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イギリス政府は、「中国がスパイ活動を高度化」しており、「一線を越えている」と非難する見解を表明しました。

 

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イギリスでは7月に、英議会下院の情報・安全保障委員会が中国の脅威に対する政府のアプローチに関する報告書を発表。4年間の調査を受けて、中国のスパイ活動に対する政府の対応は「完全に不十分」で、「短期的な経済的利益によって支配されている」と結論付けていました。

 

これに対してスナク首相は9月14日、報告書を受け入れたとし、「もっとうまくやれる」分野があると発言しています。同日イギリス政府は、中国がスパイ活動の一環として、イギリス政府、軍、産業界や一般社会で要職にあり、機密情報を扱っている人を協力者として勧誘しているとする見解を議会に提出。中国の活動は「影響を及ぼすのではなく介入する狙いがあり、一線を越えている」と非難しています。

 

イギリスでは2022年、諜報機関の情報局保安部(MI5)が、中国の工作員がイギリス議会に入り込み、スパイ活動を行っていると警告していましたが、2023年3月に2人がスパイ容疑で逮捕されています。そのうち一人は機密情報を知り得る与党議員と接触していた議会調査員で、中国・杭州のインターナショナルスクールで教えた経歴があり、2年間の中国滞在中に工作員として勧誘された可能性があると、10日付英サンデー・タイムズ紙が報じていました。