先日、佐世保市上原町にある浄漸寺さまへうかがいました。
このお寺は、平安後期に造られたと推察される木造薬師如来さまがご本尊です。
像高が111.3センチ、樟の一木造り。
威風堂々、しっかりしたお姿です。
目鼻立ちはとても大きくて、くちびるのラインはどっしり太く彫られています。
でも、羅髪は小さく繊細に仕上げてあって、お衣のラインも薄く繊細でした。
色彩が施されていたかどうかは定かでありません。
まさに、奈良時代と平安時代の特徴を合わせ持つ仏像です。
実は、このお仏像は秘仏としてこのお寺で永くお祀りされていたのですが、
虫食いや腐食がものすごくひどくて、うかうか触れないほどの状態だったらしく。
今回ご住職の発願で、専門の仏師さんに手渡され、保存修復の作業が施されました。
で今年の初夏、立派になって帰ってこられました。
古色で施された部分の色合いが落ち着いていないので、
若干ムラのある所は気になりますけど、
あと2,3年もすればしっくり落ち着くそうです。
今般、このお仏像を市の文化財にと、正式に答申が提出されました。
正直言って、これほどの仏像は県内では類をみないような気がします。
早い時期に市の文化財から県指定へと格上げしてほしいものだと、切に思いました。