作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv81516/
以下、公式HPよりあらすじのコピペです。
=====ここから。
ある夏の日。もうすぐ14歳になるバスティアンは、両親と歳の離れた弟と一緒にフランスからカナダ・ケベックにある湖畔の避暑地へとやってくる。2年ぶりに訪れる湖と森に囲まれたコテージ。母の友人ルイーズと娘のクロエと共に、この場所で数日間を一緒に過ごす。
久しぶりに再会したクロエは16歳になっていて、以前よりも大人びた雰囲気だ。桟橋に寝転んでいたクロエは服を脱ぎ捨てると、ひとり湖に飛び込む。「湖の幽霊が怖い?」泳ぎたがらないバスティアンをおどかすようにクロエが話す。
大人の目を盗んで飲むワイン、2人で出かけた夜のパーティー。自分の知らない世界を歩む3つ年上のクロエに惹かれていくバスティアンは、帰りが迫るある夜、彼女を追って湖のほとりへ向かうが——。
=====ここまで。
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公開直後から気になっていたのだけれど、上映館が少ないし、時間も合わない、、、ので、諦めていたのだけれど、ワーナー100周年とやらで、私の最愛の映画の1つ『ダーティハリー』が35ミリフィルム上映されるということで、こりゃ見逃しちゃならん!!とスケジューリングしたらば、15時半くらいまで空白ができたのでチェックしたら、本作がまだ上映されていた!!のでした。わ~い。
……というわけで、初めて渋谷のシネクイントに行ったのだけど、キレイでなかなか良い劇場でした。
◆10代の男女
上記のあらすじしか知らずに見たのだが、想像していたのとはちょっと違っていて、それがむしろ良かった。上記のあらすじから、私は勝手に、心理サスペンス系かと思っていたのだけれど、蓋を開けてみれば、多感な少年少女の繊細なドラマだった。
まず、野暮を承知でリアルなツッコミ。バスティアンとクロエは、13歳と16歳という年齢なのに、同じ部屋で寝起きしているのだよね。いくらバスティアンの弟(4歳くらい?)も一緒とは言え、こんな環境を許す親の神経を疑うわ~。私が親なら(どっちの親でも)、部屋が足りないとかいうのであっても、この環境はあり得ないし、親として生理的に嫌だわ。フランス人的には、これはアリなのか? ……分からん。
で、本題ですが。
正直なところ、クロエちゃんのことはあんまし好きじゃない。ああいう、人の心を試すようなことをする人はちょっとね、、、。でも、まあまだ16歳だし、もうすぐ14歳男子との危うい感じはよく描かれていたと思う。
クロエは母親とあんましソリが合わないようで、父親は不在なのか何なのか(見落としたのかも知れない)よく分からんが、あの母娘関係は先々かなり拗れる予感。で、クロエは孤独感を募らせており、「どこへ行っても馴染めない。ずっと一人ぼっち、、、グスン」とかバスティアンに言って、一緒に布団に入って抱き合ったりしているわけよ。クロエは「馴染めない」と言っているけど、パーティシーンなど見ていると、表面的には馴染んでおり、むしろ男を挑発するような仕草もしている。心からの友ができない、という意味なら、オバサンの眼には“クロエちゃんのキャラなら、まあ仕方ないかな”、、、、という感じに映るねぇ。だって、飽くまで表面的かもしれないけど、やはり奔放(ワガママ)に見えるから。
でも、免疫のない初なバスティアンには、そうは見えない。クロエの言葉をまんま受け止めて、クロエの行動に振り回される。ああ、、、少年よ、違う違う!!とオバサンはスクリーンに向かって心の中で叫んでおりました。
日常を離れた場所で、日頃接触の無い年上美少女に思わせぶりな態度をとられては、バスティアンがおたおたするのも無理からぬ。で、ついつい見栄を張って出まかせを言ってしまう。「クロエと寝た」……ってね。
あーあ、、、と思ったら、やっぱりそれがクロエの知るところとなり、クロエを怒らせることに、、、。そして、取り返しのつかない悲劇の終盤となる。
~~以下、結末に触れています。~~
◆幽霊はいるのか、、、?
悲劇の終盤について、詳細は書かないけれども、“幽霊”の話が伏線になっている。
バスティアンが泳げない、、、というエピソードが出て来たので、何かイヤ~な予感はしたのだけど、まさかね、、、と思って見ていたら、まさかになってしまった、、、ごーん。ラストシーンは、あれは幽霊なのか??というのが、ネット上では一応の謎解きになっているみたい。
……て、見ていない人には訳の分からない文章になっていてすみません。つまり、バスティアンが幽霊になっている、、、ということなんでしょう。
これで、ただでさえ孤独感を抱えているクロエは、罪悪感まで抱えて生きて行かねばならないことになる。こんな結末にする必要あったのかしらん。途中まで良いなぁ~と思っていたのだが、このオチで、ちょっとなぁ、、、となってしまった。自身の言動が遠因となって、人が一人死んでしまう、なんてことをこの年齢で経験するのは過酷。人を簡単に殺しちゃうシナリオは、あんまし好きじゃない。必然性があると感じられれば良いのだが、本作の場合、それはあまり感じられなかった。
それもこれも、クロエとバスティアンを同じ部屋に寝泊まりさせている親のせいだ!! ……とかって、まだ言うか、、、なんだけど、でも結構これはあると思うなぁ。16歳とアバウト14歳だよ? マズいよ、やっぱり。
クロエを演じたサラ・モンプチは、個性的な美少女、、、といったところか。何より、バスティアンを演じたジョゼフ・アンジェルが繊細で実に素晴らしかった。少年というより、ボーイッシュな女の子と言ってもいいような感じで、クロエと並ぶと、どう見たってクロエの方が強そうではある。
監督のシャルロット・ル・ボンは、『イヴ・サンローラン』(2014)での美しさが際立っていたのをよく覚えているけれど、監督として本作が長編デビューとのこと。最近多いですね、女優→監督パターン。俳優→監督は結構あるが、ようやく女優にも道が開けて来たということかしらん。グレタ・ガーウィグよりは、本作の方が好きかも。次作以降、期待。
終始、不穏な感じです(好き)。
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