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昨日は、大ファンであり、尊敬する中村勘三郎さんの一周忌メモリアルイベントに参加いたしました。
会場である築地本願寺の屋外特設会場は、約3000人の方で埋め尽くされました。
開演は午後6時だったので、時間が経つごとに寒さが増してきましたが、寒さよりも勘三郎さんに会いたい!その想いの方が強かったのは、皆様同じだと思います。
イベントは、太鼓演奏に始まり、勘九郎さんと七之助さんのご挨拶、ご本人と交遊の深かった方々(笑福亭鶴瓶さん、大竹しのぶさん、渡辺えりさん、野田秀樹さん、江川卓さんなど)の思い出を語るトークショー、勘三郎さんと大竹しのぶさんのデュエット、映画のダイジェスト版放映、勘九郎さん・七之助さん・七緒八君(勘三郎さんのお孫さん)による歌舞伎舞踊など、内容の濃い素晴らしい演出でした。
どの場面においても、会場は「二度と、中村勘三郎の舞台を見ることが出来ない」「ご本人に会えない」という寂しさと涙に包まれましたが、明るいことと賑やかなことが大好きだった勘三郎さんの意を汲んだご家族、出演者、スタッフの方々の言葉や演出により、最後は笑顔をくださったので、勘三郎さんの舞台そのもののイベントであったと思います。
イベントは、白い布に黒い文字で
「ありがとう」という勘三郎さんのサイン入りの垂れ幕で終わりましたが、常に人に感謝を忘れないという勘三郎さんらしいメッセージだと感じました。
映画のダイジェスト版の中で、このようなことをおっしゃっていました
「僕はね、組織を持っていない、いわゆる浮動票なんだよ。だから手を抜いたらおしまい。飽きられたらおしまい。お客さんは離れてしまう。」
まるで、自分への教訓をいただいた気になりました。
あれだけのプロであり、あれだけのファンを持ち、一流と言われる方なのに、常の緊張感と努力を惜しまなかったということを改めて感じ、改めて敬意を表します。
その自分への厳しさがあればこそ、「世界の中村勘三郎」となったのですね。
ご家族、中村家、歌舞伎界はもちろん、日本としても大黒柱のお一人を失ったことは、大きな痛手でしょう。
一ファンに過ぎない私でさえ、今だに悲しみと喪失感でいっぱいなのですから。
でも、明るいお人柄だった勘三郎さんを明るく偲ぶために、今後は、勘三郎さんの芸を受け継ぐ歌舞伎や芝居を観ながら、勘九郎さんや七之助さんを始めとする若手の方々の舞台も楽しみ応援したいと思います。
同じ時代に、十八世 中村勘三郎さんにお会いできたことに心から感謝申し上げます。