矢沢永吉の本です。ロックが好きな私はこの本を立ち読みしたとき食い入ってしまいました。
特に永ちゃんが好きなわけではありません。むしろこの本を読んでいたとき「ばかっぽい」とすら思ったくらいです。でも馬鹿だけどかっこいいと思いました。
そして彼をスターにした二人の奥さん。すみ子さんとマリアさん。
私はバツイチで子供がいます。離婚する前の私はすみ子さんとそっくりでした。
そして離婚して2年くらい後悔の連続でした。
「なんでこんな目に遭うんだろう。どうして夫婦円満に年を取る人もいるのに私にはできなかったんだろう。息子から父親を奪ってしまった。」という気持ちでした。
その頃私はヘルパーでもなろうかと学校へ行ってました。そこで知り合ったおばさんに私の気持ちを話しました。すると「あなたの旦那さんだった人、特に代わり者じゃないわよ」と言われました。
私も片親で育ったせいか、母の妻としての顔を知りません。だから勝手のわからない私は思い込みで頑張ってしまいました。嫁としての母も知らないのでこれも思い込みと理屈ばかりでした。融通の効かない嫁でした。子供を守ることだけで夫を守るなんてかすめもしませんでした。
「私は被害者じゃないかもしれない。加害者なのかもしれない。」と思うようになりました。
その頃また別の先輩から言われた言葉が「相手は変わらないものなのよ。自分が変わる方がずっと簡単で早いのよ」と言われドキッとしました。
「相手は変わらない。」私は無理矢理自分の思ったようにかえようとして自分では何をしていたのかと思いました。
話は戻りますが、永ちゃんの本の中に出てくる新しい奥さんのマリアさん。
彼女は多額の借金を背負わされるはめになった永ちゃんにこう言います。
「あなたすごいわ。あの事件が起きてから、何一つ生活が変わっていないのよ」
物はなくても心は錦なんです。
永ちゃんは、お金がなくても自分が死んだら家族は泣きながらお墓を建ててくれる。その思いだけで幸せだと思えるようになっていました。
今私には新しいパートナーがいます。そして彼もまたお金に苦労しています。
私は「会社が倒産したら潰し方を知っているのだし、次また上手くやれるよ。生活は二人で働けばいいのだから心配しないで会社のこと頑張れ」と言えます。
この本に出てくるマリアさんは私のお手本です。言葉一つで男を金に替える女性です。
大きな愛と広い心でドンと構えています。ときどき行き詰まったとき読んで勇気をもらっています。
もし機会があれば読んでみてください。