ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

電気自動車の未来について考える

2018年03月31日 10時28分42秒 | 独り言
今や近い将来、自動車はその多くがが動力源を電気にとって代わると予想されています。
実際、身の回りでも電気自動車を見かけることが多くなりました。
確かに電気自動車の普及はこれから増大してゆくものと思われます。

一般家庭で使用される「自家用車」には、電気を原動力とする自動車が普及することは、炭素排出量の削減や、化石燃料の有効活用の観点に立てば、良いことずくめのように思われます。

だがちょっと思い出してほしいことがあります。
それは「3.11東日本大震災」でのわたくしが実際に目にしたことです。
当時は東北地方の太平洋岸での道路や鉄道が甚大な被害を受け、それらの社会的インフラが使えなくなったことを記憶している方は多いと思います。

宮城県、岩手県、福島県、青森県の太平洋側の地区の幹線道路が致命的な損傷を受けたのでした。
家庭で使用する灯油や自動車の燃料であるガソリン・軽油の在庫は2・3日で底をつき、ガソリンスタンドでの供給が出来なくなっていったのです。

平時には、石油製品のほとんどはタンカーで石油貯蔵地まで運ばれていました。
ところがが太平洋側にあるほとんどの港が被害を受け、使えなくなってしまいました。
その時、政府が取った対応を今でも思い出します。
京浜地区にあるガソリンなどの貯蔵基地より日本海側の鉄道路線を経由して、青森の八戸の石油貯蔵地までそれを輸送したのでした。

京浜地区から新潟県を経由して日本海側を北上して青森まで行き、それから八戸の貯蔵地まで石油製品を運送したのでした。

そしてそれらを輸送するタンク貨物車の車列をけん引したのが、デイーゼル機関車でした。
それらの貨物列車が、わたくしの住む近くの鉄路を進んでゆく光景を何回も見ました。
先頭には機関車が2両、それらがけん引するタンク車が26両、そして車列の一番後ろにはやはりデイーゼル機関車がつながっていました。
後で知ったことですが、後ろの機関車は、貨物車を後ろから押す役目をするのですが、実はその機関車は、予備の機関車であったとのことです。
石油製品を満載したタンク車の26両編成という重量をけん引するには2両の機関車で普通は間に合うそうですが、先頭の機関車の一つに故障が発生した時のための予備の機関車を車列の後ろに備えていたのでした。

今や、鉄道のほとんどは電化がされています。
大都市圏を走る旅客電車はいうに及ばず、貨物列車をけん引するのはほとんどが電気機関車です。
電気機関車の方が輸送効率から言って優れているからだと思いますが、その光景を目にした時に思ったことは、旧いシステムと思われてたデイーゼル機関車をあんなにも頼もしく思ったことはありません。
普段は貨物の引き込み線でしか細々と活動しているだけと思われたデイーゼル機関車の力強い働き具合に感動を覚えました。

わたくしの親類が勤務する病院には非常用の発電装置があります。あの大震災の時には、その非常用発電機を稼働させ人工透析などを受けている患者に支障が出ないようにしたとの事です。
また、その時には発電機の燃料は軽油とガソリンでしたが、優先的に供給されていたとの事です。
看護師が通勤に使う「自家用車」のガソリンも優先的に供給されたと聞きました。

長々と東日本大震災後での光景を述べましたが、わたくしが言いたいことは次の事です。
今や人や物資の輸送の多くの分野では電気を動力源とする輸送手段が占める割合は多くなってゆくと思われますが、物資を輸送する大型トラックや配送する小型トラック、そして公共交通機関のバスなどには、少なくとも電気だけで動かす輸送機関以外の物を残すべきだと思います。

私たちが普段使用する「自家用車」の動力源に電気が取って代わるのは、結構なことです。
ですが、自動車の分野で言えば、トラックやバス、そして緊急自動車などは少なくとも電気だけを動力源とする事は避けなければならない「安全策」として残しておくべきではないかと思うのです。

これからの自動車の多くは「電気自動車」になってゆくでしょうが、いざというときに備えて「旧来の内燃機関を動力とする自動車や機関車」も残しておく選択もあっても良いのかなと思う次第です。

表題の画像はその時に活躍したデイーゼル機関車です。この機関車の同型は今でも秋田市の向井浜工業団地まで貨車を引っ張って日常で運行されています。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「変化」はなぜ生じるのか? | トップ | 「予測」と「予知」の違いは? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

独り言」カテゴリの最新記事