠です。「書く力」「話す力」をあわせて『書話の力』といい、表現力というスキルの一翼を担わせています。
 この体験は、当ブログ「【小説】竹根好助の経営コンサルタント起業」としてもお届けしています。
   
 
https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/c39d85bcbaef8d346f607cef1ecfe950
 
 7714 聞き手の行動に結びつく話し方
 納得していただくと共に、行動していただき、効果を発揮していただくという「話の目的」もあります。
 われわれコンサルタント・士業は、提案した内容をクライアントさんが実行して、成果を上げてくれなければなりません。要は「行動していただく」ための話し方を身につけていなければなりません。
 そのために、話し手である私の考えや信念や、何を目的とし、その目標は何かを話をすことによって、聞き手であるクライアントさんが、それを咀嚼してくれなければなりません。それには前項の「納得していただく」ということが不可欠です。その上で、実行のために自社に即した仕組みとして作り上げ、持続的に、自分達だけで実行できるようにしてもらいます。すなわち「自主的に行動をし、それを持続的にして、成果に結び付けられる仕組み(システム)創りを支援し、それが持続的に実行できるようにし、効率よく成果に結び付けるようにしていただけるようにします。

 トップや管理職だけではなく、一般社員までが積極的な行動を起こせるような話し方というのは、その企業の現状に即した仕組みと、その効果から、どの様な企業に変身できるのかをイメージできるようにしなければなりません。抽象的な内容に留まらず、理想的なあり方を、形として作り上げられるような内容でなければなりませんし、具体性と夢を語れなければなりません。(具体的な方策は、【あたりまえ経営のすすめ】シリーズ2「管理編」をご参照ください。)

 このようにビジネスの世界では、「納得していただき、行動していただく」という目的でのコミュニケーションが多く、しかも重要です。話をする目的というのはさまざまですので、それぞれに応じた話し方を私達は身につけておかなければなりません。
 言うまでもなく、「行動していただく」、すなわちこちらが話した内容を相手が実行し、目的を達成していただくためには、「納得」が前提となります。誰しも、納得しなければ行動しないですし、納得がなければ「強制」となり、それでは、こちらが話したことを相手が実施することに、力も入らず、成果も思う様には出ないでしょう。
 納得していただくためには、聞き手の「欲求」が何かを、正確に分析し、それを刺激することによって、その目的をできるようにすると良いでしょう。それには、あまり論理性や合理性にこだわらないほうがうまく行くことが多いです。
 論理性を重視する人が聞き手である場合には、当然、理路整然とした話方をしていないと、理解も納得もしていただけません。しかし、多くの人は、理詰めの論調よりも、感性に訴えられる生々しい事実をぶつける方が、興味を持って耳を傾けてくれます。健康とか安全性、金銭や出世、事業繁栄など、また、幸福だとか、恋愛だとかの問題を、話し手が具体的に取り上げると良いでしょう。聞き手の愛社精神とか、同情心などに訴えかけるような話し方は、相手の納得を得やすく、それを行動に移してもらいやすいです。
 「昔から論より証拠」と言われますが、実例をあれこれと紹介したり、統計や資料を示して、公に認められている機関や個人などの権威を活用するのも一つの方法です。
 内容もさることながら、熱意とか情熱、自信を持った言い方や、それらを、経験に基づいた自信ある実例紹介なども重要です。
 それに対して、弁解やら、個人攻撃的な態度は、マイナスのイメージを与えることに繋がりやすいです。これらは方法を変えて、聞き手の情緒に訴えるような話し方にしますと相手も納得し行動に結びつけやすいです。
 日常活動を見ていますと、聞き手を行動に結び付けられるような話題は意外と多いものです。したがって、それらについて、日常から大いに注意を払い、情報を蓄積して、その利用法を研究して行きますと、目的を達成することにつながりやすいでしょう。
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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月27日 ◇平泉藤原三代 ◇仕事の指示や依頼の心得   A726

2024-11-28 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月27日 ◇平泉藤原三代 ◇仕事の指示や依頼の心得   A726 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 私の後進として会社を託した竹根好助の経営コンサルタント起業経験や、その会社の日常業務、自分の思いなどを「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」として連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

11月27日

 先月に続き、今月も新潟に来ています。

 訪問企業の経営者・管理職の集まりに招かれ、そこで、このような話をしました。

■ 14 仕事の指示や依頼の心得   A726

 ビジネスというのは、独りでやっていては効率がよくありません。たとえ、独立起業まもない頃であっても、奥様に秘書としての仕事を手伝ってもらったり、経理業務を担っていただいたりするだけでも、やりこなせる仕事量は全然異なります。

 私も経営士・コンサルタントとして独立起業したての頃は、社員を雇うには、先が読めなさすぎましたので、妻に手伝ってもらいました。

 たとえ妻であっても、協力していただいているわけですので、日常生活で亭主関白であっても、仕事の上ではパートナーという、同格の立場でいる意識を持つべきです。

 すなわち、「糟糠之妻」として、それを口に出さないまで、感謝の念を常に持っていることが肝要です。しかし、時には、感謝の言葉を発することを忘れてはならないと考えます。

 たとえ、社員を雇える身分になっても、あるいは会社の管理職として部下を持つ身になっても、人に指示・命令を出すときには、「お願いする」という気持ちを持って指示・命令を行うべきです。

 指示・命令の基本は、どの様な目的の業務なのかをキチンと理解させ、経験の浅い社員の場合には、簡単な方法や手順を示します。一方、中堅社員などの場合には、目的を説明したら、あまり細かい指示を出さない方が良いでしょう。

 いずれの場合においても、期限は明示します。期限前に、こちらから進捗状況を確認したりして、作業に首を突っ込むことは極力やらないようにします。

 しかし、経験の浅い人の場合には、それとなく進捗状況を確認するとか、中間報告をさせるとかして、方向違いの作業をしないようにチェックしなければなりません。

 結果報告や成果物の提出があった時には、まずは感謝の言葉を発することです。そして、是々非々の観点で確認し、場合によっては部分訂正をしてもらいます。

 私自身は、部下から、「平素は、やさしいけれど、仕事となると厳しく、ケアレスミスなどを起こしたときには怖い人」と陰口をたたかれていました。しかし、社内でのミスは許されても、顧客・顧問先に対しては、常に100満点の作業を行うことを基本とすべきです。

 一方、目上の人に対して、お願いするときには、相手の都合のよい時間帯に、都合のよい場所で会うのが原則です。熱意を持って、語りますと、こちらの依頼を引き受けて下さる確率は高くなります。

■【今日のおすすめ】

 【ナレーション付き映像で見るカシャリ!ひとり旅】 えさし藤原の郷 伽羅御所跡 奥州藤原氏の居館を基調に平安時代を再現したテーマパーク

 平泉は、鎌倉時代を中心におもしろい展開をしました。

 京都に負けない街作りを藤原三代が続けました。

 その一つが伽羅御所です。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

  五七五の俳句に、なぜ類似作が出ないのか b27

 私は、かねてより、五七五の十七文字に同じ作品が出てこないのか、不思議に思っています。

 単なる文字の組み合わせではなく、言葉の組み合わせであり、厳しいルールともいえる定石があるのですから、俳句の心得のある人であれば似たような俳句ができても不思議ではないと考えます。

 俳句ブームを推進している民放のTV番組を、妻が見ているのを横で見ているうちに言葉の持つ素晴らしさを気づかされました。

 作品の善し悪しによる順位争いが面白いです。当時の、その番組のトップにいるH氏に盗作疑惑がかかっているとことが話題になったことがあります。

  H氏  「梅雨明や 指名手配の 顔に×」

  某氏  「梅雨寒や 指名手配の 顔に×」

 後者の某氏の句は、2017年6月に宮崎日日新聞の文芸欄に掲載されました。

 なんと、漢字一文字違いの句ですので、盗作疑惑がかけられてもしかたがないでしょう。

 それだけではなく、一方の句は、H氏の出身地の宮崎県の新聞掲載ですので、一層疑われてもしかたがありません。

 俳句には素人の私見ですが、後者の某氏の作に一日の長があるように思えます。

 私は、冒頭のような考えをもっていますので、「さもありなん」という気持ちです。

 一方で、ここまで諸条件が整いますと、あとは作者の人間性が判断基準とならざるを得ないのではないかと思います。

 TVという公的なインフラでのことですので、あやふやな説明では済まされないと考えます。

 残念ながら納得できる説明もなく、偶然の類似策であるとなり、それで終わってしまいました。

 盗作か、偶然の類似作くかの判定が、いかに困難なのかが解ります。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

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■【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記 バックナンバー
  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/c/a8e7a72e1eada198f474d86d7aaf43db

 

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【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  第三者による事業承継に士業の力を活用 3614-4b26

2024-11-27 12:21:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社・頑張る社長

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】  第三者による事業承継に士業の力を活用 3614-4b26

 経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■   第三者による事業承継に士業の力を活用3614-4b26
 東京都事業承継・引継ぎ支援センターは、2022年度の相談実績をまとめた。 新規相談社数は973社(前年度比 2.9%減)。そのうち譲渡(売り)の新規 相談件数が448件(同21.1%増)と大幅に伸び史上最高の水準となった。 譲受(買い)は506件(同17.2%減)だった。成約件数は78件(同9.3%減) だった。

 東京都事業承継・引継ぎ支援センター統括責任者のY氏は「いよいよ 待ったなしで、事業承継を考えなければならない時期が到来している。譲渡 相談の経営者のうち80歳以上が11%という状況で、後継者がいない中小企業 が多い現状を実感する」と売り案件が増加する背景を説明する。

 一方で買い 案件が減少している要因は「ウエブサイトでマッチングを行うプラット フォーマーの利用が増えてきている。こちらのセンターに相談しなくても プラットフォーマーを活用して企業を探す動きが増えている」とみている。

 やはり課題は、売りたい側の企業の要望をどう実現させていくか。高齢で ネット利用にも不慣れ、譲渡となれば売却交渉をめぐり、さまざまな面倒ごと が待ち受ける。Y氏は「士業の方も含めて、どのようにサポートしていくか が重要」と指摘する。特に、士業については、中小企業の経営者の場合、税理士とは日常的に接点が多いが、弁護士となるとどうしても敷居が高いと敬遠し がちだ。ただ、「相手企業との交渉や金融機関との交渉等で、弁護士の力が必要なケースも増えている。中小企業経営者が使いやすい仕組みづくりに取り 組んでいきたい」とし、同センターと東京の弁護士会とが連携する体制を構築 していく考えだ。

 同時に税理士や中小企業診断士など、中小企業に身近な士業の人たちに、 「M&Aの分野に、今まで以上に具体的に踏み込んでほしい」と要望する。 経営者が第三者への事業承継に踏み出す決断をするには、自身の年齢問題だけ でなく、周囲からの「そろそろ後継者問題を考えましょう」という後押しが 重要。士業や取引先金融機関が経営者の背中を押すことで、1社でも多くの 企業が後継者を見つけ、「大事な事業」を続けていける取り組みをさらに進めて いきたい。

【 コメント 】
 事業承継問題は深刻です。私も相談を受けることが多いです。
 しかし、その時になってから慌てても、なかなかよい〃結婚相手〃は見つかりません。
 平素から、われわれコンサルタント・士業は、中堅・中小企業の経営者に、そのアドバイスをすべきです。とりわけ、企業との関係が密な税理士や社労士の先生は、機会あるごとに、それを行い、それとともに専門家に相談すべきことを提案すべきです。
 事業承継を事前から準備することにより、株の処分などをはじめ、税金対策の手も打つことができます。
 事業承継は、上述のように弁護士の先生が適しているでしょう。しかし、弁護士料は、中小企業には負担が大きすぎることが多いです。資格に固執せず、専門の先生や経験のある人達を利用すべきです。
 まだまだ、コンサルタント・士業の先生方のアプローチ不足は否めないような気がします。
  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

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【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月26日 ◇ミスドの戦略 ◇東京下町の代表「深川」 ◇あたりまえ経営のすすめ

2024-11-27 08:21:00 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

 

  【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月26日 ◇ミスドの戦略 ◇東京下町の代表「深川」 ◇あたりまえ経営のすすめ 

  平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。

 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。

 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。

 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。

【 注 】

 日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。

■【小説風 傘寿の日記】

 私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。

◇経営コンサルタントから見た最近のミスド
 「ミスタードーナツ(ミスド)が、めちゃくちゃ閉店している」という旨のポストがX(旧ツイッター)上で話題となったそうです。
 10月31日に、開業52年の長寿店「ミスド秋葉原店」が閉店したことで憶測が広がったようです。
 近年、ミスドは非常に店頭が込んでいて、業績は好調です。それなのに、なぜ、このようなことが炎上するのでしょうか。
 その理由と考えられるのが、ミスドの営業戦略にあると考えます。現在、スクラップ・アンド・ビルドを進行させ、高付加価値化を狙っています。MOSとの提携店を出店するなど、その一端を推測できます。
 そのために、閉店が目立つだけで、その近隣に、より立地条件の良いところに新店舗が計画されていたり、建ち始めたりしています。
 表面的に見ますと、「閉店している」と見えますが、その背景には、それなりの戦略があるのです。経営数値を見れば、業績悪化と言えないことは解るはずなのに、ウラも取らずに、無責任な情報を流す、近年のネット利用のあり方を反省したいですね。
 一方で、このような噂が立つことは、ミスド側も、新しい戦略を進めていることを、公知が不充分であるということではないでしょうか。高付加価値戦略が、今のミスドに最適なのかどうかは別として、良い方向に進もうとしているのなら、それを前面に出して、「」好業績で前向き戦略と取組中」であることを見せても良いのではないでしょうか。
 ちなみに、私はミスドから賄(まいない)を受け取っていません。<笑い>

 気分転換に、かねてから興味を持っていた江戸庶民の生活、江戸から学ぶことが多く、時々、江戸に関する書籍を手に取ります。

◆東京下町の代表「深川」 19

 因みに、深川という地は富岡八幡宮のある門前町として三代将軍徳川家光の時代から発展してきました。明暦の大火の後に水運を利用して木場がおかれ、問屋街としても発展してきました。

 そもそも江戸でも東のはずれの湿地帯であったゼロメートル地帯である江東地区を開拓していた深川八郎右衛門の姓に由来するといわれる。

3代将軍徳川家光の時代から富岡八幡宮の門前町として発達し、明暦の大火ののちに木場が置かれて商業開港地域となりました。材木商人といえば紀伊国屋文左衛門が有名ですが、一時ここに館を構えていたようです。

 街が栄えると、深川岡場所も設置され花街となりました。1800年に入る文化年間には岡場所が7カ町もでき江戸の辰巳の方角にあることから、深川の芸者は「辰巳芸者」と呼ばれ、「羽織芸者」がたくさんいる「粋と張りと意気地」の花街となりました。

 「張り」というのは、「張り詰める」などという言葉にあるように緊張とか緊迫感ある状況を言います。努力すると結果に繋がる街でもあったようです。

  深川江戸資料館 ←クリック

■ 「杉浦日向子の江戸塾」バックナンバー ←クリック

 杉浦日向子女史の江戸塾は、江戸時代のエコ生活から飽食時代を迎えている我々に大きな示唆を与えてくれます。

■【今日のおすすめ】

 【あたりまえ経営のすすめ】4章【経営者編】 1-4-56 【経営者分析】 経営者としての経営管理への取り組み姿勢

 「あたり前のことがあたり前にできる企業創り」をモットーに半世紀もの長い間、経営コンサルタントをしてきました。しかし、「あたり前のことをやっているだけで良いというほど、現在の時代は甘くない」とお叱りを受けることが多々あります。
 私が求めている、“真”の「あたりまえ経営」をご理解いただけると幸いです。

■【今日は何の日】

  当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。

  この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。

■【経営コンサルタントの独り言】

 その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。

  「ペンは剣よりも強し」と三銃士との関係は? b26

 私達は、「ペンは剣よりも強し(The pen is mightier than the sword.)」という言葉をよく知っていますし、しばしば使います。

 ところが、その出所については意外と知らない人が多いのではないのでしょうか。

 イギリスの小説家であるリットンの戯曲「リシュリュー」に出てきます。

 世界史を学んだことのある人は、「リシリュー」という名前が出てきますので、当然のことながら物語の中だけの人ではなく、実在の人物なのです。

 彼は、カトリック教会の聖職者であり、ルイ13世に宰相として仕えたフランス王国の政治家でもあります。

 アレクサンドル・デュマ・ペールの「三銃士(Les Trois Mousquetaires)」にも登場しますが、ここでは悪役として描かれています。

 歴史で見ますと、フランスの中央集権体制確立と王権の強化に重点を置いた絶対王政の基礎を築いた人なのです。

■【老いぼれコンサルタントのブログ】

 ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。

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■【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記 バックナンバー
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【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー01 寸善尺魔  想定外と負け犬 世の中には良いことは少なく、悪いことばかりが多い

2024-11-26 15:01:00 | 【話材】 ブログでつぶやき

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】4ー01 寸善尺魔  想定外と負け犬 世の中には良いことは少なく、悪いことばかりが多い   


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

 第4章 判断力を養いベターな意思決定
 ビジネスだけではなく、日常生活におきましても、私たちから「判断」をするという作業を切り話すことはできません。同じ状況においても、人により判断結果は異なります。例え論理思考で現状や状況分析をキチンとできても、また例え思考力の高い人でも、判断の仕方次第でものごとがうまくいくこともあれば、うまくいかなかったり、さらには悪循環に陥ってしまったりすることもあります。
 四字熟語の中には、私たちが判断に迷わないように、また迷ったときのヒントを与えてくれたりもします。迷ったときに、答を教えてくれるわけではありませんが、解決の糸口が見つかりやすくなったり、解決の時間を短縮してくれたり、よりよい解決策を見出したり、現状が悪化するのを防いでくれたりと、ヒントを与えてくださる時にはそれにより助けられることもあるでしょう。
 4ー01 寸善尺魔  想定外と負け犬
         ~ 世の中には良いことは少なく、悪いことばかりが多い ~


 「寸善尺魔(すんぜんしゃくま)」の「寸」も「尺」も日本の昔の尺貫法に基づく長さを計測する単位です。一尺は約三十cm、一寸は、その十分の一の長さです。
 サラリーマン時代に、輸出入業務を担当していました。商品は当時船便で送ることが多く、運賃計算は、重量ではなく体積を基準に算定するのが一般的でした。輸出梱包は安価な商品ほど割高となり、そのコストは馬鹿にならないほど響いてきます。従いまして輸出価格を決めるのに梱包された状態での商品の体積がどのくらいなのかを算出する必要がありました。
 一尺は、約一フィートでしたので、尺貫法のメジャーを用いて、何尺何寸かを計測して、その単位をフィートに単純に置き換えるだけで、換算計算を省略しました。多少の誤差はありますが、それをもとに体積計算ができます。その数値に、単位当たりの運賃をかけ算して運賃や梱包料金を算出しました。基本単位が一キュービックフィートとなっていました。これを尺貫法では「一才(いっさい)」と呼んでいて、「○才なので××円の運賃が単価に加算される」などと計算していました。
 余談になりましたが、「寸善」とは、「”善”の大きさは一寸ほどでしかない」ということから「良いことは小さい」という意味で、「寸前」と表示されています。それに対して、「尺魔」、すなわち「魔」の大きさは「寸」より大きい「尺」という単位で表されていますので「寸善」が一寸であるのに対して、「尺魔」は一尺もあるとなります。
 すなわち「善は一寸ほどの大きさに過ぎず、魔(悪)は善の一寸に対して一尺ほどもある」という意味で、「世の中には良いことは少なく、悪いことばかりが多い」という意味で使われます。
 私の知人で、彼の知人の債務保証をしたがために、自分自身も自己破産宣告をせざるを得なくなりました。ところが、強い人で、雌伏十年、その間、自己充電期間として、「晴耕雨読(せいこううどく)」をしました。晴れた日には田はなたを耕し、雨が降ると読書を楽しむという、世間の煩わしさから離れ、心穏やかな生活を続けました。その結果、自分の生きる道として、自分と同じように債務保証で苦しむ人達に心の潤いを与えることははじめました。
「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」というのは、この人のためにあるような四字熟語です。中国の春秋時代に、呉の王である夫差(ふさ)が戦いで死んでしまった父親の仇討ちのために、牧野上に臥して、苦い肝を嘗めて、報復の志を忘れないようにしたという故事があります。(四字熟語辞典)このことから転じて「目的を達成するために、苦心惨憺してチャンスを待ち続ける」という意味で使われます。
「堅忍不抜(けんにんふばつ)」、すなわち「強固な意志を持って耐え、何があってもくじけて諦めない」でやってきた結果、雌伏が雄飛に変化する「捲土重来(けんどちょうらい)」をやり遂げたのです。「捲土」とは、土煙が巻き上がるような厳しさ、「重来」は「再来」と同じ意味です。すなわち「捲土重来」とは「一度は、敗者となった人が、再び勢力を盛り返して巻き返す」ことを指します。「堅忍」は「意志強固に耐える」、「不抜」は「」固くて抜けない」という意味です。類語に「志操堅固(しそうけんご)」という四字熟語があります。
 確かに世の中は、我々が思うようには行かないことが多いです。「こうありたい」と思っても、その実現には色々な障害や問題が立ちはだかります。これは企業経営においても同じことです。リスクマネジメントというのは、これから起こるだろう障害を予測して、事前に手を打つことの重要性が説かれています。
 福島第一原子力発電所問題で表面化しましたが、「想定外」という言葉はしばしば使われてきました。それだからといって「人知が及ばぬこと」と諦めてはならず、「自分の力が至らなかった」と解釈し、謙虚に受け止めるべきです。
 「想定外」で、世の人だけではなく、自分自身を納得させてしまっては、成長の原動力を失うことになります。
 想定のレベルが高ければ、その様な障害が訪れてくることを予測できるかも知れないのです。否、できるだけそれも含めて想定すべきです。これが経営であり、経営者や経営コンサルタントの為すべきことであり、その能力の高さということになります。
 口で言うは易しいですが、その実行は困難であることを私も認めますが、負け犬で終わりたくないですね。因みに、本来このような意味ですが、誤用されて「良いことには、とかく邪悪が入りやすい」という意味で使う人がいます。
 このように言葉の誤用は、近年目立ちます。例えば「悪循環」という言葉に対して「好循環」という言葉が使われていますが、私は「好循環」ではなく「善循環」という言葉を用います。
 「大小」とか「寒暖」など、反対の意味を表す表現を私たちはしばしば用います。「悪」という漢字の反対の意味を含む表現は何でしょうか?大半の人が「善悪」という熟語に思い当たるでしょう。従って、「悪循環」に対して「善循環」というべきだと考えます。
 ただし、「好悪(こうお)」とう言葉もありますので、「悪」の反対を表す漢字に「好」を充てることは間違いではありません。従って「好循環」という言葉は間違いではないのですが、上記の通り、正しい語感を持てば「善循環」の方がどちらかと言えば良いと言えると考えています。
 ある面では、これは感覚の問題ですが、近年、語感のずれが軽視されているように思えます。例えば、ストッキングをはいていない脚のことを「生足」というのを聞きます。「生爪を剥がす」や「生首」などの例に見れますように、人間の身体の一部に関する表現として「生」という字はあまり良いニュアンスを持っていません。それを「生野菜」などの「生」とう字の誤用から「生足」などいう言葉が生まれてしまうのでしょう。
「鳥肌が立つ」という言葉も、ゾッとするような恐ろしげな体験をしたときに用いる表現です。それが昨今では、良い意味の時にも「鳥肌が立つ」という表現が用いられることがあります。語感が正常であれば、それもおかしいと感じるはずです。
 語感というものさしからずれた感覚で、言葉を選択するからこのようなことが起こってしまいます。
 企業経営において、いくつかの選択肢がある場合に、どれを選ぶべきかを考えるとき、判断に困ったら、「原点は何か」「どちらが一般的か」などと判断基準を装幀した上で判断しますと、より良い選択ができることが多いです。
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【経営コンサルタントのお勧め図書】 明るい未来を語る国家戦略 日本を守る 強く豊かに

2024-11-26 12:21:00 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

本  【経営コンサルタントのお勧め図書】 明るい未来を語る国家戦略 日本を守る 強く豊かに 

経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。
 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。
 【経営コンサルタントの本棚】は、2012年に、経営コンサルタントがどのような書籍を読んでいるのか知りたいという、ブログ読者の声を反映して企画いたしました。
 幸い、日本で最初に創設された経営コンサルタント団体である日本経営士協会には優秀な経営士・コンサルタントがいらっしゃるので、その中のお一人である酒井闊先生にお声をかけましたところ、ご協力いただけることになりました。
 それが、今日まで継続されていますので、10年余もの長きにわたって、皆様にお届けできていることに誇りを持っています。
【 注 】
 今月は、図版ファイルのページ数が多いためにリンク付きURLにて掲載しています。
本
■    今月のおすすめ

   『「日本を守る 強く豊かに」―次世代の日本を築くための政策を訴えるー』

(高市 早苗著 ワック文庫)


 

出版社 ‏ : ‎ ワック   新書 ‏ : ‎ 232ページ
発売日 ‏ : ‎ 2024/9/21
ISBN-10 ‏ : ‎ 4898319076
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4898319079

 

本

■    総裁選で高い評価を得た、著者の明るい未来の国家戦略をみる(はじめに)
 今月のおすすめ本は、次の首相を決める自由民主党の総裁選において、決選投票で敗れたものの、第1回投票ではトップに立った、著者・高市早苗の国家戦略についての著書です。
 今回の総裁選の候補者9人の中で、日本の未来を俯瞰的に語っていたのは、著者、高市早苗です。著者が画く日本の未来を、紹介本から見てみましょう。紹介本と併せて、紹介本の集約版である、2024年9月9日に著者が総裁選の出馬表明に当たり発表した、政策集も見てみましょう。
(著者の出馬表明に当たり発表した政策集は以下URLを参照下さい。)
  https://sosaisen.sanae.gr.jp/policycontent/#policy
 ところで、私達コンサルタントは、経営戦略策定に於いて、PEST(Politics、Economy、Society、Technology)分析を行います。著者の示す政策は、今後の日本企業の経営に、良い意味で、大きな影響をもたらすことは間違いありません。その様な意味において、PEST分析の視点から、著者の政策を見てみたいと思います。
 著者の政策・国家戦略を、より正しく理解するために、著者の国家戦略を、マネジメントの基本である、「理念、ビジョン、戦略、戦術」に纏めてみました。以下URLの〔図1〕を参照下さい。
  URL: http://www.glomaconj.com/joho/keiei/sakai20241126-1takaichi.pdf

 纏めてみて、著者の国家戦略は素晴らしいことが解ります。理念、ビジョン、戦略、戦術が「エコシステム」的に繋がっており、政策の実現性は極めて高いと期待できます。総裁選に立候補した他の8名の候補者の方々で理念、ビジョン、戦略、戦術を体系的に示せたのは著者だけでした。
 著者のこの素晴らしい国家戦略は6つPOLICY(分野戦略;実行計画)として表現されています。『①大胆な「危機管理投資」と「成長投資」で「安全・安心」の確保と「強い経済」を実現』『②「全世代の安心感」を、日本の活力に』『③「防衛力」と「外交力」の強化で、日本を守る』『④「令和の省庁再編」に挑戦する』『⑤今を生きる日本人と次世代への責任を果たす』『⑥信頼される自民党、強い自民党へ』の6つです。(詳細は〔図1〕を参照ください。)
 6つのPOLICYの中の<POLICY1>『大胆な「危機管理投資」と「成長投資」で「安全・安心」の確保と「強い経済」を実現』政策から、「危機管理投資」と「成長投資」について次項で見てみましょう。
本
■    明るい日本の未来を築く、「危機管理投資」と「成長投資」
 著者の考えは、「危機管理投資」と「成長投資」に国家が積極的に投資を行い、経済安全保障を確保しながら、同時に、経済を活性化させ、強い日本を創り上げる好循環を創出しようとの発想です。その好循環における、スタートライン的な位置づけである、「危機管理投資(PLAN1~PLAN5)」と「成長投資(PLAN6)」に焦点を当ててみましょう。
 詳細は、〔図1〕のP4~P6の『「POLICY1」を達成するための「戦術・行動計画;PLAN1~PLAN6」』を参照下さい。
 

【食糧安全保障の確立(PLAN1)】
 著者は、日本の食料自給率は、カロリーベースで38%であり、世界の食料需要増加とサプライチェーン・リスクを考えると、農林水産業・食品産業を成長産業に発展させ、安定的に安全な食料を確保出来る様にする必要があると主張します。
 対応政策として、中山間地域も含め全ての田畑をフル活用できる環境作りのために、耕作放棄地解消対策、新規就農者支援、鳥獣被害対策などを講じ、持続的な食料供給の仕組みの導入を提言します。
 また、天候に左右されず、自然災害に強く、閉鎖した工場や学校・空き店舗・宇宙でも農作物の生産が可能な、従来型の5倍の生産性を誇るモジュール型の「完全閉鎖型植物工場」や、気候変動に影響されずに水産物を供給する「陸上養殖」の普及に向けて、高額な初期投資に対して、国による支援の強化を提言します。
 

【エネルギー・資源安全保障の強化(PLAN2)】
 著者は、日本のエネルギー自給率は、12.6%で、データセンター等の増加による電力消費量の急増は、大きな懸念事項であり、米・カナダ等でさえ対応策を打っていると指摘します。日本においても、特別高圧の電力を「安定的に」「安価に」供給できる対策を講じなければ、日本の立地競争力は弱くなり、円高で海外に転出した企業の国内回帰も困難になると指摘します。
 この、エネルギー安全保障への対応として、2020年代後半に向けては、軽水炉に比べ、小型化による安全性と経済性の向上が期待されるSMR(小型モジュール炉)や、高温ガス炉など「次世代革新炉」に関する取組を支援し、2030年代に向けては、「核融合炉(ウランとプルトニウムが不要で、高レベル放射性廃棄物が出ない高効率発電設備)」の実装を、着実に推進すべしと提言します。
 また、様々な産業に欠かせない重要鉱物については、国際情勢や地政学リスクに左右されない「国産資源開発」についても積極的な投資が必要であると指摘します。
 この、資源安全保障については、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で取り組んできた南鳥島海域のレアアース泥の、探査・採鉱・ 揚泥・製錬まで一連で行うシステム技術の開発を急ぎ、また、日本のEEZ及び公海における海底熱水性硫化物鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガンノジュールについて、採鉱・揚鉱、選鉱・製錬、等の取組を推進すべしと提言します。(南鳥島とEEZについては下記URLの〔図2〕「海洋における危機管理投資と宇宙における成長投資」を参照ください。)
 URL: http://www.glomaconj.com/joho/keiei/sakai20241126-2takaichi.pdf

 

【「現在と未来の生命」を守る『令和の国土強靭化計画』(PLAN3)】
 首都直下地震で855兆円、南海トラフ地震で1541兆円。土木学会が試算した被害額です。著者は、このような甚大な被害額を念頭に、「事前防災」と「事後防災」強化の必要性を強調します。また、気候変動による自然災害も激甚化しており、「現在と未来の生命」を守ることが何よりも大切とします。
 これらを踏まえ、現行の『防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策』は令和7年度までなので、防災科学の知見も活用し、気候リスク管理も含めた有効な後継計画の策定を提言します。
 また、集合住宅の老朽化対策に着手するとともに、全国に900万戸以上ある空き家対応は、防災・防犯上の課題とし、都市再生機構(UR)を中心に、街作りと併せて「買取り」「改築」「管理・売却の代行」を一体的に行える制度の構築を提言します。
 

【サイバーセキュリティ対策の強化(PLAN4)】
 著者は、国民の生命、金融資産、個人情報などを守り抜くために、サイバー防衛力を世界最高水準に引き上げていくことを掲げます。同時に、高度なセキュリティとアフターケアを備えた製品・サービスの開発を促進し、国内や友好国に展開することによって、経済力の強化も期待できるとします。
 具体的には、「能動的サイバー防御(ACD;Active Cyber Defense)」を可能にするための法制度整備を急ぐとともに、「復旧(レジリエンス)方針」の策定を提言します。高度なサイバー攻撃に対応するAIを用いた技術、衛星量子暗号通信、耐量子暗号技術などの研究開発を加速するとともに、早急な人材育成を提言します。加えて、昨今の情報戦では、偽情報やサイバープロパガンダによる認知領域への攻撃が重大な脅威となっており、国民を守るための法制度整備とともに、偽情報を検知・分析・評価する技術の開発の促進を提言します。
 

【健康医療安全保障の構築(PLAN5)】
 著者は、経済安全保障担当大臣として、原材料の殆どを海外に依存していた抗菌性物質製剤を「特定重要物資」に指定し、国産化に向けた取組を始めました。また、科学技術政策担当大臣として、AMED(日本医療研究開発機構)による「創薬力の強化」「治療方法の研究」「医療機器開発」などに取り組んできました。ワクチンや医薬品の開発・生産は、海外情勢に左右されてはならず、安全保障に関わる課題であり、原材料・生産ノウハウ・人材を国内で完結できる体制の構築を提言します。
 

【成長投資の強化(PLAN6)】
 著者は、日本に強みがある多くの技術の社会実装とともに、勝ち筋となる産業分野につき国際競争力強化と、人材育成に資する国の戦略的支援の構築を提言します。
 具体的には、全固体蓄電池、産業用機械・ロボット、積層造形技術、マテリアル、電磁波、電子顕微鏡、核磁気共鳴装置、超電導、宇宙(スペースデブリ除去・軌道上サービス・測位衛星・SAR衛星・ロケット等)、コンテンツ関連を含むクリエイティブ産業などの分野につき、更なる国際競争力強化と人材育成に資する国の戦略的支援の強化を提言します。
 加えて、新たな技術領域(6G=Beyond 5G、生成AI、データプライバシー、自動運転、フォーメーションフライト衛星通信など)において、安心・安全・信頼性を確立しながら活用を進めるために、必要な法制度と環境の整備を提言します。
 更には、「量子技術イノベーション」を進め、量子計測、量子シミュレーションなどの技術領域への国の支援を提言します。(SAR衛星については下記URLの〔図2〕「海洋における危機管理投資と宇宙における成長投資」を参照ください。)
URL: http://www.glomaconj.com/joho/keiei/sakai20241126-2takaichi.pdf

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■    総裁選1回目投票でトップの著者の国家戦略に期待。(むすび)
 著者の国家戦略には多くの党員の共鳴があり、総裁選の第1回目の投票では、181票(党員票109、議員票72)と2位の石破氏の154票(党員票108、議員票46)を大きく引き離し、トップになりました。しかし、国家戦略の優劣より、私利私欲や権力争い色の強い決選投票では、残念ながら逆転され、著者は、総理にはなれませんでした。
 しかし、これだけの支持を得た著者の卓越した国家戦略は、今後の国家運営に影響を与え続けるものと思っています。著者の国家戦略を理解し、将来実現されることを期待し、希望をもって、国家運営を注視していきましょう。

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【酒井 闊プロフィール】
 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。  企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。
【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。
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