
秋田県の北部、八峰町(はっぽうちょう)の水沢と言う地区に、100年以上も前にに立てられた古民家の集落が残っています。
江戸時代の紀行家、菅江真澄(すがえますみ)がそこを訪れた折、山奥の集落に桃の花が咲いていたのをみて、まるで桃源郷のようだと記しているそうです。
そこの地名は別名、手這坂(てはいざか)と呼ばれています。今でこそその奥に水沢ダムも出来、車やバイクで行ける場所ですが、菅江真澄が訪れた時代は険しい山道の奥にあり、坂を昇るときに手を付くように這って進んでいったのでしょう。
そんな桃源郷に今年も桃の花が咲いているとの事で、バイクで行ってみました。

行ってみるとなるほど桃の花が満開です。鮮やかな桃色なのです。

ここの桃は観賞用の「ハナモモ」で実は小さなものが付きますが食用には向かないようです。
こんな山奥の集落ですが、現在は元から住んでいる住民は一人もいません。今のご時世ではあまりの不便さの故、其処を離れ、もっと便の良い町の中心部に近い地区に移住してしまいました。2000年に最後の住民が移住してからしばらく無人の集落となっていました。
ですが、昨年の夏から二人の若者が他県より移り住み、現在ではそこで暮らし始めています。
さて、そんな集落のなかの一軒の民家が所有者の元住民の意向により取り壊されるとの報道が地元紙の載っていました。無くなってしまう前に見ておき、、写真に収めておきたいと思った訳です。
目的の家屋はすぐにわかりました。窓のアルミサッシが外され、壁のトタン板もはがされていました。
今のゴミ分別では金属類と木材とは一緒に処理できないので、それらの金属類をあらかじめ取り外したのでしょう。
窓の外から建物の中を覗くと移住の時に不要になり、残された生活用品の中にあるものを発見。
勉強机が置かれた小部屋の壁に二つのランドセルが掛けられた儘になっていました。

天井のベニヤ板が剥げ落ち、その陰に赤い色と黒いランドセルが壁に二つ並んで掛けられていたのです。二つとも丁寧に使われていたようで、そんなに痛んではいるようには見えません。
もし、ランドセルと言う「物」に「心」があるのなら、この二つのランドセルは自分を使ってくれた二人のご主人が引き取りに来てくれるのをここで長い間、待っていたのでしょうか。
しばらくその光景をみていました。
他の民家もその後、少し見て廻りました。そのうちの一軒の軒先に旧い農機具を発見。

水田の草取りに使う除草機でした。我が家も昔は農家でしたので、子供の頃これで田んぼの草取りをしたことを思い出しました。ここの民家には除草機と共に薪なども置かれ、今でも農民が住んでいるような気もちを起こさせる光景でした。
バイクに途中でメカトラブルがあったりしましたが、懐かしいものを発見したバイクで訪ねた「桃源郷」の旅のお話でした。
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江戸時代の紀行家、菅江真澄(すがえますみ)がそこを訪れた折、山奥の集落に桃の花が咲いていたのをみて、まるで桃源郷のようだと記しているそうです。
そこの地名は別名、手這坂(てはいざか)と呼ばれています。今でこそその奥に水沢ダムも出来、車やバイクで行ける場所ですが、菅江真澄が訪れた時代は険しい山道の奥にあり、坂を昇るときに手を付くように這って進んでいったのでしょう。
そんな桃源郷に今年も桃の花が咲いているとの事で、バイクで行ってみました。

行ってみるとなるほど桃の花が満開です。鮮やかな桃色なのです。


ここの桃は観賞用の「ハナモモ」で実は小さなものが付きますが食用には向かないようです。
こんな山奥の集落ですが、現在は元から住んでいる住民は一人もいません。今のご時世ではあまりの不便さの故、其処を離れ、もっと便の良い町の中心部に近い地区に移住してしまいました。2000年に最後の住民が移住してからしばらく無人の集落となっていました。
ですが、昨年の夏から二人の若者が他県より移り住み、現在ではそこで暮らし始めています。
さて、そんな集落のなかの一軒の民家が所有者の元住民の意向により取り壊されるとの報道が地元紙の載っていました。無くなってしまう前に見ておき、、写真に収めておきたいと思った訳です。
目的の家屋はすぐにわかりました。窓のアルミサッシが外され、壁のトタン板もはがされていました。
今のゴミ分別では金属類と木材とは一緒に処理できないので、それらの金属類をあらかじめ取り外したのでしょう。
窓の外から建物の中を覗くと移住の時に不要になり、残された生活用品の中にあるものを発見。
勉強机が置かれた小部屋の壁に二つのランドセルが掛けられた儘になっていました。

天井のベニヤ板が剥げ落ち、その陰に赤い色と黒いランドセルが壁に二つ並んで掛けられていたのです。二つとも丁寧に使われていたようで、そんなに痛んではいるようには見えません。
もし、ランドセルと言う「物」に「心」があるのなら、この二つのランドセルは自分を使ってくれた二人のご主人が引き取りに来てくれるのをここで長い間、待っていたのでしょうか。
しばらくその光景をみていました。
他の民家もその後、少し見て廻りました。そのうちの一軒の軒先に旧い農機具を発見。

水田の草取りに使う除草機でした。我が家も昔は農家でしたので、子供の頃これで田んぼの草取りをしたことを思い出しました。ここの民家には除草機と共に薪なども置かれ、今でも農民が住んでいるような気もちを起こさせる光景でした。
バイクに途中でメカトラブルがあったりしましたが、懐かしいものを発見したバイクで訪ねた「桃源郷」の旅のお話でした。

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