ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

独り言、「時間」

2016年09月15日 09時22分52秒 | ことば
ミヒャエル・エンデと言う児童文学の作家がいます。ドイツの方です。
彼の代表作に「モモ」と言う作品があります。
「モモ」はこの物語の主人公です。みすぼらしい格好をした小さな女の子です。
モモは「時間どろぼう」によって「盗まれた時間」を人々にとりもどし、迫ってくる時間泥棒と戦うというのがこの物語の内容となっています。

時間が無くなってしまうことは、私たちの日常ではごく普通に起こることです。
時間が無くて試験勉強がちゃんとできなかったとか、時間が無くてお化粧が十分でないのにデートに出かけてしまい、お相手に「今日のきみは、なんか変」と思われることもあるかもしれません。

ですが、時間がないことを「時間を盗まれてしまった」とは、普通は思いません。
勉強が十分でないのは「勉強の計画が甘かったから」とか、お化粧に十分な時間をとれなかったのは「寝坊をしたから」などと思ってしまいます。

モモの作者のエンデは、時間をなくしているのは「時間貯蓄銀行」を名乗る灰色の男たちが時間どろぼうをしているのだと言います。
「灰色の男たち」っていったい何者なんでしょうか。そうして、盗まれた時間を人々に取り戻した「モモ」はどうやってそれを取り戻したのでしょうか。


さて、時間を盗まれた人はその被害届をどこに出せばいいのでしょうか?

その被害届を受理してくれるところはどこにもありません。
被害届を出すのも、それを受け取るのも、その人自身なのです。
時間どろぼうの「灰色の男たち」も、盗まれた時間を取り戻すことが出来た「モモ」も実は私たち自身なのです。


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