北朝鮮の核ミサイル問題、韓国の親北政権誕生問題、中国の領土侵略問題、アメリカ通商省の対日FTA交渉問題と、国政全般に関わる喫緊の課題が山積しているにもかかわらず、日本国会村は、森友学園問題という矮小な村内スキャンダルで時間と税金を空費し続けています。
これについて書くつもりはありませんでしたが、あまりのくだらなさを見ているうちに、ふとあることに思い至り、一度は触れておいたほうがよいと考えるに至りました。
推測のかぎりを出ませんし、裏を取る力もありませんが、この問題は、次のように考えると、妙に符合します。
籠池泰典理事長は、なぜ昭恵夫人をたらしこみ、さらにフリージャーナリストの菅野完氏に、安倍首相から数百万円(?)単位の寄付を受けたというようなことを言ったのか。
国交省大阪航空局が地下埋設物撤去という籠池氏の言い分を聞いて、1億3000万円という破格の値段で国有地払い下げ契約を結んだのは2016年3月。しかしこの値段での売却を認可したのは近畿財務局でしょう。財務省がこの一件に大きく絡んでいることは確実です。
さて財務省は、消費増税を安倍首相に2度延期されています。2度目は2016年6月。これ以前に財務省は安倍首相が再び延期する意志を固めていたことをキャッチしていたはず。これを何としても阻止するために、安倍落としを狙った。この時点で落とせなくても、安倍首相のイメージをダウンさせて首をすげ替えることに成功すれば、彼以外には増税を阻止できる首相候補は他にいないと考えた(これは実際そうでしょうね)。
籠池氏ははっきり言って愚かな安倍信者であり、金さえつかませれば何とでもなると財務省は睨んだ。
ここ数日の籠池氏の言動を見てみましょう。
・「財務省からしばらく身を隠すように言われた。10日間身を隠していた」と菅野氏を通してマスコミに発表(財務省はこれを否定)。
・塚本幼稚園での記者会見で息子を同席させ、もし開校が認可されなければたいへんな負債を抱えることになると言わせている(これも事実でしょうね)。
・その夜、籠池夫妻はうれしそうな顔をしながら帰宅したところをテレビカメラにキャッチされている。
・東京での記者会見をキャンセルしておきながら上京し、菅野氏と会い、その後菅野氏に、「現職閣僚から数百万円の金銭供与があった」旨を記者たちに語らせている。
・証人喚問を受けて立つと言い、「安倍首相から昭恵夫人を通じて2015年9月に百万円受け取った」と発表。
この一連の言動の中には、思わず本音が出た部分と誰かから言わされている部分とが混在しているようです。
さて誰かとはだれか。
やはり財務省ではないか。
籠池氏に、ある時点で相当のモノをつかませて口封じを試みたが、おっちょこちょいな籠池氏は、けっこうボロを出している・・・。
つまりこの騒動の背景には、消費増税を何としてでも実現させたいという気〇いじみた財務省の執念と、これに精一杯の抵抗を試みている安倍首相との暗闘があるというのが、私の推理です。
私は、周回遅れのグローバリズムの道を邁進する安倍政権の政策にはまったく賛成できませんが、財務省のウソまみれの緊縮財政路線圧力に抵抗している安倍首相の姿勢には賛同します。もしこの推測が当たっているなら、ここには財務官僚の救いようのない腐敗が現われています。
「将を射んと欲せばまず馬を射よ」。それにしても一連の報道が事実とすれば、昭恵夫人は少々軽率でしたね。
好きではない陰謀論を試みました。好きではないのに、やらずにはいられない気持ちにさせる何かが私の中でうごめきます。