なかなか見た目の良い男が2人、1人の男の首を締め上げております。ついにその男は絶命。しかし、何かヘン。この殺人に大した動機がないらしい・・・。おまけに2人のうち1人はすんげぇイヤなヤツ。
実際にあった「レオポルド&ローブ事件」をベースにした戯曲の映画化だそうで、、、。
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冒頭に書いた、イヤなヤツってのはブランドンですが、もう1人のフィリップってのが、そもそも何でこんな計画に乗るのか? と素朴な疑問がわくほどの腰抜けなんですね。まあ、複数犯の典型的な組み合わせです。なので、のっけから若干シラケます。
でまあ、途中、おせっかいなというか、KYなオバサンが出てきたり、フィリップが挙動不審になったりと、お約束な展開が続きますが、ここで、ジェームズ・スチュアートが登場します。で、彼が鋭い観察眼で(?)2人の犯行を見抜いて暴く、という訳です。
ミステリーとしては、ハッキリいって、三流以下。倒叙ですが、その醍醐味は全くありません。なぜなら、ジェームズ・スチュアート演じる教授だか何だかが真相を暴くその過程が、いわゆる「ただの勘」ってやつだからです。いくら被害者の帽子を発見したからと言って、フィリップの挙動不審と、家政婦のオバサンの言動だけから、真相が分かるなんて、ほとんどエスパーです、現実なら。
ただ、本作の見どころは、そこじゃないのかも、という気もします。戯曲が基ですから、場面は2人の部屋だけです。つまり映像的に変化に乏しい。そこで、ヒッチコックが工夫した長回しと画面転換に特徴を持たせ、それを本作の見どころの一つとしたのでしょうね。
見どころのもう一つは、殺人を犯すに至った、ブランドンの精神構造について語られるところでしょうか。選民思想といいましょうか、自分は人を殺しても赦される種類の人間で、殺されるのは劣る輩だという、、、。まぁ、こういう手に負えないヤツらってのは確かにいます。殺しはしないけど、自分を相対評価しないと生きていけない人々には、往々にしてこういう思想が程度の差はあれ根底に流れている気がしますね。私の身の回りにもいますから。
そういう輩へのヒッチコックの皮肉? いやぁ、それは違うでしょう。ヒッチコック自身、選民思想に侵されている気がします。選民思想ってのは、ある意味、劣等感に通じるものです。アイツより上、アイツより下、そういう思想です。でも、彼は無自覚でしょうね。もし自覚があったら、もっとパンチが効いた作品になったと思うので、彼の才能ならば。
ブランドンとフィリップは、ゲイカップルということだそうです。まあ、見ている間も、そうかなぁという気はしていましたが。もういいよ、ゲイは。最近続いたもので、いささかウンザリです、、。
完全犯罪ゲームの結末は・・・
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