2021年は韓国LCC勢の大再編の年になる可能性も
韓国のLCCでシェアナンバーワンを誇るチェジュ航空はティーウェイ航空の買収を検討している可能性があると
複数の韓国紙が報じています。
これは大韓航空がアシアナ航空を買収することによる傘下のLCC3社の統合に対抗するものと考えられており、
これまでにチェジュ航空は、アシアナ航空の買収、イースター航空の買収に
これらの航空会社は、地理的にも多くの日本路線を運航していることから、韓国LCCの業界再編で日本路線にも多くの影響が出ることが予想されます。
チェジュ航空 Boeing 737-800 (HL8031)
2019.11月就航(B737-800x2機)
韓国国内線現状・・・済州島路線が圧倒している
空港と定期路線; 国内線定期便が就航している空港は15です。
年間旅客数は約3300万人で、その86%がJejuとの往来客。 残る14%も金浦・仁川・金海間の旅客である。
韓国の航空会社; 主力2社とLCC
大韓航空(Korean Air Lines;KE) とその傘下のLCC、アシアナ航空(Asiana Airlines;OS)とその傘下のLCC、そして独立系のLCCから成る。
1)大韓航空; 韓進グループが支配(持ち株約3割)し、傘下にLCCのジンエア―を持つ。
アライアンスはスカイチームに属する。 JALとコードシェアする等提携が深い。
2)アシアナ航空; 売却案件破談、政府支援下で再建模索
錦湖グループが支配(持ち株約45%)し、傘下に2社のLCC;エアプサン(プサンベー
ス)とエアソウル(仁川ベース)を持つ。
アライアンスはスターアライアンスに属し、ANAとコードシェア等で提携している。
業績不振から錦湖グループは全株売却を決定(2019年4月)し、現代産業への売却が決まったが、コロナによる一層の経営悪化で破談となった。
今は政府が2100億円規模の金融支援を決め、再建を図ることになっている。
3)チェジュ航空(JEJU AIR);LCC最大手で、Jejuを中心とした国内線のほか、仁川から東南アジアやグアム・サイパンなどに定期便を持つ。
機材はB737-800が46機。
4)ティーウエイ航空(t’way); B737-800型30機で国内線、国際線を運航。
5)イースター航空; 破綻して運航停止
日本路線が多く、日韓関係の冷却をきっかけに業績が大幅悪化。
2019.12月にはチェジュ航空による買収話もあったが、想定以上の資金状況の悪さ(賃金未払い等)にコロナの影響も加わって破談になり、2020.3月を最後に運航を停止した。
6) フライ江原(GANGWON); 江原道などの出資で設立。
2019.11月就航(B737-800x2機)。
襄陽空港をベースとして国内線、国際線に拡大の方向。
7)各社の国内線旅客規模とシェア(2019年);
・ 大韓航空はシェア23%(傘下のジンエアーと合わせて34%)。
・ アシアナ航空はシェア19%(傘下のLCC2社と合わせて32%)。
・ チェジュ航空のシェアは15%、T-wayは9%。