The Rainbowfish Stream

2011-02-21 19:24:20 | 鳥(Birds)


モリショウビン(Todiramphus macleayii incinctus) Forest Kingfisher



次々に出現する鳥達に夢中になっていたら、うっかり昼過ぎまでキャンプ場で過ごしてしまった。
昨晩にスーパーマーケットで買った巨大で安いレーズンパンは昨日の晩御飯にしたけれど、この辺りには店の1つも存在しないので仕方なく今朝も、そしてランチにもこのパンをもさもさと食べた。ミネラルウォーターがなければ喉も通らなかったろう。

私達はキャンプ場の南にある平原を適当に見繕って、そのだだっ広い草原を通る一本の狭い農道に入ってみることにした。
道路沿いに林がまだある辺りにはベニカノコバトやフヨウチョウがいて、名前通りハチマキをしているみたいに目の後方からの白いバンドが後頭で繋がるノドジロハチマキミツスイも木々の間を動き回っていた。
田んぼ3枚分ほどもある湿地に差し掛かる頃、草原の草の切れ目に、全身真っ黒で虹彩とアイリング、それから脚が赤いミナミクロクイナが姿を現した。ミナミクロクイナは、次の瞬間にはすぐにまた体が隠れるほどの草の中に入っていった。他には、2羽のカササギガンとミナミクロヒメウ、それからチュウサギが水辺の木にとまって休んでいる。

道路沿いの木にはモリショウビンがとまっていた。この出逢いはこれまでに無いくらい近かったので、背面の絶妙な青色グラデーションを目に焼き付けるのには十分なほどの間、じっくり見入らせてもらった。






広い空の牧草地には、オージー牛がのびのびと放牧されていた。何か羨ましくなる環境だな、なんて思ったり。






草原の中に流れる小川に差し掛かった時、友人が魚屋に変わった。
車を停めてこの小川を覗き込むと、にわかに何やらトカゲがバシリスクばりに水面を走ってあっと言う間に対岸の木立へと姿を消した。これは速すぎて残念ながら影しか見えなかった。
川の畔には小さな水溜りが出来ていて、その周りの泥地には翅上面に小宇宙を描いたようなリュウキュウムラサキが数羽、吸水に来ていた。また、キャラメルバニラのミックスアイスにチョコレートのトッピングをしたみたいな色をしているアフィニスカバマダラは水辺に咲く花にとまっていた。
それから川岸の木の樹冠に咲いた小さくて白い花には、嘴が黒黄バンドのキスジミツスイと茶色で地味なコゲチャミツスイの混群が吸蜜に来ていた。




レインボーフィッシュの仲間


しばらくしてこの小川で「ガサガサ」をしていた友人を見に行くと、控えめな配色のレインボーフィッシュの仲間と、もう1種グラス・エンゼルみたいに魚体が透明の魚が採れていた。






広い、広い平原。
よく見ると、平原の上を地面すれすれにオーストラリアツバメがたくさん飛び交っていた。
平原を言葉もなく眺めていると、目の端に1頭の哺乳類が映った。




スナイロワラビー(Macropus agilis) Agile Wallaby


野生のワラビーを見るなんて初めてのことなものだから、私は相当はしゃぎ喜んだ。
具体的にどのぐらいかというと、例えば少なくとも初めてホンシュウジカを見た時の5倍は嬉しかったと言える。
スナイロワラビーは見つけた時には既にこちらに気付いていて、二足で立ち上がって耳をピンと立ててこちらの様子を伺っている。私達とは50m以上は離れていようというのに、しばらくするとピョンピョンと跳ねて行ってしまった。



【2010/03/05/オーストラリア Cairns,Australia;Mar. 2010】