丸坊主に。
背中まであった髪をツルツルくらいまで。
理由は薄毛とめんどくさいかららしい。
石けんで全部洗えると言った。
写真を送ってくれた。
なぜか半分はだかみたいな。
長い付き合いだけどツルツル頭より刺青の多さに改めてびっくりした。
師匠、そういえば半袖のイメージなかったな~。
一昨日、バンドの練習場へ向かう途中に電話が来て、親戚のおじさんが亡くなったと聞いた。
突然のことだった。
くも膜下出血で、見つかったときはもう手遅れだった。
おじさんは半年くらい前に奥さんに先立たれた。
元々お酒が好きで、それが理由になって良くまわりと喧嘩が絶えなかった。
体をこわしても飲み続けて、奥さんが亡くなってからは酔っぱらっていろんなところへ電話しては「さみしい」という日々を送っていた。
私はおじさんと畑をやる約束をしていた。
おじさんは私が家に行くと嬉しそうだった。
なのに突然こんなことになって。
悲しいというか「なにをやってるのよ」という気持ちが湧いていた。
だけど同時におばさんが迎えにきたんじゃないかと思った。
酔っぱらってはまわりに迷惑をかけることなんて近所じゃ有名で、おばさんはいつもかばっていた。
娘のおねえちゃんが私に「たぶんね、お母さんが連れて行ったのよ。お父さんがあんまり手がかかるから、お母さんが今連れて行けば初盆も一緒に出来るし私達の手を煩わすこともないからってこっちにおいでって言ったのよ」と話していた。
私も「お姉ちゃんが言うからだけど、私も似たようなことを思ったよ。おじちゃんが亡くなった日は満月だったね」というと
お姉ちゃんは「あんたもそう思った?私も同じこと考えていたよ」と言っていた。
なんて夫婦だろう。すごいな。
天国へ行っても続く愛情というか絆というか。
おばちゃんはおじちゃんにとっては後妻さんで、おばちゃんはものすごい努力家だった。
おじちゃん達親子と家族になるために、お料理教室へ通い 畑で野菜を育てては無農薬の野菜で作った料理を出し、手作りの洋服とか全てが献身的でいた。
亡くしてみて感じたんだろう。おじちゃんはどんなに自分が大切に思われていたか。
おじちゃんが昔、私に言った。
私「おばちゃんを初めて見たときどう思ったの?」
おじちゃん「キレイだなぁ・・・って思ったよ」
おじちゃんはおばちゃんに会えただろうか。
酔っぱらっては淋しいと言ったのは電話の向こうの私達に言ったんじゃない。自分を置いて天国へ行ってしまったおばちゃんに「お前がいなくて淋しい」と言っていたのだろう。