暮らす、生きる、繋がる、持続可能な未来

人も社会も、成長と負荷を切り離して、落としどころを考える。

エコ検定ワンポイント受験講座 No.5

2018-10-24 11:24:22 | ビジネス・教育学習
◇エコ検定受験講座における、気になるポイント整理「その5」です。
◇前回、「パリ協定」が、エコ検定における重要事項であることを取り上げました。
◇その中の「適応策」について、江守氏は、「SDGs」とのシナジーは期待できるとのこと。
◇そこで、エコ検定試験の範囲での「SDGs」までの経緯などを整理をしていきます。

◇ポイント①:「持続可能な開発」の理念の共有化
 ・1987年WCED(環境と開発に関する世界員会)による「Our Common Future(我ら共有の未来)」発表。
 ・「持続可能な開発」という考え方を提唱し、地球環境問題克服の指針として受け入れられた。

◇ポイント②:1992年の地球サミットで「持続可能な開発」実現のための基本原則を採択。
 ・ブラジルのリオデジャネイロにおいて開催された国連環境開発会議(UNCED)
 ・環境と開発に関するリオ宣言(リオ宣言)採択
 ・「共通だが差異ある責任」「予防原則」「汚染者負担の原則」etc.
 ・行動計画「アジェンダ21」採択
 ・会議直前に署名された「国連気候変動枠組条約」「生物多様性条約」

◇ポイント③:2000年の国連ミレニアムサミットで「ミレニアム開発目標(MDGs)」採択
 ・極度の貧困と飢餓の撲滅など、開発途上国における開発目標を掲げている。
 ・2015年までに達成すべき8つの目標と21のターゲットが掲げられている。

◇ポイント④:持続可能な開発を実現するために必要な「持続可能な開発のための教育(ESD)」
 ・2002年に日本は「国連持続可能な開発のための教育の10年(UNDESD)」を提唱
 ・2012年にESDの10年を踏まえ国内で「環境境域推進法」を改正し「環境教育等促進法」を公布。
 ・2013年ユネスコ総会にて「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」採択。

◇ポイント⑤:持続可能な開発目標「SDGs」
 ・2015年の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」採択
 ・「2030アジェンダ」が掲げる持続可能な社会を目指す2016年から2030年までの国際目標
 ・17の目標と169のターゲットで構成されている。
 ・エコ検定の試験で出題される問いかけは、途上国を対象としたのが「MDGs」
 ・途上国を含めて全ての国を対象としたのが「SDGs」ということになります。

2018年10月24日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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エコ検定ワンポイント受験講座 No.4

2018-10-23 07:26:02 | ビジネス・教育学習
◇エコ検定受験講座における、気になるポイント整理「その4」です。

◇「気候市民サミット in 京都」で、IPCC特別報告「1.5℃報告」を取り上げたことを報告しました。
◇「1.5℃」って何のことかといえば、「パリ協定」における努力目標です。
◇エコ検定の試験において、言うまでもなく「パリ協定」は重要事項です。
◇そこで、「パリ協定」について、改めて整理したいと思います。

◇ポイント①:2℃目標の設定
 ・産業革命以前との比較で、世界的な平均気温上昇を2℃より充分に低く保ち、1.5℃に抑えるよう努力する。
 ・先だって発表されたIPCC特別報告「1.5℃報告」で、その実態の大変さが分かり始めてきた。
◇ポイント②:緩和策(GHG排出量のピークを早期に迎えるようにする策)
 ・自主的に緩和(GHG削減)に関する約束草案「INDC」を作成・提出する。
 ・パリ協定を批准する際には草案が取れて、自主的な約束「NDC」となる。
・5年ごとに約束を見直し、進展した目標を提出することになる。
◇ポイント③:長期戦略の策定
 ・長期のGHG低排出発展戦略を策定し、提出するよう努める。
◇ポイント④:適応策(気候変動に適応する力を育む策)
・適応能力の拡充
・レジリエンスの強化(困難な状況でも、しなやかに適応して生き延びる力)
・脆弱性を低減させる世界的な目標設定
・適応計画プロセス、行動の実施責任、適応報告書の作成・提出
◇ポイント⑤:被害と損失(ロス・アンド・ダメージ)
 ・適応範囲を超えた気候変動の影響による被害と損失を救済する国際的仕組みを整える。
◇ポイント⑥:全体の進捗確認(グローバル・ストックテイク)
 ・5年ごとにパリ協定の全体の実施状況の確認。
 ・取組みに対する評価を行う。
◇参考資料として、IPCC特別報告「1.5℃報告」を解説した毎日新聞の記事を添附します。

 詳細は、2018年10月17日・朝刊(大阪版13P)をご残照下さい。
2018年10月22日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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気候市民サミット in 京都「気候危機とIPCCの気候科学」に参加して

2018-10-22 09:33:31 | ビジネス・教育学習
◇一昨日(10月20日)、認定NPO法人気候ネットワーク主催の表記シンポジウムが、京都の龍谷大学にて開催されました。
◇IPCCの研究メンバーでもあります、国立環境研究所の江守正多氏からの報告に始まりました。
◇先だってIPCCからの特別報告「1.5℃報告」が公表されました。
◇江守氏は、第5次報告のメンバーであり、今後発表される第6次報告のメンバーでもあります。
◇ただ、今回の特別報告「1.5℃報告」のメンバーではないようですが、勿論、内容には詳しいです。
◇そこで、シンポジウム聴講と言うよりは、江守氏のお話聴講ということで参加してきました。
◇でも、第3部での東京大学教授の高村ゆかり氏の国の地球温暖化対策長期戦略も非常に参考になりました。
◇この懇談会のメンバーでもあり、さすがに内容には詳しいし、分かりやすい説明で説得力がありました。

◇今まで、気候変動に関して、興味ある人と興味がない人とのギャップが大きかったと思います。
◇しかし、今年の日本での異常気象だけでなく、世界レベルでの異常気象は、共有されていると思います。
◇このIPCC「1.5℃報告」おいては、0.5℃上昇による変化が、予想以上に厳しいことを説明しているようです。
◇現状は既に1.0℃上昇し(産業革命時基準)、この0.5℃の差は、今後の大きな課題となりました。
◇もう、パリ協定を守ったくらいでは、我々は持続可能な地球に棲むことが出来ないようです。
◇日本の損害保険会社も、大袈裟かも知れませんが、事業存続の危機として取り組んでいるようです。
◇各分野の日本の大手企業も、地球温暖化対策はリスクではなく、競争力の源泉と捉えているようです。

◇国はようやく、この2年の石炭火力発電所計画を、今頃、間違いだったと気付いたようです。
◇世界では、石炭火力発電所の収束を図っているのに、日本は新しい計画を立てているのですから。
◇中国も、一旦は石炭火力発電所計画を保護したにもかかわらず再開しようとしているとのこと。
◇しかし、この2年間の間違った政策を元に戻すのは、実態としては大変な事のようです。
◇ある意味で、その位、地球は病んでいるということだと感じます。

◇今年の6月15日に、総理指示で「未来投資戦略2018」と題しての懇談会を開始したとのこと。
◇画期的な技術イノベーションに期待するのではなく、既存技術のコラボでの解決策の方向のようです。
◇確かに、AIと情報ネットのコラボ事例からも、その方向性が間違いではない気がします。
◇結果は分からないけど、画期的なイノベーションを期待しても間に合わない。
◇今ある技術の組合せで解決できるのではないかと言う方向性は、賛同したいと思っています。
◇また我々国民も、真剣に温暖化対策に取り組まないと、大変な世界を招く事になる気がします。

◇それには、我々国民も意識変革が必要だと思います。
◇パリ協定でいう「緩和策」ばかりを追及するのではなく、我々が「適応策」で何ができるかだと思います。
◇NHKの番組「チコちゃんに叱られる」じゃないけれど、「ボーと生きてんじゃねえよ!」
◇というところでしょうか?




2018年10月22日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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エコ検定ワンポイント受験講座 No.3

2018-10-19 10:09:27 | ビジネス・教育学習
◇エコ検定受験講座における学生の反応から、気になるポイント整理「その3」です。
◇昨年度12月のエコ検定試験問題(第23回)を解説しながらの気づいた点です。

◇ポイント①:公共用水域で定められている環境基準には、2種類ある。
 ①人の健康の保護に関する環境基準(健康項目):カドミウム、鉛など
 ②生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目):BOD、COD、全亜鉛など
 BOD(生物化学的酸素要求量)とは
 ・水中の汚染物質を分解するために微生物が必要とする酸素要求量。
 ・値が大きいほど水質汚濁は著しく、主に河川の汚染指標として使われる。
 COD(化学的酸素要求量)とは
 ・水中の汚染物質を科学的に酸化し、安定させるのに必要な酸素の量。
 ・主に海域や湖沼の汚染指標として使われる。

◇ポイント②:生物多様性条約に定める「生物の多様性」とは何か。
 ①生態系の多様性:さまざまな生態系の存在。
 ②種の多様性:種間の差異による、さまざまな生物の種類の存在。
 ③遺伝子の多様性:種内にも様々な差異が存在すること。

◇ポイント③:デカップリングとは何か。
 ・経済成長と環境負荷はトレードオフの関係にあるというのが既成概念。
 ・環境分野では、主に経済成長と天然資源の利用や環境影響を切り離して政策を打つことを指す。
 ・スウェーデンなどの事例では、GDPが上昇しているが、CO2排出量は減少している。

◇ポイント④:都市交通に関する環境対策
 ・モーダルシフト:貨物輸送をトラックから鉄道・船舶へ。
          一般の人々においてはマイカー移動から鉄道・バス移動へ。
 ・パークアンドライド:最寄り駅、バス停までマイカー移動で、電車・バスに乗り換える。
 ・ロードプライシング:道路渋滞、大気汚染対策で、中心部や混雑時間帯に自動車利用料金を課す。

◇ポイント⑤:特定化学物質の製造・取扱事業場でのリスクアセスメントの「環境リスク」とは。
  リスク=有害性×暴露量(摂取量)

2018年10月19日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、CASBEE評価員資格者、エコ検定合格」
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二級建築士ブログ受験講座 「No.8」

2018-10-18 09:06:40 | ビジネス・教育学習
◇今日は、昨日に引き続き「換気設備」ですが、ホルム対策を取り上げます。
◇「法28条の2」において、石綿等に対する衛生上の措置規定がそれに当たります。
◇同・一号、同・二号において、石綿の使用禁止を規定しています。
◇また、同・三号に、クロルピリホスとホルムアルデヒドの規制規定があります。
◇具体的に、令20条の6で、クロルピリホスを使用禁止としています。
◇試験問題に影響してくるホルムアルデヒドの技術基準は、令20条の7と令20条の8です。
◇令20条の7は、建材として利用する場合のホルムアルデヒドの発散を規制する技術基準です。
◇令20条の8は、ホルムアルデヒド抑制対策としての換気設備の技術基準です。
◇法28条2項で居室の換気窓の規定(床面積の1/20)がありますが、これは別ものと考えてください。
◇ホルム対策において、床面積の1/20の換気窓の有無に関わらず居室の換気設備は必要なのです。

◇H30年(本年)の問題では、ホルム対策関連の問題が、5問の設問中2問あります。
◇ひとつは、通気性を確保した開口部の室と廊下等は、同じ規制を受ける規定です。
◇令20条の7第1項一号のかっこ書きにおいて、次のような記載があります。
◇常時解放された開口部を通じてこれと相互に通気が確保される廊下その他の建築物の部分を含む。
◇すなわち、居室ではなくとも、ホルム対策規定において、居室の空間の一部として規制を受けます。
◇「以下、この節において同じ。」とあり、令20条の8の換気設備の基準にも適用されます。

◇もう1問は、令20条の8で規定する、換気設備の必要有効換気量の計算問題です。
◇公式(Vr=nAh)が法令集にありますので、数値を代入すればいいのです。
◇H21年問題で「令20条の7第1項かっこ書き」の規定を応用した図形問題が出ています。
◇常時解放された開口部を通じて通気が確保される廊下・収納を含む必要有効換気量の計算問題です。
◇手を動かして実際に計算してみると、意外と簡単なことが分かると思います。

◇H28年問題では、ホルム対策問題で5択全部を締めていています。
◇令20条の7の建材としての技術基準と、令20条の8の換気設備の設置義務規定です。
◇H26年では、機械換気設置規定で、令20条の7第1項一号のかっこ書き規定適用の出題です。
◇H24年では、令20条の8で規定する換気設備の必要有効換気量の計算問題が出ています。
◇このように、1年おきに出題されていますので、重要事項として把握しておく必要があります。
◇特に、「令20条の7第1項かっこ書き」の規定が、1年おきに設問に絡んでいるので注意です。

◇留意事項のひとつは令20条の7のホルムアルデヒド発散建材を種別ごとに規制する技術基準です。
 ・第一種ホルムアルデヒド発散建築材料:居室の用途での使用禁止
 ・第二種ホルムアルデヒド発散建築材料:居室の用途での使用面積制限
 ・第三種ホルムアルデヒド発散建築材料:居室の用途での使用面積制限
 ・ホルムアルデヒド発散建築材料で令20条の7第4項の大臣認定建築材料:使用面積制限なし
◇もう一つが、令20条の8で規定する、換気設備の必要有効換気量の計算問題です。
◇通気性を確保した開口部の室と廊下等は、同じ空間として規制を受ける規定(令20条の7第1項)を忘れないようにすることです。
◇最後に、今週掲載した「高さ、採光、換気」分野での、過去問の出題傾向分析表を掲載します。


2018年10月18日 by SHRS(シュルズ)「一級建築士、建築基準適合判定資格者」
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