北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

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JR北海道再生推進会議の提言書の曖昧さ

2015年07月02日 | 日記・エッセイ・コラム
第三者メンバーによるJR北海道再生推進会議の提言書をさらりと読んだ。
当初、作成の予定は無かったが、解散にあたって何か提言を残したいと言うことで作成されたと聞く。
会議の議事録概要は都度公表されてきたが、これと言った内容もなく、JR側の説明というか弁明と今後の施策を聞く内容だったと記憶している。
メンバーの意見も一部公表はされていたが、発言者は内容から推測するにとどまっていた。
今回の提言書もメンバーの誰が中心となって作成したかも不明だが、JR北の事務局がメンバーの意見を斟酌して原案を作成し、最終日にさしたる異論もはさまれることも無く通ったものと感じる。

総じて、会議と今までの調査で出た問題点をまとめて、それに対する対策的なことを大雑把に書いたに過ぎないようで、老眼を押して苦労して読んだが(笑)これと言った目新しい内容はなかった。

「身の丈」とか意味の不明な言葉を使い、「減便・減速・廃線も視野に」と言いながら「廃線は慎重に」と言ったように、どのように理解すべきなのか曖昧な部分も目に付く。
「聖域なき」などは最近の政治で流行の規制緩和で使われる言葉を使ってみたかったのだろう。
「聖域なき」・・・実に聞こえが良いが、意味不明で曖昧な言葉だ。

過去の高速化推進を全面的に否定するのは、現在の経営陣が過去の経営人を否定して意趣返しをしたいのからなのだろうなと、意地の悪い捉え方もしたくなってしまう。

高速化の象徴であったキハ285の開発中止を問題視した北大の吉見教授を社外監査役に取り込んで、この提言書には関与させなかったことも、徹底した過去の経営への否定を感じる。提言では列車運行面での技術開発が先だとしているが、子供でも分かるよ、何をいまさらと言いたくなる。
このまま高速化を断念し、都市間交通は現状維持で進んでいくならば、平行した高速道路のある路線は、今後も一層バスに利用客を奪われ、ジリ貧の一途を辿っていくだろう。
提言書が公表されたとほぼ同時に、留萌線の廃止の提案が地元自治体になされていたとの報道がされた。
提言書に「安易な廃止は慎め」とあるにも関わらず、文章として曖昧に解釈できるところを突いたというか、無視をしたと受け止められても仕方が無いだろう。

安全対策と新幹線をお題目のように唱え、過去の経営陣への意趣返しに終始しているようでは、歪な年齢構成の社員はバラバラになり、根底から企業としての運営に行き詰まり、存在価値を失うかもしれない。
若い社員が、自分の仕事に自信を失っているのではないかという雰囲気も感じられる。
このような若い世代は転職を考えて去って行くかもしれない。
新幹線の要員に一定の人員が必要となることは、急に分かったことでもないのに、運行要員の不足で夏の臨時列車が大幅に減少したのは、大量の離職者が出たからなのかと勘繰ってみたくもなる。

さて、最後に、最も言いたいのは、今のJR北海道には「顧客満足」が抜けてしまっていると言うことだ。
「顧客満足」を与えられない企業は市場から消え去るだけなのだ。かつての国鉄のように。
この会社は「顧客満足」が抜けたままでは、何をやっても無駄な気がする


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