伊達だより 再会した2人が第二の故郷伊達に移住して 第二の人生を歩む

田舎暮らしの日々とガーデニング 時々ニャンコと

小説を発信中

  
  
  
  

  

ジャコシカ79

2018-10-14 11:45:10 | ジャコシカ・・・小説

いつの間にか面白いものを見付けようとして、ネズミ花火を楽しむようなことをやっているのか

も知れない。

 なんだかちょっと厭な気分になってきた。

 そろそろ終わりにしたい。

 どうやらその時だと思った。

 「奥の部屋のカレンダー、随分古いものですね」

 「ああ、古いよ」

 まるで聞かれるのを待っていたかのように、鉄さんは直ぐに答えた。

 「気に入っているのですね」

 「そうだなあ、嫌いじゃない。でも貼ったのはわしじゃない」

 今度はやや間をおいてから答えた。

 「じゃあ、娘さんが」

 高志も間を置いた。

 「あやが・・・・娘はあやと言うのだが、あの娘は毎年貼っていた。あれが最後のだ。

 あれを貼った年に札幌に出て、それからずっと帰って来ていない。だからそのままなんだ。それ

で前にも話した通り、ここの中学を出て直ぐに、札幌の彼女の伯母の所から高校に通った。

 学校を出た後はこれも話した通り、東京に出て服飾の専門学校に入ったと伯母さんからの連絡で

知ったが、その後のことは分からない。何せ音信不通だから」

 さすがにその後を聞くのは躊躇した。

 しかし、ここまで聞いてその後を尋ねないのは、かえって不自然に思えた。

 「どうしてまた、何か訳でもあるのですかね」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする