灼熱の昼下がり

2011-02-09 21:43:53 | 鳥(Birds)


ズグロトサカゲリ(Vanellus miles miles) Masked Lapwing



―モリショウビンやアオマメガンを見ていたら、いつの間にか昼になっていた。

あまりの暑さに絶えかねて慌ててスーパーに駆け込んだところ、物価の高さに驚いた。
何の変哲も無いジュースやビスケットが日本円にして1つ400円相当もするのだ・・・。このままではいづれ所持金が足りなくなるのではないかとゾッとした。
空腹と喉の渇きに耐え切れずに高価なジュースとバナナ、それにオーストラリア名物のTimtamを買い込んで日陰でほおばっていると、大きな声で鳴く鳥がいた。街路樹を見上げると、それはとんでもなく派手なチャートリュースカラーをしたメガネコウライウグイスの雄だった。

民家の近くでは鳥の巣が目立つ。
例えば鉢植えにキバラタイヨウチョウのものと思しき「釣り巣」型をした巣がぶらさがっていたり、植え込みにいくつもの使い古しの巣があったり。探せばいくらでも見つかるのではないかというほど、そこら中に鳥の巣があった。この巣の多さが、オーストラリアの鳥の多さを物語っているようだ。




インドハッカ(Acridotheres tristis) Common Myna


暑さをしのぐため、限られた日陰で休むインドハッカ。
店の裏の植え込みには、スズメみたいにぱらぱらとシマコキンの群れが降りてきた。
写真の個体は若鳥だけれど、シマコキンの成鳥は明るい茶色の胸と黒い顔、クリーム色の腹がチョコレート菓子のようでなんともお洒落。




シマコキン(Lonchura castaneothorax) Chestnut-breasted Mannikin


両側に牧草地や農耕地の広がる広い道沿いでは、トラクターの車輪跡に雨水が溜まってできた小さな湿地で数羽のズグロトサカゲリと無数のインドハッカが採餌していた。
ズグロトサカゲリは接近する私達の存在に気が付くとケリのように「ケケケッ!」と鳴くけれど、鳴くばかりで全く逃げようとはしなかった。




ズグロトサカゲリの翼角から生えた爪はとても鋭い。実は本気になったら恐い?


車を路肩に停めて、道路から少し歩くと、サトウキビ畑に隣接したユーカリ林があった。その林の上には、美しいハチクイの群れが翼を殆ど動かさずグライダーのように飛ぶ。林の中にはグレーでシックな羽色のパプアオオサンショウクイや黒くて地味なテリオウチュウがいた。

この辺りで、本当に体が動かなくなってきたことに気がつく。
あまりの暑さで、頭は朦朧となり汗は滝のように流れる始末。
毎回、暑さに限界を感じた時にやっと見てみる友人の温度計は38℃を指している。これはマズイ。
思えば、この時間帯に日向で作業をしている現地人はほとんどいなかった。そして鳥達は暑さのあまり口をあんぐりと開きっぱなしなものが多い。
これ以上活動するとぶっ倒れると本能的に思い、可及的速やかにその場を後にした。







【2010/03/03/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】