懇意にさせていただいているご住職が、
お寺に伝わるお正月のお作法をつぶさに発信してくれました。
元旦の朝にお菓子の盛られたお盆が家族や来訪者にふるまわれることを
「おてがけ(おてがき)」をふるまう、といいますが、
この「おてがけ」が気になってしょうがないんで、
いろいろ調べてたら、何となくわかってきました。
これは伴侶が発見してくれたのですが、
中町泰子さんという民俗習俗の研究家がレポートしておられる
pdfファイルに詳しく提供してありました。
この方は「辻占菓子」をテーマに研究されてます。これもおもしろい。
たくさんの事例と写真もあって、とても興味深いです。
そのなかで、平戸の正月行事を研究された地元の木田昌宏先生の資料や、
柳田国男さんの資料などもあげて、かなりつぶさに探求されてあります。
このpdfの24ページには、
平戸松浦家の壺陽録の中に、松浦家23代藩主弘定が1492年に福岡箱崎の金胎寺で、
「住職が御蓬莱(おてがけ)を自ら持ってきてくれて大福茶までくれた。
元旦から金胎寺の御手懸をいただけることは、こりゃとても縁起のいいことだ。」
と述べたことを紹介してあります。
全国的に「おてがけ」にはいろんな当て字が使われるようですが、
元来の意味合いは、お手掛け、お手懸け、ということのようですね。
広い意味の「お年玉」と理解してもいいのかな。
蛇足ですけど、濁らずに「おてかけ」と発音するのはよした方がいいようで・・・。