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【筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ】 ロジカル・シンキング 002 他書とどこが異なるか(1) 執筆者が苦しんで生み出した秘伝

2023-03-31 08:16:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<思考法編>

  【筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ】 ロジカル・シンキング 002 他書とどこが異なるか(1) 執筆者が苦しんで生み出した秘伝

「筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ」

 この度、日本人の多くが不得意としている論理思考力体得のための書籍「ロジカル・シンキングがよくわかる本」を、新規書籍に匹敵するくらい大幅改訂をして上梓することになりました。

 ロジカル・シンキングを身に付けて、筋の通った思考をし、説得力ある表現力を身に付け、一歩上の人生を歩んでいただくことを祈念しています。

 


■■自己変革体験をベースにしたロジカル・シンキング書

 ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。2006年に本書初版を出版してから3回の大きな改訂を含む改訂を繰り返してきたロングセラー・ビジネス書です。

■ 本書執筆の契機

 筆者は、必ずしも論理思考力を駆使して、商社マン10年、経営コンサルタント約半世紀を過ごしてきたわけではありません。むしろ、論理思考の必要性を痛感してきました。

 そのために、業務を通して必死に論理思考力を身に付ける努力をしました。努力をしたといいますよりは、努力をせざるを得なかったのです。
 その過程で、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングが、論理思考を業務に活かせることを発見しただけではなく、ロジカル・シンキングそのものが論理思考力を身に付けるための強化ツールであることも発見しました。

■ 他書とどこが異なるか

 論理思考に関する書籍はコーナーがひとつできるほど、いろいろな書籍が出ています。ロジカル・シンキングは、その中でも比重が非常に高く、従って既刊書の数も他の分類よりも多くなっています。

 本書は、大きく、次の5つの点で他書と異なっているといえます。

 ①論理思考を不得意としている者が執筆している
 ②講演・執筆実績から内容が進化し続けている
 ③筆者自身の思考力養成体験から執筆している
 ④ハウツー本+トレーニングブックという性格を持っている
 ⑤ロジカル・シンキングだけではなくコミュニケーション力も重視

 ここでは、①のポイント「論理思考を不得意としている者が執筆している」について、お話します。

 商社マン10年、苦手意識の強い論理思考から、いかに自分を奮い立たせ、苦手からの脱却を図るかの苦闘していましたが、その経験をもとに書いています。

 それに対して、大半のロジカル・シンキング書籍は、その分野の専門の先生が執筆されています。すなわち、論理思考が得意な先生が執筆されている既刊のロジカル・シンキング書籍と一番大きく異なることが違いの一つなのです。



■ 本書の内容

 本書の目次は、下記のようになっています。
  第1章 ロジカル・シンキングの基本と本質
  第2章 ロジカル・シンキングの思考手法
  第3章 ロジカル・シンキングで活用する便利なツール
  第4章 ちょっと高度なツールでロジカル・シンキングに挑戦
  第5章 ロジカル・シンキングによるニーズ把握
  第6章 ロジカル・コミュニケーションで理解を得る

 本書第1章から2章までは、論理思考力を高めるために、ロジカル・シンキングに不可欠な基本的知識を応用力として活かすには、なにが基本で、どの様な思考手法を「体得」したら良いのかという観点を重視しました。

 第3章では、ロジカル・シンキングを行う場合に必要なツールについて、どのようなツールがあり、それをどのように使ったらより効果を上げられるのか、利用面からの分類と特質を詳説しています。

 第4章以降は、ロジカル・シンキングを実務にどの様に活かすか、とりわけコミュニケーションを効果的に進めるには、ロジカル・シンキングを通した論理思考をいかに活かすかという視点で改訂しました。

 本書は、単なる読み物として、あるいは参考書としてのロジカル・シンキングではなく、実務に使いながら、論理思考力を高められるように、「思考しながら体得する」をキーワードにして追補し、改訂しました。

 

■ 詳細情報・ご注文

 書店でご注文して下さると幸いです。

 アマゾンでも購入できますので、こちらからのご注文でも結構です。

  図解入門ビジネス 最新ロジカル・シンキングがよくわかる本 | 今井信行 |本 | 通販 | Amazon

 まとめ買いで割引購入もできます。(2023年4月4日まで)

  https://www.amazon.co.jp/b/ref=p_mtm_mde3_dp_d?ie=UTF8&node=10538264051&pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=product-alert&pf_rd_r=GNG1D1ZESW286987W34S&pf_rd_r=GNG1D1ZESW286987W34S&pf_rd_t=201&pf_rd_p=2d3c3475-3a7b-49be-9915-9854a7b72b05&pf_rd_p=2d3c3475-3a7b-49be-9915-9854a7b72b05&pf_rd_i=4798068896

 

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【筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ】 ロジカル・シンキング 003 他書とどこが異なるか(2) 講演・執筆経験から進化を続ける

2023-03-31 08:16:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<思考法編>

  【筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ】 ロジカル・シンキング 003 他書とどこが異なるか(2) 講演・執筆経験から進化を続ける

「筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ」

 この度、日本人の多くが不得意としている論理思考力体得のための書籍「ロジカル・シンキングがよくわかる本」を、新規書籍に匹敵するくらい大幅改訂をして上梓することになりました。

 ロジカル・シンキングを身に付けて、筋の通った思考をし、説得力ある表現力を身に付け、一歩上の人生を歩んでいただくことを祈念しています。

 


■■自己変革体験をベースにしたロジカル・シンキング書

 ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。2006年に本書初版を出版してから3回の大きな改訂を含む改訂を繰り返してきたロングセラー・ビジネス書です。

■ 本書執筆の契機

 筆者は、必ずしも論理思考力を駆使して、商社マン10年、経営コンサルタント約半世紀を過ごしてきたわけではありません。むしろ、論理思考の必要性を痛感してきました。

 そのために、業務を通して必死に論理思考力を身に付ける努力をしました。努力をしたといいますよりは、努力をせざるを得なかったのです。
 その過程で、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングが、論理思考を業務に活かせることを発見しただけではなく、ロジカル・シンキングそのものが論理思考力を身に付けるための強化ツールであることも発見しました。

■ 他書とどこが異なるか

 論理思考に関する書籍はコーナーがひとつできるほど、いろいろな書籍が出ています。ロジカル・シンキングは、その中でも比重が非常に高く、従って既刊書の数も他の分類よりも多くなっています。

 本書は、大きく、次の5つの点で他書と異なっているといえます。

 ①論理思考を不得意としている者が執筆している
 ②講演・執筆実績から内容が進化し続けている
 ③筆者自身の思考力養成体験から執筆している
 ④ハウツー本+トレーニングブックという性格を持っている
 ⑤ロジカル・シンキングだけではなくコミュニケーション力も重視

 

 ここでは、②の違い「講演・執筆実績から内容が進化し続けている」について、お話します。

 筆者自身、論理思考が苦手であることからどのようにしたら脱出できるかを考え、スキル改善の努力を繰り返してきました。論理思考ができる人から見ますと、なんと稚拙な経験だろうと思われても仕方のないようなことの連続でした。

 逆に、論理思考に弱い人が、いかにしたら論理思考を身に付けられるかの技、”ノウハウ”を体得できたといえます。論理思考のできる人には、体験できない「体験」をできたのです。

 その体験を基に、ビジネスパーソン向けに、一千時間近くも講師経験と書籍や雑誌の執筆時間投入をしてきました。

 本書の改訂は、その体験を基に続けてきましたので、初版と比較しますと、内容的にも大きく異なってきました。研修等の内容も毎回と言っても過言でないほど、改良・改訂をしてきました。けっして自慢のできる体験ではありませんが、そこから見出したノウハウが潜んでいます。

 これが、他書とは異なる二つ目のポイントです。



■ 本書の内容

 本書の目次は、下記のようになっています。
  第1章 ロジカル・シンキングの基本と本質
  第2章 ロジカル・シンキングの思考手法
  第3章 ロジカル・シンキングで活用する便利なツール
  第4章 ちょっと高度なツールでロジカル・シンキングに挑戦
  第5章 ロジカル・シンキングによるニーズ把握
  第6章 ロジカル・コミュニケーションで理解を得る

 本書第1章から2章までは、論理思考力を高めるために、ロジカル・シンキングに不可欠な基本的知識を応用力として活かすには、なにが基本で、どの様な思考手法を「体得」したら良いのかという観点を重視しました。

 第3章では、ロジカル・シンキングを行う場合に必要なツールについて、どのようなツールがあり、それをどのように使ったらより効果を上げられるのか、利用面からの分類と特質を詳説しています。

 第4章以降は、ロジカル・シンキングを実務にどの様に活かすか、とりわけコミュニケーションを効果的に進めるには、ロジカル・シンキングを通した論理思考をいかに活かすかという視点で改訂しました。

 本書は、単なる読み物として、あるいは参考書としてのロジカル・シンキングではなく、実務に使いながら、論理思考力を高められるように、「思考しながら体得する」をキーワードにして追補し、改訂しました。

 

■ 詳細情報・ご注文

 書店でご注文して下さると幸いです。

 アマゾンでも購入できますので、こちらからのご注文でも結構です。

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【筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ】 ロジカル・シンキング001 自己変革体験をベースにしたノウハウ書をご紹介

2023-03-30 08:16:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<思考法編>

  【筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ】 ロジカル・シンキング001 自己変革体験をベースにしたノウハウ書をご紹介

「筋の通った人生を送るためのスキル体得ノウハウ」

 この度、日本人の多くが不得意としている論理思考力体得のための書籍「ロジカル・シンキングがよくわかる本」を、新規書籍に匹敵するくらい大幅改訂をして上梓することになりました。

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■■自己変革体験をベースにしたロジカル・シンキング書

 ビジネスに役立つ論理的思考法「ロジカル・シンキング」が図解でよくわかる入門書です。2006年に本書初版を出版してから3回の大きな改訂を含む改訂を繰り返してきたロングセラー・ビジネス書です。

■ 本書執筆の契機

 筆者は、必ずしも論理思考力を駆使して、商社マン10年、経営コンサルタント約半世紀を過ごしてきたわけではありません。むしろ、論理思考の必要性を痛感してきました。

 そのために、業務を通して必死に論理思考力を身に付ける努力をしました。努力をしたといいますよりは、努力をせざるを得なかったのです。
 その過程で、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングが、論理思考を業務に活かせることを発見しただけではなく、ロジカル・シンキングそのものが論理思考力を身に付けるための強化ツールであることも発見しました。

■ 他書とどこが異なるか

 論理思考に関する書籍はコーナーがひとつできるほど、いろいろな書籍が出ています。ロジカル・シンキングは、その中でも比重が非常に高く、従って既刊書の数も他の分類よりも多くなっています。

 本書は、大きく、次の5つの点で他書と異なっているといえます。

 ①論理思考を不得意としている者が執筆している
 ②講演・執筆実績から内容が進化し続けている
 ③筆者自身の思考力養成体験から執筆している
 ④ハウツー本+トレーニングブックという性格を持っている
 ⑤ロジカル・シンキングだけではなくコミュニケーション力も重視

■ 本書の内容

 本書の目次は、下記のようになっています。
  第1章 ロジカル・シンキングの基本と本質
  第2章 ロジカル・シンキングの思考手法
  第3章 ロジカル・シンキングで活用する便利なツール
  第4章 ちょっと高度なツールでロジカル・シンキングに挑戦
  第5章 ロジカル・シンキングによるニーズ把握
  第6章 ロジカル・コミュニケーションで理解を得る

 本書第1章から2章までは、論理思考力を高めるために、ロジカル・シンキングに不可欠な基本的知識を応用力として活かすには、なにが基本で、どの様な思考手法を「体得」したら良いのかという観点を重視しました。

 第3章では、ロジカル・シンキングを行う場合に必要なツールについて、どのようなツールがあり、それをどのように使ったらより効果を上げられるのか、利用面からの分類と特質を詳説しています。

 第4章以降は、ロジカル・シンキングを実務にどの様に活かすか、とりわけコミュニケーションを効果的に進めるには、ロジカル・シンキングを通した論理思考をいかに活かすかという視点で改訂しました。

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【経営コンサルタントのお勧め図書】『世界インフレの謎』 世界インフレの原因は戦争? 2303

2023-03-26 11:05:03 | 【経営】 経営コンサルタントの本棚

本  【経営コンサルタントのお勧め図書】『世界インフレの謎』 世界インフレの原因は戦争? 2303

経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4火曜日にご紹介します。

 

 【経営コンサルタントの本棚】は、2012年に、経営コンサルタントがどのような書籍を読んでいるのか知りたいという、ブログ読者の声を反映して企画いたしました。

 幸い、日本で最初に創設された経営コンサルタント団体である日本経営士協会には優秀な経営士・コンサルタントがいらっしゃるので、その中のお一人である酒井闊先生にお声をかけましたところ、ご協力いただけることになりました。

 それが、今日まで継続されていますので、10年余もの長きにわたって、皆様にお届けできていることに誇りを持っています。

【 注 】

 本文中のリンクをクリックしますと図版資料をpdfファイル形式で開けます。

 リンクサイトがhttpsではなくhttpサイトですので、その際に警告表示が出ることがありますがクリックして下さっても大丈夫です。

本

■    今日のおすすめ

  『世界インフレの謎』   (著者:渡辺 努 発行所:講談社現代新書)

 


本

■ 世界インフレはウクライナ戦争以前に始まっている(はじめに)


 著者は、日本銀行出身の金融政策の専門家です(経済諮問会議特別セッション8人の一人。東大大学院教授、キャノングローバル戦略研究所研究主幹)。
 大規模データによる経済分析を得意とする著者の「世界インフレ」の分析を是非知って頂きたい思いで紹介本を採りあげました。
 世界のインフレの動きをコアCPI(食品とエネルギーを除く消費者物価指数/日本はコアコアCPI)を見てみましょう。


 【図表1】を見てください(ここをクリック)。

 【図表1】から分ることは、日本を除き、アメリカ、イギリス、ユーロ圏のコアCPIについて同じ動きを確認できます。それは2021年半ばからインフレが起こっていることです。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻以前からインフレが起こっているのです。ウクライナ侵攻の影響は若干みられるものの、一つの要因ではあっても、本質的な要因ではありません。


 著者は、世界経済の代表とも言える、アメリカに焦点を絞り、著者のデータ(【図表2】「米国のフィリップス曲線」)と「フィリップス曲線」理論に基づき、「世界インフレ」の要因を探索しています。著者の探索のプロセスを見てみましょう。


 【図表2】「米国のフィリップス曲線」を見てください(ここをクリック)。
 【図表2】は、縦軸にインフレ率(コアCPI)横軸に失業率を置き、2007年1月~2020年12月を●印で、2021年1月~2022年5月を■印でプロットしたものです。
 【図表2】は重要なことを示しています。それは、2007年1月~2020年12月の168個(14年×12ヶ月)の●印は、『2.1%-0.083×失業率』で表される「フィリップス曲線」理論の点線の直線の範囲で変動していることが判ります。即ち需要が上がり景気が良くなれば失業率が下がる、一方需要が下がり景気が悪くなれば失業率が上がる「フィリップス曲線」理論通りに動いていたのです。


 しかし、2021年1月~2022年5月の17個(1年5か月)の■印は、3個(2021.1~2021.3)を除き「フィリップス曲線」理論の点線直線から大きく外れている事が判ります。従来の「フィリップス曲線」理論の動きに沿わない、何らかの要因がコアCPIを動かしていることが判ります。


 著者は「フィリップス曲線」理論を「インフレ率=インフレ予想-a×失業率+X」の数式で現し、このXを「ファクターX」と呼び、Xが大きければ「フィリップス曲線」理論から外れた動きになるとします。このXの解明が、「世界インフレの謎」を解くことになります。


 それでは次項で『「ファクターX」は何か』を見てみましょう。

本

■ 「ファクターX」はコロナの世界的な感染拡大(パンデミック)の後遺症


 著者は、「ファクターX」について次の様に結論付けます。


 『ロシアのウクライナ侵攻と資源高は本質ではない。2022年2月の侵攻より前からすでに米欧でインフレが進んでいた。その本質は新型コロナウイルスのパンデミックの後遺症だ。これは「①個人消費がサービスからモノにシフトした」「②感染拡大で職場から離れた労働者が戻ってこない」「③グローバル化の反転-供給網の機能不全-」の3つの事象に集約できる』と。


 三つの事象について、以下で詳しく見てみましょう。


【個人消費がサービスからモノにシフトした】
 【図表3】と〔補足資料3-①、3-②〕を見てください(ここをクリック)。
 【図表3】は、コロナのパンデミックが始まった2020年1月から2022年3月の間の、サービス消費が4%減り逆にモノ消費が4%増えたことを示しています。


 つまり、過去のサービス消費比率の拡大に終止符を打ちモノ消費比率が大きく伸びた変容を、〔補足資料3-②〕ではおぼろげにしか見えない変容を、つまびらかにしたのです。


 この消費行動変容による、モノの需要増に伴う供給が追い付かず、異常インフレとなったのです。特に、〔補足資料3-①〕が示す通り、耐久財需要が著しく増えたのです。その例としては、パンデミックへの恐怖から、スポーツ・ジムを退会し自転車を購入して体を鍛えた例、在宅勤務の急増に伴う耐久財需要増などを挙げることが出来ます。


【感染拡大で職場から離れた労働者が戻ってこない】
 最近のアメリカの労働市場に異常値が出ています。それは、インフレ率を上げても失業率が下げ止まる失業率の最低ラインNAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment:自然失業率=完全雇用下における理論的失業率)の理論が通用しない事態が起こっています。アメリカではNAIRUは4%とされていましたが、2023年1月の失業率は3.4%と大きく下回ったのです。


 この異常値の背後にあるメタは、著者が指摘するパンデミックの「後遺症」である「大退職(Great Retirement)」と呼ばれている事象です。


 【図表4】と〔補足資料4-①、4-②、4-③〕を見てください(ここをクリック)。


 パンデミックの「恐怖心」などが労働者に広がり、労働者の「大退職」が起こります。米国非労働力人口(職を求めない)が、コロナ前の2020年2月は9505万人でしたが、コロナ直後の2020年4月には1億354万人と849万人増加します。しかし、コロナが落ち着いた2022年5月は約9930万と425万人が戻っていないことが分かります。OECDでも同様な傾向がみられます。【図表4】と〔補足資料4-②の「参考資料」〕参照。


 また、労働参加率からみた場合、264万人(1%)が非労働人口に留まったまま戻って来ないと試算できます。〔補足資料4-②〕参照。


 この事象が、失業率の異常な低下、労働市場の逼迫、賃金の上昇を招き、インフレの要因となっているのです。


 著者によれば落ち着くまでは相応の時間を要するとしています。労働市場の落着きは、求人件数と採用件数の「GAP」が200(万件)を下回ってからでしょうか。注目したいです。〔補足資料4-③〕参照。


【グローバル化の反転 -供給網の機能不全-】
 この事象は、中国を主として起こっています。ゼロコロナ政策による都市・職場封鎖により生産・物流の停滞と供給網の不全が起こり、世界的にサプライチェーンの停滞を起こし、製品の減産と価格の上昇を引き起こしたことは周知の事象です。


 「突然」起こったことは、一般的には、時の経過で落ち着いてきます。しかし、「グローバル化の反転」の再発を恐れ、米企業の92%の企業が数年内に「リショアリング(生産拠点の米国内または近隣国への移転)」を計画している(A・T・カーニー調査)ことなどを考慮すると、パンデミックの終息後も以前のトレンドに戻ることは難しいと思われます。

本

■ 日本がデフレから脱却するチャンス-失われた40年からの脱却-(むすび)


 「世界インフレ」のメタが良く判りましたね。著者は、「世界インフレ」の波が日本に押し寄せている今こそ、デフレ体質から脱却するチャンスと力説します。


 まずは、名目賃金を上げ、その後実質賃金を上げ、好循環経済社会を実現することです。特に、実質賃金を上げる(賃上げと同時に生産性を上げる)ことを可能にするのは経営の力です。経営力による生産性向上の例:伊藤忠が「朝型勤務制度」の採用により2021年度の労働生産性を2010年度比5倍に(2023.2.26日経電子版)。

本

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。
 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

  https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

  http://sakai-gm.jp/

 

【 注 】  著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

 

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック

 経営コンサルタントを目指す人の多くが見るというサイトです。経営コンサルタント歴45年余の経験から、経営コンサルタントのプロにも役に立つ情報を提供しています。

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-32 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(3)

2023-03-24 06:37:32 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-32 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(3)

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-32 リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(3)


 リーダーシップをとるには決断力も不可欠です。決断力の磨き方に漢する最終回です。

◇ リーダーシップにとっての決断力

 情報収集・分析をもとに判断ができても、それを実行して、効果を上げるという決断ができませんと、それまでの作業を活かしきれません。

 部下の面前で決断しなければならない状況に、日常業務の中でしばしば遭遇します。論理思考上では、「発想の瞬発力」が求められます。すなわち、平素よりデータ思考と論理思考ができていますと、適切なタイミングで、適切な対応をとることができます。

 決断ができないのは、検討が十分でなかったり、経験が浅かったりという事情が多く自分に自信がないからでしょう。ロジカル・シンキングによる思考法等が身につきますと、思考の手順や思考の深さが次第に高度化してきて、自分の判断に自信を持つことができるようになります。また、管理会計によりデータ武装ができていますと、話に説得力が増します。

 「念には念を入れる」という癖を付けておくことも大切です。自分が入手して情報は「事実」なのか、「正確」なのかというクリティカル・シンキング的な発想をし、そのウラを取るようにします。ウラは、自分の考えを裏付けするような、自分に都合の良いような取り方ではなく、「真実」「正確」「適性」なのかどうかを確認できるような取り方をします。できれば、性質の異なる、複数の方法でウラを取るようにしましょう。


◇ 行動力

 ダメ企業の経営者・管理職は、頭で仕事をして、体を動かさない、いわゆる「頭でっかちの行動力足らず」の人が多いです。

 平素から、部下やメンバーに共通目標を掲げ、双方向コミュニケーションを通じて共通認識し、自分自身も彼等の行動とベクトルをあわせた共通行動をとるように心がけます。

 また、複々線思考・行動が取れなければなりません。リーダーの大半が、一つの仕事だけではなく、複数の業務を並行して進めなければならないでしょう。常に複数のテーマを並立的に思考し、行動できるようでなければならないのです。

 部下やメンバーは、万一、自分達の判断が間違えていたり、結果が好ましくなかったりしても、それが「失敗」ではなく、「気づきの機会」であるというプラス思考の判断に繋がるでしょう。


◇ バランス力

 リーダーというのは、決断の連続といいましても過言ではないほど、その連続です。

 リーダーは、理念や計画、ビジョン等を示すだけがリーダーシップがとれるわけではありません。組織全体がスムーズに活動できているのかどうかだけではなく、部下やメンバー一人一人を観て、管理や指導をします。人間関係に気をくばることも重要です。

 組織力を活かすためには、同質な人だけの構成よりも、異質、タイプの異なるメンバーで構成された方が、運営は大変ですが、成果の出せる組織として活動できる傾向が強いです。

 適材適所を念頭においた、人材配置や職務分掌が必要です。

 「経営はバランスである」という名言がありますように、全体最適を常に意識したリーダーシップの取り方と決断が求められるのです。


 このような思考法や行動を日常的に業務に用いて、リーダーシップを発揮するだけではなく、個人的な意思決定にも利用することにより、判断力が高まり、その精度が増してゆくでしょう。

 

<続く>

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-31 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(2)

2023-03-21 07:47:19 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-31 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(2)

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-31 リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(2)

 前項で、リーダーシップの決断力を磨くために、問題発見・課題解決について記述しました。それに関連して追記します。

 

◇ 目標の明確化と伝達力

 年度や中期的な目標は、箇条書きにして、数項目に絞れるような中味を短文で表記したり、標語的に本質を表現したりします。

 それを理解させるには、「年度経営計画」などと題した、仰々しい文書を配布するだけでは不充分です。

 短文や標語を、年度や月度の計画書にも明記します。それら配布した文書を双方向コミュニケーションのたびに目の前に置いて、それを見ながら話をしたり、話の途中で、その資料の当該する部分を指し示したりします。

 社内に掲示するとか、唱和するとか、いろいろな方法を使う企業があります。企業独自のやり方を否定しません。いつでも目につくようであったり、頻繁に耳にするようであったりできる方法をとればよいと考えます。

 上位計画に基づいて、各自の思いを込めて、個別の計画書を作成させることは不可欠です。それだけではなく、組織の計画書作成にも参画させたり、発表会を開いて話を聴く機会を設けたりする方法もあります。


◇ 情報収集力と判断力で適切な意思決定

 ビジネスパーソンにとりまして情報は不可欠です。リーダーには、それはいうまでもなく、その情報を分析し、自社用に加工して精度を上げ、そこから必要な情報を導き出し、的確な意思決定をするようにします。 

 前述のように、俯瞰的、客観的なものの見方とともに、細部まで詳細に見て行きますと、そこから見えることも見落とさない「木も観て森も観る」力が必要です。それにより顧客や市場のニーズを先取りでき、ライバルに差異化(差別化)した商品・サービスを提供できることに繋がるかもしれません。

<続く>

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-30 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(1)

2023-03-17 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-30 プロ管理職のリーダーシップ リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(1)

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-30 リーダーシップを発揮するために決断力を磨く(1)

 

 高いリーダーシップをとれる優れたリーダーというのは、人の心を捉えるのが上手であったり、こちらが意図していないのにいつの間にか、いろいろなことをしゃべらされたりと、催眠術をかけられるがごとくの人が多いです。

 素晴らしいリーダーシップが採れるようになるためには、それなりのスキルが求められます。どの様なスキルを磨いたらよいのかについて、長年の経営コンサルティング経験からまとめてみたいと思います。


◇ 問題発見・課題解決と目標設定力

 リーダーシップを発揮するには、リーダーとしての考え方や目標を明確にすることが不可欠です。それらを明確にするには、現状を正確に分析し、把握することが不可欠です。

 それには、「現状は、これで良いのだろうか」「この状況はなぜなのだろうか」等々、クリティカル・シンキング的な発想を常に巡らせることです。

 リーダーシップにおけます目標設定力とは、マネジメント上からは、短期的な成果を無視はできませんが、スパンの長い、実現可能性も判断基準において「共通目標・共通認識・共通行動」を掲げて、メンバーが動いていくべき目標へとベクトル合わせを図ることです。

 これらは、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングというスキルを身に付けますと、次第に、それが習慣化してできるようになりますし、業務を通じて利用しているうちにスキルがさらに高度化してゆきます。

 これには、俯瞰的・客観的なものの見方や全体最適を目指した決定を常に意識することも必要です。これにより、先入観に捕らわれる思い込みの少ない判断に繋がります。組織やプロジェクト全体の流れを把握でき、部分最適で自己満足することを回避できます。

 

<続く>

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-29b プロ管理職のリーダーシップ 日本型の新しい「管理」のあり方 リーダーシップの定義

2023-03-15 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-29b プロ管理職のリーダーシップ 日本型の新しい「管理」のあり方 リーダーシップの定義

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-29b 日本型の新しい「管理」のあり方 リーダーシップの定義

     < 管理編2-29aの後編>

 

 また、これを受けまして、リーダーシップにつきましては、次のように定義づけしています。

  内外の時代変化を先読みし、
  自分の信念や理念を持ち、
  その適切性を常に疑い、重考し、
  自分に自信を持ち、
  目的と手段を明確にし、
  常に全体最適の視点を持ち、
  機会損失を極力抑えられるように工夫をし、
  関係者が、組織の方向性と人間性の重要性を理解し、
  期待される成果を達成するために
  自主的に行動できるように
  ”温かい管理”を用いて導ける力

 「温かい管理」の基本は、「人間性や自主性を重視して、仕事をしやすい環境・条件を作る」ことです。

 リーダーシップもマネジメントも、またそれを統合した管理も、目標に向かって、組織的に動くことにより、結果に結びつかなくては意味がないのです。

 リーダーシップというのは、「リーダーが持つべきスキルである」と考えていらっしゃる人も少なくありません。しかし、リーダーシップというのは、マネジメントと両方の相乗効果を活かして、管理という統合力があって初めて実務に活かせるのです。

 リーダーはいうまでもなく、リーダーだけではなく、メンバー一人一人がリーダーシップを発揮することで、個人も組織も成長せせていかなければならないのです。

 「管理とは、仕事をしやすい環境・条件作り」のことですので、リーダーシップというのは、部下に対する牽引力だけではなく、上司に対してもリーダーシップを発揮し、上司を動かすことにより、仕事がしやすくなるように条件を整えていくことなのです。

 また、関連部署や関係者に対しても、同様にリーダーシップを発揮することにより、目的や計画を達成することにつなげてゆかなければなりません。

 リーダーシップを発揮するのに、最もやっかいな相手は、自分自身です。自分自身が、仕事をしやすくするために、自分自身にリーダーシップを発揮してゆくのです。

 この様に各方面にリーダーシップを発揮しますと、自分の思考法が変わってきたり、視野が広がってきたりします。「自分がやらなければだれがやる」という気持ちが強くなり、主体性が増してきます。それがモチベーションの高揚に繋がりますので、仕事がスムーズにはかどるようになるのです。

 自分の行動力が高まりますと、上司の見る目も変わり、また周囲の人も耳を貸してくれます。結果として周囲にも変化が起こり、それがさらなる善循環(好循環)に繋がり、全社に活気が漲ってくるのです。

 「管理というのは、監視され、縛られるような感じがする”冷たいもの”」というイメージが強いですが、「管理とは”温かいもの”」なのです。

 

 

 

<続く>

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-29a プロ管理職のリーダーシップ 日本型の新しい「管理」のあり方

2023-03-14 05:46:00 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-29a プロ管理職のリーダーシップ 日本型の新しい「管理」のあり方

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-29a 日本型の新しい「管理」のあり方

 一人の人間が頑張るよりも、複数の仲間が協力しますと「1+1>2」となるのが、リーダーシップの力です。

 リーダーシップは、一般的には「指導力」とか「統率力」と日本語表記されます。

 これまで述べてきましたように、リーダーシップに重要なことのひとつは、目標達成のために計画を共通目標として明示し、それを関係者に共通認識させ、皆で力をあわせて共通行動に繋げることです。その結果、メンバーの意欲が高まり、リーダーへの「信頼」に結びつきます。そして、組織そのものがますます活性化し、目標を達成することに繋がるのです。

 私が所属しています経営コンサルタント団体では、リーダーシップが、メンバーを引っ張る「牽引力」であるのに対して、既述のように「マネジメント」という類似語がありますが、それを区別しています。

 「牽引力」に対して、マネジメントは「統制力」といいます。リーダーにとりましては、この両者いずれもが必要で、この両者をあわせたものが「管理」なのです。


 上述の協会では、管理を次のように定義づけしています。

  内外の時代変化を先読みし、
  発展的P-D-C-Aを継続し、
  計画との差を明確にし、
  その対応策をノウハウとして蓄積し、
  仕事のしやすい環境・条件づくりを通じて、
  機会損失を最小限に押さえ、
  組織で活動し、仕事の効率を最大限上げる
  有機的に連動した行動

【 注 】 同協会では、別項にありますようにPDCAを「PDC+s/a」と表記し、acheduling + adjustingとしています。

 

 

<続く>

 

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■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-28 プロ管理職のリーダーシップ 部下のタイプ別リーダーシップの取り方

2023-03-10 09:47:09 | 【経営・専門業】 あたりまえ経営のすすめ<管理編>

■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-28 プロ管理職のリーダーシップ 部下のタイプ別リーダーシップの取り方

 多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。

 世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。

 ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。

 管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。

 ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。

 エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。

 「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。

 では、「あたり前」とは、なんでしょうか?

 「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。

 あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。

 1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。

メモ

■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方

 本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。

 筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。

 管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。

 「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。

 難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。

 管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。

 管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。

  温かい管理とは  https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f

 ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。

 知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。

 

■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ 

 私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。

 管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

■ 2-28 部下のタイプ別リーダーシップの取り方

 管理職がリーダーシップをとって、業務推進を行う場合に、部下やメンバーの性格や経験など、彼等のパーソナリティに応じた対応をすることにより、効果に差が出てきます。

 ここでは、営業パーソンを例に、仕事のやり方から営業パーソンのタイプ分類方法をご紹介し、その分類に応じたアドバイスや部下指導を行うことに利用していただければ幸いです。


 営業パーソンというのは、基本的には外に出ていますので、報告は不可欠です。その報告書であります、日報をベースに、部下をタイプ別に分類して、リーダーシップを発揮することを、長年、経営コンサルタントとしてやってきました。

 まず、業績という観点で、業績を上げているかどうかというように分類します。

 以下の説明は、その分類の中で、業績を上げている営業パーソンを中心にロジックツリーでご紹介したのが、図にあります通りです。

 成績の良い人を「挑戦性」という視点でみて、その指標が高いか低いかで分類します。業績は、そこそこ上げていますが、挑戦性が低いという分類となり、私は、この様な営業パーソンを「能力出し惜しみタイプ」と呼んでいます。この様なタイプの人は、仕事のしかたを変えるだけで、素晴らしい営業パーソンに変身できる可能性があります。

 月次の計画・目標が提出されましたら、それをベースにじっくりと話し合いをし、月度末に自己採点させる基準も計画書に追記させます。日常活動におきましては、終業前に、翌日のスケジュールを確認します。そして、翌日の報告を受けるときに、そのスケジュール通り行動したのかどうかのチェックをします。また、その結果がどうであったのか、今後の見通しはどうかを、営業日報に追記させます。日報や計画書への追記事項も、その後の報連相の際に必ずチェックをするようにして行きますと、もともと能力を持っている人に多いタイプのために、業績が目に見えて向上して行くでしょう。

 挑戦性指標が高い人は、我武者羅に突っ走ってしまう人がいますので、安全性感覚という視点で、営業パーソンを分類しています。この指標が高い人は、挑戦性も高く、安全性も重視するタイプです。彼等が、計画的に行動しますと業績が向上して行きますので、計画性があるか否かで分類します。

 この分類で、計画性が高いと評価された人は、優秀な人が多いですので、私は「幹部候補生」という分類名を付けています。

 計画性が低い場合には、管理会計的な分析を用いて、分類を進めてみます。

 訪問件数は、営業パーソンのタイプを知るのに重要な指標です。一日の訪問件数が多い場合には、さらに一訪問当たりの投入時間の長さを比較します。訪問件数も多く、時間投入も長い場合には、かなりハードな営業活動をしていることになり、その努力を高く評価すべきです。

 それらの営業パーソンが新規顧客開拓に力を入れているなど、将来の課題にも取り組んでいる場合には「準幹部候補生」と見て良いでしょう。新規顧客開拓など、将来への布石を打たない人の多くは、ベテランといわれる営業パーソンに多いです。その視点でのアドバイスなどに力点を置きますと、もともと、営業パーソンとして良いものを持っていますから、業績が改善されて行くでしょう。

 この様に、営業パーソンを”品定め”する観点で分類して行きますと、どの様な長所・短所を持っているのかが見えてきますので、アドバイスの重点が見えてきます。あとは、温かい管理の手法を用いて行きますと、営業パーソンは成長して行くでしょう。(当該項をご参照ください)


 部下やメンバーが、自己管理ができるようになり、自律してきますと、成長への変化が見てきます。やがて、自律的に、あるいは彼等が主体性をもって、リーダーを支援し、組織に貢献するようになってきますと、リーダーシップを発揮した証左としてみることができ、リーダー自身の励みにもなります。

 すなわちリーダーシップというのは、適切にそれが行使されますと組織が強化され、計画の達成率が改善され、経営理念や経営計画などの実現性が高くなって行くのです。

 

<続く>

 

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