WOWOWで立川談春の「文七元結」を聴いた。
文七元結はここ吾妻橋が舞台でもある長編落語だ。
歌舞伎でも菊之助が演じる文七がこれまた良いんだよね~
談春という落語家の噺を聴くのは初めて。この長編落語をなかなか
フルで聴く事はない。談春のこの噺はフルでも飽きずにきけた。
とにかく、主人公の左官の長兵衛が秀逸であった。
長兵衛は良くも悪くも、世間が想像する江戸っ子の典型である。
この単純で情に厚く威勢がイイ江戸っ子を演じるのは難しいものだ。
私の住んでいる所は、この長兵衛が住んでいた長屋があった辺り。
嘘のように、落語に出てくるような人が未だに住んでいるのだ
江戸っ子と言ってもイキのイイ話し方の人ばかりではない。
イキのイイ系と旦那衆のような若干、女性言葉の方と二種類の下町っ子がいる。
そのイキのイイ系の江戸っ子の話し方を談春はものの見事に再現した
WIKIで調べると彼はやはり東京生まれだった。
なので、長兵衛だけで、この長編を聴かせるのだ。
しかし・・残念ながらこの噺は人情噺なのに、ホロッとはこないのだ
長兵衛は素晴らしいのに、吉原の置屋のおかみさん、大店の旦那、
そして若い文七にもう少し、なんだろう・・・それぞれの魂が入っていない。
それは長兵衛に焦点を当てすぎているからなのかな・・・
なんども書くけれど、長兵衛が秀逸だけに残念。
長兵衛は長屋に戻る際に吾妻橋で身投げしようとする文七に出会い、
身投げを止めようと声をかける。
先日、私も吾妻橋の手前、浅草松屋前交差点で意外な人から声をかけられた。
ここには、毎日毎日、募金箱を手にして、チリ地震の時は「チリの為に募金を!」
昨年からは「東北の為に募金を!」とその時々の災害の募金活動をしている人達が
いるけれど、これはかなり胡散臭いグループで、どう見ても、自分たちの方が
募金が必要なんじゃないの?というような身なりの方達だ
私は毎日、目にするたびになぜ警察は取り締まれないのか?と疑問に思っている
その日、私はフキを買った。フキは長いので袋から飛び出ている。
赤信号を待っていた時に、その胡散臭いグループの女性から声をかけられた。
「そのフキどうすんの~?」・・・注)以下、これ以上ないというくらいの秋田弁の
アクセントでお楽しみください・・・
「私、秋田出身なんだよ~、フキ見ると懐かしくて・・どうすんの」
身構えた私は「えー普通に煮ますけれど・・・和風の出汁で・・・」
「そうなんだ~ぁ、煮るんだ~ぁ・・・」
フキって煮る以外に何か一般的な調理法が、秋田ではあるのだろうか
しかしね~、どんな事情があるのかは知らないけれど、秋田からわざわざ
出てきて、なんでこんな胡散臭い募金集めなんかやってんだろう
人生、いろいろですね・・・
そのフキは粟麸と共に煮ました。
私に話しかけてきたオバチャン!秋田に帰って、フツーの生活をして
お腹イッパイ、フキを食べてくださーい