「ポスト〇〇」という言葉があります。
例を挙げてみます。「ポストモダン」は日本語では「近代以後」の意味で、主に建築・美術・文学などの分野で近代合理主義を超えようとした思潮や様式を指します。また、「ポスト安倍」 などの言葉を聞くこともありますね。これは安倍首相の後釜は誰になるのかの意味ですね。
さて、「ポストコロナ」という言葉を最近、聞くことがあります。この言葉は「コロナが収まった後」を意味するとともに「コロナが始まった後では」という意味でも使われています。
似ている言葉に「ポストコロニアル」がありますが、これは昨今の「コロナ」とは全く別物です。「コロニアル」とは「コロニー(植民地)」のことで、「ポストコロニアル」は「植民地以後」の意味です。
世界各地の植民地が第二次世界大戦終了後に独立をしてゆく過程は「ポストコロニアル文学」を生み出しました。<植民地と母国>や<原住民と植民者>との関係に切り込んでいった営為が「ポストコロニアル文学」でした。植民地の文化や習俗とヨーロッパ文化との差異と軋轢を自覚した人々により「ポストコロニアル文学」は生まれたのです。
いまの世情を見ると「コロナ禍」の後には「ポストコロナ文学」は生まれるのか、などと頭の隅に浮かんでくるのです。
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