真昼の森

2011-02-20 08:06:59 | 鳥(Birds)


アオツラミツスイ(Entomyzon cyanotis griseigularis) Blue-faced Honeyeater


お昼頃になり、森の中にあるこのキャンプ場でも日向を歩いていれば平原を歩いているのと暑さ的には何も変わりないことに気付き始めた私は、この気だるい暑さにいよいよ参ってきた。
そこで名案。受付事務所の裏側の木陰に、見れば備え付けの椅子が森に向って置いてあるではないか。それにここには鳥も多い。そこで私達はこの椅子にどっかりと座って、涼しい日陰で座りながらの鳥見と洒落込むことにした。
例え動かなくても、蚊を心配することはもうない。何故ならば、昨晩スーパーマーケットで買ったオーストラリア名物の虫除けスプレー、DEET20%配合の「ブッシュマン」といういかにも効力の強そうなヤツをしこたま体に吹き付けたからだ。ただ欠点を挙げるとすればこの虫除けスプレー、噴射すると鼻を突く刺激臭がして、度々顔をしかめずにはいられないほどであった。後にこの虫除けスプレーを冗談で友人に向って吹き付けたら、しばらく口を利いてくれなくなってしまった。
「におい」というのは記憶に繋がっているもので、この強力な虫除けスプレーの臭いは、後に「DEET臭」「オーストラリア臭」として私達の間で懐かしまれることになるのであった。

この場所にやってきた鳥の中で最もインパクトのあるものは、大型のミツスイであるアオツラミツスイ。このミツスイは全長およそ30cmほどもありながら、木々がよく茂った場所でもサクサク動く。明るい場所ではすっとんきょうな顔をしているけれど、暗い林内では写真のよう瞳孔が広がってやや優しい表情になる。何より名前にもある通り、この顔にある皮膚の裸出部が青色、というのがすごい、顔が青ざめたヤツである。写真の個体は若鳥の証である黄緑色が皮膚裸出部後方上部にまだ少し見られる。




コキミミミツスイ(Meliphaga notata mixta) Yellow-spotted Honeyeater


このコキミミミツスイはアオツラミツスイに比べて体も小さければ性格も控えめで、枝にとまってしばらく動かずにいた。
キミミミツスイ、コキミミミツスイ、ハシボソキミミミツスイのそれぞれ似た3種は、体の大きさや嘴の太さ、虹彩の色などがそれぞれ異なる。
コキミミミツスイなんて名前はもはや早口言葉で、連続する「ミ」をうっかり多めに言ってしまいかねない。




シラフミツスイ(Xanthotis macleayana) Macleay's Honeyeater


ちょうどムクドリほどの大きさのシラフミツスイはミツスイの中でも1番警戒心が薄いようで、花の蜜を夢中で飲んでいるシラフミツスイが気付いたときには1m以内に居た、ということが度々あるほど。
ミツスイの仲間には口角が淡色のラインになるものがいるけれど、例えばこのシラフミツスイは巣立ったばかりというわけではない。








ベニカノコバト(Geopelia humeralis humeralis) Bar-shouldered Dove


このベニカノコバトは、チョウショウバトやカノコバト同様に尾が長くて、飛翔時に尾を開くと葉型になった。羽先が黒くて鎧のように見えるのは背面のみで、体下面はほのぼのしたパステルカラーをしている。



【2010/03/05/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】