ボイドモリドラゴン(Hypsilurus boydii) Boyd's Forest-dragon
北部亜種の、アイリングや目先の白い羽に茶色が混ざるキアシヒタキが飛んで行った先を見て、私は次の瞬間にはキアシヒタキを目で追うのを止めていた。
なぜならば、そこにドラゴンが居たからだ!
見事な質感の後頭にはそこからミサイルのように突き出たクレストがそびえ立ち、背中にも延々と立ち並ぶ棘がある。また、口角後部に点在する大型隣はアンキロサウルスあたりの背面装甲を彷彿とさせるほどに大きい。
何が言いたいかって、このボイドは、トゲトゲ、ゴツゴツしていればしているほどカッコイイのだという少年思考の私の目を輝かせるのには十分過ぎるほどに魅力的な形態をまさにしていた、という事だ。
ボイドモリドラゴンは、先ほどから熱い視線を送っている私をギロリとひと睨みすると、スルスルと木の幹を登って姿を消した。
【2010/03/06/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】